環境管理

マーシャル諸島の最終処分場

課題の現状

JICAは、「環境管理」を、「人間の経済・社会システムと環境の間の相互作用を適切に管理し、環境資源の保護と利用のバランスを保つことで、持続可能な社会の実現を目指す取り組み」と定義しています。その上で、環境管理の対象として大気、水、土壌、及びこれら各相の汚染を招く廃棄物管理などの課題に様々な事業を通じて取り組んでいます。

多くの開発途上国では、経済発展や人口増加、都市化の進展に伴い、不適切な廃棄物処理や水質汚濁、大気汚染などの環境問題が従来以上に深刻化しています。これらへの対処は、個々の国のみならず、世界全体の持続可能な発展の実現のために不可欠です。環境問題は日々の生活と密接に関係しており、特に都市部など経済発展や人口増加等が著しい地域では、環境の悪化が健康被害など人間の安全保障を脅かす深刻な問題につながることがあります。このような状況の中、多くの開発途上国では、環境省等の担当行政組織及び関連法制度の整備等の取り組みを行っていますが、経験、知識、人材、資金等の制約から十分な対処能力が構築されておらず、適切な対応がとられていないのが現状です。

「持続可能な開発目標(SDGs)」でも、ゴール11「住み続けられるまちづくりを」やゴール12「つくる責任つかう責任」に掲げているように、廃棄物管理や水環境管理等の環境管理分野は中心課題の一つとして位置づけられており、国際的な開発目標への貢献という観点からも、重要な取り組みといえます。

JICAの方針

JICAは開発途上国の発展状況やその地域に合わせた多様な支援を実施しています。なかでも「予防」を重視し、環境対策のための制度づくりなど、相手国の体制整備を重点としています。また、環境管理を行う組織や個人の能力強化(キャパシティ・ディベロップメント)が不可欠との認識から、人材育成や制度体制の整備や強化にも力を入れています。

廃棄物管理分野においては、JICAは持続可能な開発を目指すSDGsの達成に貢献するため、分野全体を包含する「3R(Reduce、Reuse、Recycle)を目指した総合的廃棄物管理の実現」及び各国の状況を考慮した「発展段階に応じた支援」を協力の基本的な方針とし、各国の課題に応じた支援メニューを提供しています。特に、持続可能な消費と生産(SCP:Sustainable Consumption and Production)の推進を重視し、廃棄物を資源に変えて再利用する静脈物流産業との連携や、市民社会のライフスタイルをより持続的なものとするための支援を積極的に行っています。

大気環境・水環境管理分野については、一朝一夕に課題を改善・解決することは困難であり、短期、緊急的な対応のみならず長期的かつ継続的な取り組みが不可欠です。協力にあたっては、予防原則を踏まえつつ、将来的な効果発現に向けた長期的な道筋を明らかにした上で、必要に応じた基本的な施設整備も含めて相手国の能力向上を包括的に支援する等、開発途上国自らが自立発展的に環境問題に取り組める体制を構築する支援を行っています。

課題別指針

ポジションペーパー

SDGsポジションペーパー

国際社会・開発協力の動向

環境問題は、1972年の国連人間環境会議(通称:ストックホルム会議)での「人間環境宣言」の採択以降、国際的な取り組みが拡大し、1992年の国連環境開発会議(通称:リオ・サミット/地球サミット)における行動計画「アジェンダ21」の採択によって国際的に対策を推進するうえでの共通認識が確立されました。リオ・サミットにおいては、行動計画に加えて「世代間衡平」、「共通だが差異ある責任」、「未然防止の原則から予防原則へ」といった画期的な国際法原則を含む27の原則が確認されました。また、2002年には「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(通称:ヨハネスブルグサミット)が開催され、リオ・サミットの合意をさらに着実に実施していくことを再確認し、各主体の約束文書がまとめられました。

リオ・サミット開催後20年にあたる2012年6月には、「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催され、「The Future We Want(我々の望む未来)」という合意文書が採択されました。この中では、持続可能な開発及び貧困削減の文脈におけるグリーン経済を目指すこと、そのための指標としてSDGsを設定することが確認されています。国際社会において、日本はいち国家として環境問題に取り組むことがますます重要になってきていると同時に、開発途上国への支援も先進国の義務としてその責任に見合った貢献が求められています。

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