マラウイボランティアレポート「オンラインで繋がる日本とマラウイ」

2021年3月31日

名前:須田 優風香
隊次:2019年度8次隊
職種:小学校教育
配属先:セントポールズ小学校
出身地:東京都町田市

学生の時に、自分の暮らしている世界、日常とは異なる世界に触れることは、大きな経験になるのではないでしょうか。その経験が種となり、いつか彼らの選択や未来に繋がっていくかもしれません。そのようなことを考えながらオンライン交流会を企画しました。

昨年春、Covid-19の感染拡大のために一時帰国することになりました。10月までの任期中にマラウイに戻れる可能性が低かったため、その状況でできることを考え、最後にオンラインでマラウイと日本の生徒の交流会をすることを決めました。当初は任期終了前の9月に実施する予定でしたが、スケジュール調整の問題、不安定な通信環境や使用するデバイスの問題、Covid-19によるマラウイの学校閉鎖などのために延期が重なり、今年3月にようやく実施することができました。任期終了後も準備を継続できたのは、配属先や日本の学校がこの交流を前向きに考え続けてくれたことがあったためだと思います。たくさんの方の協力があり、今回交流会を実施することができました。

交流会では、マラウイ北部にあるムジンバ県のセントポールズ小学校の生徒4名と、日本の広島なぎさ中学校・高等学校の国際部の生徒がオンラインで交流をしました。
初めに、一人ひとりが名前を紹介し、相手側がその名前を復唱しました。海外で生活をしている時、自分の名前を呼ばれると嬉しいものでした。交流会で名前を呼ばれた生徒たちも、少し照れながらも嬉しそうに笑っていました。
続いて、それぞれが自分の国について紹介をしました。日本側は、広島県の有名なものや学校生活、遊びなど、日本について幅広く紹介しました。マラウイ側は、終業式などで踊るダンスを披露しました。一見明るいダンスに見えますが、実は学校を中退した友達に戻ってくるように呼びかけたり、友達が妊娠してしまったことが題材になっていたりします。ある日本の生徒は「妊娠して学校をやめた女子生徒を呼び戻すことを題材とした踊りを踊るということを聞いて、衝撃を受けました。実際聞くと、ものすごく言葉にできない気持ちになりました。」と感想で述べていました。
最後の質疑応答の時間には、「将来の夢は何か」など様々な質問が出ました。「どんなダンスを知っているか?」とマラウイの生徒が尋ねると日本の生徒が踊ってみせたり、「好きな歌は?」と日本の生徒が尋ねると、今度はマラウイの生徒が歌ってみせたりするなど、相互にコミュニケーションを取りながら楽しく交流していました。
「素晴らしい時間でした。新しい友達ができたので嬉しいです。」とマラウイの生徒が最後に述べていました。終了後にも、4名全員が「楽しかった!」「嬉しかった!」などと笑顔で伝えてくれました。オンラインでも短い時間でも、同じ時間を共有して言葉を実際に交わし合ったなら、それはもう遠い国の誰かではなく、友達の1人と呼べるのかもしれません。日本の生徒の感想には、「『会えない』という状況下で、スカイプを使い、『同じ空間を過ごす』ということは何か考えさせられることが多くありました。不思議~!ここは日本なのに、分子の塊で脳には虚像が映って、それを向こうの人たちも繰り返している。同じ人類で同じ時間を過ごしているんだ。世界は広いな。」「私が一番印象に残ったのは、マラウイの学生がとても気さくで温かかったことです。」などがあり、充実した様子が伺えました。
今回実際に交流したことで、生徒たちが遠い国のことを少し身近に感じることができ、彼らの世界が前よりも広がっていたら、私はとても嬉しいです。

広島なぎさ中高等学校国際部ブログ

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日本の生徒を見つめるマラウイの生徒

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マラウイの生徒の反応を見ながら、積極的に質問をする日本の生徒

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プロジェクターに映るマラウイの生徒と集合写真を撮る日本の生徒