所長あいさつ

モザンビークの安定的な発展のために

【画像】

JICAモザンビーク事務所のホームページへようこそ!

モザンビークは、1975年にポルトガルから独立、その後の長期にわたる内戦を経て、近年は年平均6~8%の経済成長率を維持してきました(ただし2016年は3.8%と失速)。しかしながら1人当たりのGNI(国民総所得)は480ドル(2016年世銀統計)、教育や保健などの水準を示すHDI(人間開発指数)は188か国中181位(2016年国連統計)と、世界でも最貧国の1つとなっています。一方で、農業ポテンシャルが高く、石炭や天然ガスといった天然資源にも恵まれ、将来の大きな発展の可能性を秘めています。

JICAは2003年4月当国に事務所を開設し、当初は医療、教育等の社会開発分野を中心に貧困対策に取り組む協力を行ってきましたが、近年は「ナカラ回廊地域」をはじめとした地域経済活性化に向けた協力を拡充しています。モザンビークは2,700kmの長い海岸線にマプト港、ベイラ港、ナカラ港等の重要港を有しており、隣接するマラウイ、ザンビア、ジンバブエ等の内陸国からこれらの港に至る物流ルートとしての複数の「回廊」が国を横断しています。日本政府は、このうち北部のナカラ回廊周辺地域の開発を重視しており、2014年1月に来訪した安倍総理は「ナカラ回廊地域の総合的な開発を中心に5年間で700億円のODA供与」を表明し、2016年にナイロビで開催されたTICAD VIにおいても、この地域はアフリカで広域開発を行う優先3地域の一つにあげられました。

ナカラ回廊地域は、モザンビークの中で開発が遅れた地域ではありますが、石炭輸送をはじめとする物流の拡大に合わせて、農業をはじめとする産業の活性化、多角化がなされ、地域住民の生計向上に結び付くことが期待されています。JICAはナカラ回廊地域において、玄関口となるナカラ港の整備をはじめとして、農業開発、道路整備、電力供給の改善、水供給の改善、中学校や教員養成学校の建設、HIV/AIDS対策等、総合的な協力を展開しています。

また、首都マプトにおいては、ガス火力発電所の建設や、ゴミ収集の改善を行っています。さらに、モザンビークは近年の気候変動の影響を大きく受け、自然災害に非常に脆弱な国です(例えば、毎年のように洪水が発生して大きな被害がもたらされています)。こうした状況に対処するため、気象予報の改善や治水対策、森林保全の協力も進めています。さらには、保健人材育成、産業人材育成、初等教育改善、投資促進といった幅広い協力を実施しています。

青年海外協力隊員及びシニアボランティアも全国に展開しており、2003年に初代隊員2名の派遣からはじまったボランティア事業は、モザンビークの方々に高く評価されて徐々に拡大し、2018年2月現在48名が派遣されており、累計では295名に達しました。

JICAモザンビーク事務所は、引き続き組織のビジョンである「信頼で世界をつなぐ」を通じ、技術協力(ボランティア事業を含む)、無償資金協力、有償資金協力の3つの手法を効果的に組み合わせた日本ならではの協力により、モザンビーク、さらには南部アフリカ地域の発展と安定に尽力していく所存です。

2018年2月28日
JICAモザンビーク事務所長
遠藤 浩昭