国際協力におけるジェンダーをめぐる動きは、以前は、開発途上国の“女性の開発への参加”に着目した「開発と女性(WID)」というアプローチがとられていました。しかし最近では、社会の中で女性と男性が置かれている状況を把握し、不平等や暴力を生み出す制度や仕組みを変革しようとする「ジェンダーと開発(GAD)」というアプローチが重視されるように変化しています。
また、このGADアプローチを定着させ、あらゆる分野においてジェンダー平等を達成するために、「ジェンダー主流化」※を促進する動きが加速しています。
2015年までに世界の貧困削減を目指すミレニアム開発目標(MDGs)の8つの目標の一つに「ジェンダー平等の推進と女性のエンパワーメント」が掲げられていますが、教育や保健、貧困削減、環境といったMDGsのほかの目標の達成に向けても、“女性のエンパワーメント”は不可欠要素であると認識されています。
※すべての開発政策、施策、事業の計画・実施・モニタリング・評価のあらゆる段階でジェンダーの視点に立って、開発の課題のニーズ、インパクトを明らかにしていく取り組みを進めること。