トピックス(2017)

企画展連動イベント4 講演会「タイで育ったBOSAIの心」

2017年10月18日

日本の防災教育を世界に。

JICA「タイ国防災能力向上プロジェクト」のスタッフユニフォームの近藤ひろ子氏

9月3日(日曜)に、企画展「セカイ×BOSAI−ソナエあればウレイなし−」の連動イベント4講演会「タイで育ったBOSAIの心」を実施しました。登壇いただいたのは、愛知県内の小中学校で教鞭をとられ、その後、ご自身の経験を生かしてJICA専門家として日本の防災教育を世界へ広めるプロジェクトに携わっている近藤ひろ子氏です。

日本にしかできない支援とは何か?

講演のはじめには、2004年12月スマトラ沖地震の被災地であるモルディブにおいて、日本にしかできない支援を模索するプロジェクトに参加したエピソードについてお話いただきました。「被災前に目を向けたソフト面での防災支援」に効果があるかを問うテストケースで、人育ての実績が認められたことから「タイ国防災能力向上プロジェクト」は始まりました。

タイで伝え、育った「BOSAIの心」

先生方や子どもたちの様子が分かる現地での写真を交えての講演の様子

近藤氏が伝える防災の合言葉は「命・支え合い・地域」です。今回の講話でも、防災教育とは命の教育であることを、聴講者に対し優しく力強く、分かりやすく語ってくださいました。また、教師や教育行政担当者との防災モデル授業についての打ち合わせや実際の避難訓練の様子など、現地の人々が自分たちで取り組む姿が写真とともに紹介されました。プロジェクトスタートから数年経過後、再びタイを訪れた時に、防災教育関係者が自ら「防災は命、支え合い、自ら動くことだ」というのを聞いて、近藤氏は防災教育が根付いたことを感じたといいます。

ブラジル・チリ・ミャンマーへ。生まれ育った土地で生きていくための「防災教育」

近藤氏が携わった4か国でのJICAの防災関連プロジェクト紹介パネル

「タイ国防災能力向上プロジェクト」が、ソフト面での海外防災支援のよい先進事例として、ブラジルやチリ、ミャンマーでのプロジェクトへとつながったことから、会場では、各国での取り組みもパネル形式で展示しました。講話の最後には、近藤氏が各国の現場で出会った人々から直接聞いた言葉が紹介されました。そのひとつには「ここの子どもたちは、この土地を愛しています。この自然を愛しています。そんな子どもたちに、この土地で生きていくための『防災教育』を進めていく機会がいただけて、とても幸せです。」という言葉がありました。一国の未来が、世界の未来へつながり、世界の未来が各国の未来を左右し、地球の環境や災害、戦争の問題にも深く関わっている、と近藤氏は演述しました。よりよい日本や世界を作っていくために、みんなで手をつなぎながら一歩づつ命を大切にすることを進めていこうというメッセージを聴講者たちは受け取ることができました。

参加者の声

「現地での写真が多く、先生方や子どもたちの様子がよく分かりました。明るく、楽しく、元気よく防災に取り組んでいるタイの人の姿が印象的でした」
「日本の良さをたくさん知ることができました。日本は良いことをしているなと思いました。予防の大切さが身に染みました。今後の教育を改めて見直していきたいと思います」
「タイの教育省副大臣やブラジル国オウロブレッド市の防災局、土砂災害専門家の方々の言葉が心に染みます。防災に取り組むということは、地域のコミュニティーづくりや防犯ともつながるということが分かり、助け合いが大切だと思いました」