協力の概要

案件名

(和)感染症対策アドバイザー
(英)Advisor for Infectious Diseases Control and Laboratory Services

対象国名

ミャンマー

相手国機関名

ミャンマー保健省、国立保健衛生研究所

要請背景

JICAはこれまで、ミャンマーの主要な保健課題であるエイズ・結核・マラリアなどの感染症対策の支援を実施してきました(主要感染症対策プロジェクト)。プロジェクトは2015年3月に終了しましたが、ミレニアム開発目標からポスト2015開発アジェンダ(持続的開発目標)への移行により、これら3大感染症の対策も「流行の抑制」から「流行の終焉」へと新しい時代を迎えています。

「流行の終焉」に取り組むためには、信頼できる臨床検査能力とモニタリング・評価システムが不可欠ですが、ミャンマーの保健システムの中でも最も脆弱な部分の一つでもあります。各疾患の対策の根幹となる国家戦略計画では、臨床検査診断の重要性は増しており、その機能強化が求められています。しかしながら、3疾患対策の計画と臨床検査分野を統括する国立保健衛生研究所(National Health Laboratory、NHL)の計画との整合性が必ずしも取れておらず、NHLにおける包括的な活動計画策定・実施能力向上が望まれています。加えて、透明性の高いモニタリング・評価の必要性はますます高まっており、戦略策定と技術力の向上が求められています。

派遣の目的

  1. 保健省に対しミャンマー国のHIV、結核、その他感染症への対策に関し、戦略計画を実践するための活動計画策定と効果的なモニタリング・評価のために必要な技術的支援を行う。
  2. 技術協力「主要感染症対策プロジェクト(フェーズ1、2)」の成果を基盤に、特にHIV、結核分野における検査機能強化のため、NHL国家戦略の活動計画策定に関し技術的支援を行う。

期待される効果

  1. HIV、結核対策、その他感染症の戦略(国家戦略計画2016-2020)の活動計画及びモニタリング・評価の戦略性と技術力が向上する。
  2. NHL国家戦略の活動計画がHIV、結核対策等他の戦略・活動計画との整合性が担保された上で策定される。

活動内容

  1. HIV、結核対策、その他感染症の戦略(国家戦略計画2016-2020)の活動計画策定及びモニタリング評価の効果的な実施について他ドナーと協力し、技術的な支援を行う(具体的には、他国における教訓やモニタリング・評価の計画・実施について共有)。
  2. ポスト2015開発アジェンダで示されているモニタリング・評価のための新規指標について技術的支援を行う。
  3. 感染症対策に関する技術的見地から、HIV・結核等の感染症の電子データベース(E-database)構築をサポートする。
  4. HIV、結核対策の技術戦略グループ(Technical Strategic Group、TSG)にコア・メンバーとして出席し、技術的助言を行う。
  5. 臨床検査能力強化の推進のため、NHL国家戦略計画の活動計画策定に関し技術的支援を行う(外部精度管理システムの拡大も含む)。