トピックス(2021)

2020年度短期研修実績報告~遠隔研修元年を振り返って

2021年4月1日

青年研修「中小企業振興」:初日は緊張した様子でしたが、徐々に打ち解けていきました。

コロンビア国別研修「生産性向上」では、現地カウンターパート機関の企画による2019年度研修員と2021年度研修員(予定)の情報共有セミナーを行いました。

2020年度、JICA中部では課題別研修8件、青年研修2件、日系社会研修1件、国別研修2件、国別フォローアップ研修1件、計14件の短期研修を遠隔実施しました。うち3件は遠隔研修のみで完結し、他は遠隔研修では座学を行い、2021年度に来日し実地研修を行う予定のものです。

新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、2020年度に実施を予定していた約60件の短期研修の多くは、残念ながら中止もしくは翌年度に延期となりました。その理由としては、現場視察が中心の研修では遠隔研修による効果発現が難しい、遠隔研修の実施が年度後半に集中したため都合がつかなかった、遠隔研修のノウハウが不足している、などです。

1954年に開始したJICAの研修事業の歴史の中で、これほど長期にわたり、全世界からの来日研修受入を見合わせるのは初めてのことです。長い間、JICA研修は来日により行われるものという概念は疑いを持つことなく存在し、日本の現場を体感して学ぶことに重きを置かれてきました。しかし、渡航制限解除の見通しが立たない中、また、コミュニケーションツールが目まぐるしく進化し、世界中でeラーニングが進む中、私たちもJICA研修の意義やあり方そのものを見直す必要性に迫られました。

JICA中部では、この半年間、試行錯誤の中で遠隔研修を実施してまいりましたが、遠隔研修のメリットと来日研修を完全に代替することの不可能性の両方を感じています。遠隔研修では、研修員が自国から参加することで、通常業務に従事しながら効率的に学ぶことができ、自国の状況に照らし合わせた課題の抽出や研修員・講師との情報共有を効果的に行えるメリットがあります。また、オンラインツールの活用により、研修員以外のオブザーバーや帰国研修員(過去の研修参加者)の参加が容易になり、より広い範囲で学び合いやネットワーク形成ができました。しかし、やはり遠隔研修の最後には研修員の来日への期待が高まり、日本の現場に行き、目で見て耳で聞いてより多くの情報と学びを得たい、という強い思いにつながりました。

JICAによる遠隔研修の実施環境・制度の整備が半ばの中で、遠隔研修という新たな挑戦への取り組みにご協力くださった研修実施関係者の皆様に心より感謝申し上げます。今後もしばらくは来日研修の見合わせが続きますが、来日研修が再開する日まで、さらに創意工夫を重ね、より魅力的な遠隔研修の実施を目指してまいります。今年度もJICA研修事業へのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。