【開催報告】"Rwandaful Summer 2017"

JICA二本松が共催するイベント"Rwandaful Summer 2017"が7/17(月)海の日に福島市で開催された。

2017年7月17日

ルワンダフルサマー2017

会場となった福島県教育会館

「ふくしマリンケ」さんのパフォーマンス

■イベント名
Rwandaful Summer 2017(ルワンダフルサマー)
〜POLE POLE TALK & LIVE in ふくしま〜
■会場
福島県教育会館(福島市)
■主催
特定非営利活動法人ルワンダの教育を考える会
共催:JICA二本松
■日時
2017年7月17日(月)海の日
12:00開場
13:15開演
16:20終了
■プログラム
第1部トークセッション
「アフリカ・日本、子ども達の未来について」
早川千晶さん(ケニア28年在住・マゴソスクール主宰)
永遠璃マリールイーズさん(NPOルワンダの教育を考える会(福島市)理事長)

第2部ケニア音楽のライブ
大西匡哉さん(アーティスト。アフリカンドラム・歌)
「ふくしマリンケ」(西アフリカの太鼓と踊りの会)
早川千晶さん(ケニア28年在住・マゴソスクール主宰)

毎年「海の日」開催の恒例イベント

ルワンダ共和国大使館のヴェネティア・セブダンディ特命全権大使閣下

JICA二本松 洲崎所長

第1部トークセッション

第2部のライブ

ライブでは会場に集った参加者もステージにどんどん招き入れられ、大いに盛り上がった。中央にはルワンダ大使の踊る姿も。

会場に設けられたJICA二本松ブース

 イベント"Rwandaful Summer(ルワンダフルサマー)"は、福島市のNPOルワンダの教育を考える会が主催しJICA二本松が協力して毎年「海の日」に開催している恒例イベントだ。NPOルワンダの教育を考える会はJICAから「草の根技術協力」の委託を受け、「小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」実施中の団体でもある。

 今年は在京ルワンダ共和国大使館で特命全権大使を務めるヴェネティア・セブダンディ閣下も臨席された。イベントの冒頭の挨拶では、イベント"Rwandaful Summer"開催や草の根技術協力「小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」実施での人の行き来は、日本-ルワンダの関係強化につながることになり嬉しく思うと述べられた。
 また、JICA二本松の洲崎所長も出席。冒頭の挨拶では「JICA二本松は青年海外協力隊・シニア海外ボランティアの訓練所としてのみならず、市民の皆様が参加しての地域連携活動が大きな任務となっています。市民の方々がやりたいと思う活動をJICAはぜひサポートしたい」と述べた。

 第1部はトークセッション。パネリストの早川千晶さんはケニアに28年在住し、「キベラ」というケニアの大規模なスラムの中で運営される「マゴソスクール」を主宰している。マゴソスクールに通う生徒がスラムでどのような環境で生きているかや、どんな心の傷を負ってスクールに通学し始めたかを紹介した。早川さん自身、アフリカに住んでいる人達の大きな愛情に救われたと話し、アフリカへの想いや教育支援の大切さを訴えた。
 同じくパネリストのNPOルワンダの教育を考える会理事長の永遠璃・マリールイーズさんは、JICAから委託を受けて実施中の「ルワンダ共和国 小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」のプロジェクトマネージャーだ。「教育とは、授業がただできるだけではなくその質の向上が大切で、プロジェクトではルワンダ人の教員を日本に研修員として呼んだり、ルワンダ国内で教員向け研修を行っている」とプロジェクトの概要を紹介した。

 第2部はライブ。メインのアーティストの大西匡哉さんは、ケニアの村に8年間住み込みでアフリカンドラムの演奏を習ったという。2011年3月11日に発生した東日本大震災の際、震災発生の3日後の3月14日に、ケニアのキベラスラムで早川千晶さんが主宰するマゴソスクールの子ども達と一緒に震災で犠牲となられた方々への祈りの歌を合唱した。その模様は動画投稿サイトのYoutubeで紹介され、再生回数が大変な数にのぼり子ども達の震災犠牲者を想い泣きながら歌っている様子が感動的であるとして日本国内のテレビ番組でも取り上げられる等、大きな反響を呼んだ。その大西さんがアフリカンドラムや民族楽器を用いて歌い、トークセッションでパネリストを務めた早川さんや福島市の「ふくしマリンケ」のダンサーと演者も演奏に加わって、アフリカ音楽のコンサートをした。
 ダンサー達は会場に集ったお客もステージに引っ張って行き、全員で踊って大いに盛り上がった。ステージにはルワンダ大使館のヴェネティア大使閣下も上がって一緒に踊り、福島で皆がアフリカを想って歌ったり踊ったりする様子を見て大変感動された様子だった。


