トピックス(2017)

企画展「HOME-故郷を離れて-」連動イベント4 ワークショップ「絵本でつながる!世界とわたし」を開催しました。

2018年3月13日

本が人々の生きる力へつながる-難民キャンプにある図書館の役割

タイ・ミャンマー国境の難民キャンプには、今も約10万人の方が暮らしています

タイ・ミャンマーの国境沿いにある難民キャンプには、日本のNGOであるシャンティ国際ボランティア会が運営する図書館があります。蔵書には、現地の人々が使う「カレン語」翻訳文の印字シールを貼り込んだ絵本が置かれています。今回は、新たな蔵書となる絵本に「カレン語翻訳シール」をみんなで貼り込むワークショップを実施しました。
約35年前からあるタイ・ミャンマーの国境沿いの難民キャンプには、今も約10万人が暮らし、その多くはミャンマーから逃れてきたカレン族の方です。参加者には、こうした背景をミニレクチャーで伝え、シャンティ国際ボランティア会が運営する図書館についてVTRで紹介しました。VTRには、大好きな絵本のストーリーから「努力すれば夢は叶う」と将来に希望を見出す小学生などのインタビューも収録されていました。そして、絵本が難民キャンプで暮らす人々の生きる力へつながっている具体例を知り、図書館の役割について理解を深めました。

『風をつかまえたウィリアム』-まずは1冊、みんなで読んで、作業しよう。

『風をつかまえたウィリアム』を全員で読み、物語を味わう

切り取ったカレン語の翻訳シールを慎重に本に貼りこむ参加者

まず、みんなで取り組んだのは『風をつかまえたウィリアム』です。この本の主人公であるアフリカ・マラウィに住む少年は、図書館で出会った本をきっかけに風力発電に挑戦します。この物語が実話であることを知った参加者からは驚きの声があがりました。本を読んだ後で、全員でこの1冊への翻訳シール貼り込み作業を行いました。「翻訳シール」は、絵のスタイルや文の長さ、配置に合わせて用意されており、切り取り線が残らないようはさみで切ります。切り取ると、カレン文字のみになってしまうので、共同で行う際には、特にページや貼る位置が分からなくならないよう整理して並べることも大切です。時や場所を超え、この本を手に取る難民キャンプの人々を想い、全員で心を込めて作業を行いました。

グループに分かれて、4タイトルの本を仕上げよう。

カレン語翻訳シールを貼る前に『ぞうくんのあめふりさんぽ』を読むグループ

水の滴の一瞬の形をとらえた写真に、はっとさせられる『みずたまレンズ』

本の裏表紙にサインしたグループ名にも、想いがこもっています

全員で1冊を仕上げ、手順や注意点が分かったところで、休憩後は残り4タイトル4冊の作業に取り組みました。『ぞうくんのあめふりさんぽ』や『ボールのまじゅつしウィリー』は小学生、『みずたまレンズ』や『ことりをすきになった山』は大人を中心としたグループで取り組みました。まずは、絵本を読んで、その世界観を共有するところからスタートです。シールを切って、貼り込む作業を進める中で、連帯感も生まれます。作業終盤では、「カレン文字/ひらがな50音表」を頼りに、自分の名前をカレン文字で書くことにも挑戦。本の裏表紙には相談して決めた「グループ名」をカレン文字とひらがなでサインしました。午前・午後の部で作成した5タイトル10冊のカレン語の絵本は、2019年春、シャンティ国際ボランティア会を通じ、ミャンマー難民キャンプの図書館へ届けられます。