僕が音楽を届けたい相手は、高校一年生のときに生まれて初めて組んだバンドの仲間たちです。メンバーは自分を含めて6人。Metallicaのカバーをしていました。みんなでリハーサルスタジオに行ったり、練習後ファミレスでご飯を食べたり、ライブをやったり……音楽を、仲間と一緒に演奏する楽しさを一番最初に共有した思い出深いメンバーたちです。
贈りたい音楽は、Metallicaの「Master of Puppets」です。高校一年生のときに、三年生の先輩のバンドがこの曲を演奏しているのを聴いて、痺れたわけです。
「あんなサウンドを自分たちも出したい」ということで、Metallicaの曲をライブでカバーすることを目指して同級生とバンドを組みました。ただ、やっぱりMetallicaは難しくて……。僕は中学生の頃からギターをはじめていたので、なんとなく基本的なことはできていたんですけど、メタルでリードギター弾くとなると、それまでの自分の常識のさらに上のレベルが必要で。ドラマーもツインペダルを頑張って使ったり、ボーカルも精一杯シャウトしたりと、メンバー全員がそれぞれのパートでチャレンジし、努力しながらみんなでリズムを合わせていきました。
「Master of Puppets」には、「Master,Master」ってシャウトするパートがあって。曲のなかでもっとも盛り上がる部分です。高校一年生のときに先輩の演奏を聴いたときには、僕たちは客席からシャウトしていたんですよね。それで、バンドを組んで、その憧れの曲を自分たちが演奏するとなったとき、今度は同じ言葉をステージでメンバー全員でシャウトした。あのときの一体感はいまだに忘れられないですし、まさに青春でしたね。仲間たちとともに壁を乗り越えて演奏できた喜びはいまだに覚えています。