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新人職員研修で兼工業株式会社様の工場見学を行いました。

2019年7月17日

新人職員研修で兼工業株式会社様の工場見学を行いました。

兼工業様工場風景

今年の4月に採用された新人職員がJICAの国内拠点に6月中旬の約1週間配属され、現場を学ぶ研修を行いました。

JICA中部にも4名の新人が配属され様々な現場研修を行いましたが、JICAの新しい動きである企業支援(企業が開発途上国で行うビジネス活動が、その国の社会問題の解決にも寄与するWIN-WIN型の海外進出)への関心が高く、実際の企業現場を見せていただくため、愛知県小牧市の兼工業株式会社様を訪問させていただきました。

どの国や町でも重要な上水道ですが、開発途上国では急激な都市化や配水・給水設備の能力不足により、ポンプ場から遠い場所、高台、建物の上部の階などでは水圧不足で水が出ない問題が起こります。紅茶の産地として有名なスリランカでもこの問題が深刻で、エリア別の時間給水(断水)が日常的となっています。

現在、JICAは兼工業様とこの問題解決に取り組んでいます。同社の技術によるPSVシステムは、ポンプ場から遠く、あるいは高くなる程水圧が低くならないよう配水・給水のバランシングを行うことで、現状のポンプ能力のままで遠くへも高くへも水を届けることができる技術で、スリランカの水道の問題解決の救世主として期待されています。

今回の訪問では、そのバルブ(PSVシステム)の仕組みについて教えていただいた他、工場での製造現場や、実際に水を使って遠くや高くにまで水が届くようになることが体感できる実験装置も操作させていただき、スリランカの上水道が改善される将来像を体感させていただきました。

紙の上で理解していたことも、実際に見聞きすると印象がさらに深まります。今回の訪問でも、企業の製造現場を見せていただき、真っ赤に溶けた金属が砂型に注がれ、切断や研磨を経て製品になっていく様子や、海外の現場でのご苦労を知ることで、東京の事務室では得られない経験を深めた筈です。

最後になりましたが、経験が浅い新人職員に分かり易く様々なご説明をいただいた兼工業株式会社の皆様、ご多忙の中大変ありがとうございました。

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