理事長あいさつ・活動内容

ごあいさつ

【画像】2019年5月、「令和」への改元により新しい時代を迎えました。JICAも2018年10月、日本の政府開発援助(ODA)の実施を一元的に担う「新JICA」に移行してから10年の節目を迎えました。役職員一同、適切に業務を執行し関係の皆様の期待に応えられるよう、新たな決意で日々の業務に取り組んでおります。

JICAは、開発協力大綱に定められた「人間の安全保障」と「質の高い成長」の実現を組織のミッションとしています。「人間の安全保障」は、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」が目指す「誰一人取り残さない」世界と軌を一にするものですが、初めて提唱されてから25年以上の間に生じた国際社会の変化を踏まえて、今日的な課題や脅威に即した取組みを強化しています。

JICAは、様々なパートナーと連携し、開発途上国の課題の解決に取り組んでいます。高い技術力やノウハウを持った企業の海外展開を後押しするため、昨年、民間企業の提案に対応する複数の事業を「中小企業・SDGsビジネス支援事業」として整理・統合するとともに、体制も含め、民間連携の取組強化を図っています。民間企業のみならず、地方自治体、大学・研究機関、非政府機関、協同組合など様々なパートナーとの協働は、開発途上国の課題の解決と同時に日本国内の発展にもつながるものと期待しています。例えば、開発途上国から来日する方々に対する日本各地の特色を活かした研修機会の提供は、地元の強みの再認識や活性化の一助となっています。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けては、スポーツの持つ力を国際協力に活かすとともに、開発途上国とホストタウンのマッチング・関係強化や、人的交流を通じた地域における国際理解の促進などに貢献していきます。また、外国人材受入に関連して、母国における渡航前の研修の実施や、開発途上国と日本の地方との協力関係の構築・発展に向けた取組みを開始しています。

2018年に始動した「JICA開発大学院連携」では、年間1,000人を目標に、母国の発展を支えるリーダーとなる人材を開発途上国から日本の大学院に招き、欧米とは異なる日本の近代の開発経験と戦後のドナーとしての知見を学ぶ機会を大学と連携して提供しています。連携大学での各専門分野でのプログラムに加えて、明治維新以降の日本の近代化の経験と歴史をテーマとする日本理解プログラムも受講できるようにしています。

不安定な国際情勢の中で、JICAは、開発途上国の平和構築の支援とともに、2016年7月に発生したバングラデシュ・ダッカにおけるテロ事件を踏まえ、事業関係者の安全を第一に、安全対策の不断の見直しと改善に、引き続き取り組んでまいります。

2019年は、G20大阪サミットや第7回アフリカ開発会議(TICAD7)など、日本が国際社会においてイニシアティブを発揮する重要な年です。国際社会の期待に応えて、日本の経験や知見を活用し、世界の様々な課題解決や発展に貢献することは、日本に対する信頼感の醸成につながります。JICAは、「信頼で世界をつなぐ」というビジョンの下、国内外の幅広いパートナーとともに、国際協力を推進してまいります。

2019年10月1日

国際協力機構理事長(JICA)
理事長 北岡伸一

田中前理事長(2012年4月〜2015年9月)の活動内容はこちら

緒方元理事長(2003年10月〜2012年3月)の活動内容はこちら