「夕涼みの集い」って何だ?

2017年8月17日

 7月29日(土)、協力隊員経験者がJICA二本松訓練所に集まる機会を利用して、地元のJICA応援団の方々との交流を更に盛んにする「夕涼みの集い」を開催した。
 当日はあいにくの空模様となったが、JICA二本松訓練所の講堂は、そんな天候を吹き飛ばすかのような熱気に包まれた。

地域活性化に貢献できる訓練所を目指して

にほんまつ地球市民の会 齋藤 徹 専務理事


二本松市観光協会 安齋 文彦 会長


200名以上の参加者が交流を深めた

 今から22年前、二本松市民の熱烈な誘致活動とご尽力の元、安達太良山の中腹にJICA二本松訓練所は創設された。これまで1万人以上のJICAボランティアを輩出したJICA二本松訓練所では、近年、語学学習や課業(活動手法、社会的多様性理解、生活班活動)といったJICAボランティアのための派遣前訓練だけでなく、「世界も日本も元気にする」というメッセージのもと、福島県内の地域活性化のための活動支援にも力を入れている。草の根技術協力事業や青年研修など、5年前から新たなJICAの市民参加協力促進プログラムにも取組み、二本松市や会津若松市、三春町といった自治体、福島県立医科大学などの教育機関、ルワンダの教育を考える会などのNPOとの連携・協働体制も強化してきた。
 他方、訓練生と地元の方々が交流できる機会は極めて限られており、昨年度から導入した二本松市街地のフィールドワークを取り入れた野外訓練に加え、「夏」「秋」「冬」の季節における訓練生と地元の方々との接点を増やすための方策が検討されてきた。二本松市の現状や問題点を探り、課題解決に向けて様々に考察することは、今後途上国へ派遣される訓練生にとって貴重な体験となることはもちろん、地方で頑張る方々とネットワークを築き、帰国後の自分の社会還元の在り方を考える契機としても非常に重要である。
 今般、「夕涼みの集い」では、JICAボランティア事業を理解し、候補者にいつも声援を送ってくださる二本松市のJICA応援団(にほんまつ地球市民の会、二本松商工会議所、二本松青年会議所、二本松観光協会、岳温泉観光協会)の方々をJICA二本松訓練所にお招きし、2017年度2次隊候補者と二本松の銘酒に舌鼓を打ちながら交流を深めた。

「一粒で、二度も三度も美味しい」?

岳温泉観光協会 鈴木 安一会長(左)と握手を交わすJICA二本松訓練所 洲崎 毅浩所長(右)

候補者による出し物

乾杯の挨拶を行ったインドネシア語学講師(右から3番目)と訓練生

 「夕涼みの集い」の冒頭、JICA二本松訓練の洲崎毅浩所長が、本年4月に一般社団法人化した岳温泉観光協会・鈴木安一会長と固い握手を交わし、さらなる連携強化に向けた具体的な活動方針について公に宣言を行った。地元の2大新聞・福島民報社と福島民友社に掲載されたこの記事で、JICA二本松訓練所が岳温泉観光協会のみならず、市内の様々な団体と積極的に協力していく覚悟であることを一般市民の方々に示すものでもあった。
 また、この「集い」は、地元の商工会議所や二本松市役所など、優秀な人材リクルートを渇望している地元企業や自治体関係者と、就職先をまだ決めていない帰国隊員とを引き合わせる絶好の機会でもあった。立食パーティーの会場のあちこちで、帰国隊員を探して名刺交換をしながら歓談する地元企業や市役所職員の姿が見られ、二本松商工会議所の安齋豊専務理事は「今後もこのような企画を継続していって欲しい。」と強い期待を示した。
 二本松観光協会の安齋文彦会長も、「このような企画と抱合せで、帰国隊員の方々へ二本松市での就職紹介など、若者のIターンに結びつけるイベントへ発展させていく可能性もある。」と、次の企画へ向けた意欲を寄せた。
 参加した訓練生から感想を聞くと「地元の方々と交流できて大変よい企画と思う。」「余興では音楽を通して一つになれた。」「楽しかった。またやって欲しい。」という声が挙がった。この会の翌々週に派遣前訓練を修了し訓練所を後にしたシニア海外ボランティアの参加者からは「これだけの大人数で交流する会は訓練中にはなかなか無いので、地元の方々との交流の場としてはもちろん、訓練生同士が交流する場としても有意義だったように思う。」という感想もあった。
 「連携や協力」を謳う前に必要なのは、「互いの信頼」である。そして、信頼関係を構築するうえで忘れてならない第一歩が、「顔を合わせ、言葉を交わす」というアクションではないか。どのような表情で、どのような言葉で相手と接するのか。相手の期待をどのように掴み、その期待へ真摯に応えようとするのか。「ヒト」を大切にしないと物事が進まないJICAボランティア事業にとって、日本での地域活性化活動に関わることは「派遣前の実践的学習」であり「帰国後の新たな選択肢」となるはずだ。そう信じて、JICA二本松訓練所は次なる「秋」と「冬」の新企画にも熱い想いで取り組んでいく。