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絵本を通して広がる世界

掲載日:2009年5月7日

「世界の笑顔のために」プロジェクト

【写真】緑のマンゴーが黄色くなるこの季節。もう一つ嬉しい出来事が…<世界の笑顔のためにプロジェクト>で申請していた絵本が、ニジェールに届きました。

私の配属先は就学前教育視学官事務所で、同僚である教育主事の主な仕事は公私立幼稚園を巡回指導すること、技術向上のための講習会を開催すること。昨年度は、1園だったモデル園を5園に増やし、そこに隊員が入り、専門的な知識と経験を共有しています。

赴任当初、期待と不安をもちながら幼稚園をのぞいて見ると、そこは小学校。1日中茣蓙に座り、子ども同士の会話もなく、先生の言った単語をロボットのように繰り返す。多いクラスで子どもの数が50〜60人。後ろの子ども達まで先生の目も声も届くわけもなく、毎日が過ぎていく。それもそのはず、ここニジェールには幼稚園の先生になるための教員養成学校がなく、幼児教育の知識を学んだことのない人たちが先生をしています。でも、子どもたちは、世界中どこでも一緒。道端で遊ぶ子どもたちの様子を見てても、むしろ日本の子どもたちよりも生きる力(自分で問題や目標を見つけて、自分の力で考え、解決する力)が育っているなっと感心するほど。

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そこで、モデル園では食べる前やトイレの後に手を洗うことや、トイレは場所を決めてすること等々、衛生に関する生活習慣を身につけることをまずは試みた。先生と一緒に、衛生に関する紙芝居を作ったことで、先生の理解も得られ、子どもが慣れるのも早かった。そこで今度は、ただ茣蓙の上に座っているだけの時間を遊びの時間に変えることを試みた。これまで、ぬいぐるみやままごと道具、数冊の絵本は出ていたものの、子どもが壊すから、家に勝手に持ち帰るから、と言う理由から、子どもが触れることすら禁止されていた。中には、棚にしまい鍵をかけている先生もいた。そこで、どうしたら壊さずにおもちゃで遊べるか、家に持ち帰らなくなるか、先生と一緒に考え、片付けの箱をおもちゃ別に作ったり、遊ぶ前に子どもと使い方の約束をしたり、毎回子どもと一つ残らず片づけをしたりした。その結果、保育室ではままごとコーナー、車コーナー、絵本コーナー、廃材のお店コーナー、ぬいぐるみコーナー、ブロックコーナー等が設置され、子どもが自由に遊べるようになった。また、外で過ごす休憩時間も、手づくりボールや縄で遊んだり、砂に水をまいて泥遊びをしたり、遊びの中でも社会性や創造性、想像力を培っていることを先生に理解してもらうことで、さらに遊びは広がった。

その中でも、家では手に出来ない絵本のコーナーは子どもに大人気。でも、一クラスにある絵本は多くても3,4冊で、1冊もないクラスも多い。そして、その数冊の絵本を5〜6人の子どもたちが頭を寄せ合って見ていた。勿論、文字はフランス語で子どもたちは読めないので、絵を見て自分たちで話を作ったり、見立てて遊んだりしている。もう少し絵本があったら、ニジェールにいてももっといろいろな世界が見れたり、本を通していろいろな経験ができるのにと思い、絵本を作ることも考えたが、絵本を作るにも、紙や画材を揃えるだけでも相当な金額になり、とても払いきれない。

そこで、世界の笑顔のためにプロジェクトに絵本を申請することにした。申請相手は、以前勤めていた幼稚園で、以前から何か出来ることがあったら…と声をかけていてくれたこともあり、依頼することにした。

そして、待ちに待った60冊の絵本が届き、子どもたちは大喜び。配属先を通しモデル園6園と村の幼稚園にも数冊手渡すことができ、日々1000人以上の子どもたちがページをめくっては、お話の世界を味わったり、絵を見て、話をふくらませている。子どもたちが、ページをめくるときのわくわくした表情、子どもの会話を隣で聞くことが、今の一番の楽しみです。

(19年度2次隊 幼児教育 富田 恵)

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