『1人の女性のエンパワーメントは、子どもや地域社会、そして国のエンパワーメントにつながる』
国連事務総長 潘基文(パン・ギムン)、2008年9月25日
『People often ask: What can be done to defeat hunger? My answer is simple:
Empower women, because women are the secret weapon to fight hunger.』
WFP Executive Director Josette Sheeran
国際協力の世界では、女性たちが社会で自らの潜在能力を発揮し、自己決定権を持って人生を送る能力、あるいはそのような能力を身につける過程のことを“女性のエンパワーメント”と言います。
世界のさまざまな状況を示す指標を見ると、男性と女性では一般的に女性のほうが男性よりも社会的・政治的・経済的に不利な立場に置かれている場合が多いことが分かります。日本も決して例外ではありません。
教育を受けていない母親から産まれた子どもは、小学校に通った母親から産まれた子どもに比べて、栄養失調や5歳未満で死亡する割合が2倍になると推定されています。もし女性が教育を受けていれば、その子どもが学校に通う率は高くなり、世代を超えた貧困を終わらせることにつながると考えられています。
女性が適切に仕事に従事し、収入を確保できる社会作りもまた重要です。途上国の多くの国では、女性が農業の主要な担い手であるにもかかわらず、土地の所有権や社会保障を受ける資格を与えられていません。結果、男性よりも低い賃金で、不安定な立場に置かれること、家庭内やコミュニティでの意思決定過程への参加が制限されています。
さらに、教育を受けることで、考える力を身につけ、自分を取り巻く政治・社会・経済・環境のあり方について、自らの意見を発し、よりよい社会を作ることへの意識を高く持つことができます。
女性がパワーをつけること― これが世界を変えてゆく重要な要素なのです。