 ルワンダは90〜100万人の犠牲者が出たと言われる大虐殺を経て「奇跡の復興」と言われる程の回復を見せた。また、東日本大震災・原発事故では福島県は大きな傷を負っている。福島とルワンダが今後も共に学び合い交流していくよう参集者皆で確かめ合った。

 会場ではJICA二本松のブースで、JICAの青年海外協力隊に参加を希望している市民の方や学生が次々に訪れ、職員が応募の個別相談に乗った。

ルワンダへの協力

Rwandaful Summer(ルワンダフルサマー)"のトークセッションではNPOルワンダの教育を考える会が実施団体となっている草の根技術協力「小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」も紹介された。

 JICA二本松は「草の根技術協力事業」でNPOルワンダの教育を考える会の「小学校算数教授能力向上プロジェクト」を支援している。ルワンダでは国レベルで社会・経済開発を目指しており、理数科教育の充実が求められている。ルワンダは「奇跡の復興」を遂げつつあるとはいえ、内戦の影響による教員の数の不足や、教授言語(学校で授業をする時の言葉)がフランス語から英語に切り替わったことにより、学校の現場では「フランス語で教育を受けた先生達」が「英語で育つ子ども達」に授業をしなければならない状況が発生しており、授業の質の向上が課題となっている。
 そこでNPOルワンダの教育を考える会では、ルワンダ国首都キガリ市郊外のキミロンコ地区をターゲットエリアとし、地区内の教員の算数指導能力の向上を狙ったプロジェクトを開始。2016年11〜12月には、同会が運営を支援するキミロンコ地区内のウムチョムイーザ学園の校長や、地区の教育行政官、教員らを研修員として日本に招へい。静岡大学や福島県福島市内の小学校等で研修を行った。研修員の一人は「ルワンダでは先生が主体となって、先生が教えます。日本では主役は子ども。子どもが主体的に学ぶために先生はサポート役になっています。子どもの気づきを促す働きかけ方が日本の教員は上手で、子ども達の笑顔が印象的だった」と話した。
 また、ルワンダには理数科教育の日本人専門家を派遣し、教員向けの研修を行っている。この研修はキミロンコ地区の教員に大変好評で、受講している先生達の求めに応じて研修の頻度が2倍に増えている程。
 日本では教員同士の研究授業や研究会の初任者研修といった教員向けの研修が行われているが、ルワンダでも教員の指導能力向上を狙った「校内研修制度(SBI)」をスタートさせている。しかし、教員向けの校内研修自体の認知度が低いルワンダではなかなか根付いていないという。NPOルワンダの教育を考える会が行う教員向けの校内研修は、ルワンダ国が進めるSBI制度のモデルケースになることも期待されている。プロジェクトは2019年2月まで継続する。

■プロジェクト名
小学校教員の算数指導力向上プロジェクト
2016年11月〜2019年2月
実施団体:NPOルワンダの教育を考える会
「草の根技術協力支援型」でJICA二本松から委託を受け実施中

■岡本行夫JICA「特別アドバイザー」が視察
 「小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」で支援しているウムチョムイーザ学園には、先般、岡本行夫JICA「特別アドバイザー」が視察された。
 プロジェクトマネージャーでありNPOルワンダの教育を考える会で理事長を務める永遠璃・マリールイーズ氏は岡本アドバイザーに対し、ルワンダの学校には整備された安全なグラウンドがなく、いつか日本で行われているような運動会をルワンダでも開催したいと夢を語った。岡本氏はその夢に感銘を受け、日本で早速民間企業に支援を呼びかけたところ、続々と寄付が集まり、ウムチョムイーザ学園には今年新規にグラウンドが建設されることになった。10月完成を目指して工事が進められる。
 そして、グラウンド完成記念のイベントとして日本の「体育の日」とタイミングを同じくして10月8日(予定)でUNDO-KAI(運動会)がルワンダで初めて開催されることになっている。UNDO-KAI(運動会)には、JICA二本松訓練所を卒業した青年海外協力隊員達も運営ボランティアとして続々と駆け付けるという。
 JICA二本松では10月に予定しているこのUNDO-KAI(運動会)に対し、福島県内のメディアを派遣し取材いただく予定だ。

 民間企業も協同した日本からの支援の輪が広がりつつある。

 (※岡本氏が執筆したウムチョムイーザ学園視察のコメントは、JICA広報誌mundi2017年6月号に記事を掲載しております。下記の関連リンクからご覧いただけます)