「地方マスメディア派遣」でルワンダへ!

 10月6日〜14日の日程で、福島民報新聞・福島民友新聞の記者にルワンダのJICA事業を取材いただく「地方マスメディア派遣」を実施する。 【追記】渡航後、本ページに現地での取材の模様を追記しました(10/24)。

2017年10月5日

ルワンダへ!

福島民報新聞(左)
福島民友新聞記者(右)
福島県の観光ポスターの前で。

JICAルワンダ事務所で説明を受ける記者(キガリ)

 JICAではマスメディアに途上国の国際協力の現場まで実際に行って取材していただく「地方マスメディア派遣」を毎年、全国で実施している。今般、JICA二本松では福島県全県をカバーする地元2紙の福島民報新聞・福島民友新聞の記者をルワンダへ派遣し、JICA事業を取材いただくこととなった。

■日程
2017年10月6日 日本出発
10月7日〜13日 現地滞在
10月14日 帰国

■行き先
ルワンダ共和国

■渡航者
福島民報新聞 整理部記者
福島民友新聞 棚倉支局長
JICA二本松職員 永井

■取材内容
1.JICAの「草の根技術協力」で「ルワンダ共和国 小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」を実施中。今回、JICA二本松職員がその中間モニタリングのため現場を訪問し調査。実施団体は福島市を拠点とするNPOルワンダの教育を考える会で、このプロジェクトではルワンダ人の教員が福島市内の小学校で研修を受けている。福島の学校の先生の教科指導技術がルワンダの国際協力に役立っている模様を取材。

2.10/9(月・祝)開催予定のUNDO-KAI(運動会)
 上記「ルワンダ共和国 小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」で支援するルワンダ国キガリ市にあるウムチョムイーザ学園を、先般、岡本行夫JICA特別アドバイザーが視察した。帰国後に岡本氏の呼び掛けでNTTドコモ社から寄付の申し出があり、ウムチョムイーザ学園において生徒用のグラウンドの新規整備が8月下旬から始まっている。創設記念式典を兼ねてUNDO-KAI(運動会)を10/9開催予定。日本式のUNDO-KAI(運動会)は当地では初。その模様を取材。

3.派遣中の青年海外協力隊員
 ルワンダ国はJICA二本松訓練所からの青年海外協力隊派遣国であり、福島で訓練を受けた青年海外協力隊員の現場の模様を取材。

10/9(月)「体育の日」にUNDO-KAI(運動会)!

開会式で「君が代」が流れる中、日の丸の旗を振りながら静聴する子ども達。ルワンダ・日本両国の国歌が流れた。

リレー

宝探し競争

岡本氏がこのウムチョムイーザ学園を訪れた際、特に感動したというのがこの幼稚園児のダンス。子ども達の明るい笑顔と輝く目が、グラウンド創設の寄付に繋がっていった。

キガリの他校で活動する青年海外協力隊員も今日は運動会のお手伝いに駆け付けた

本部テントでは在ルワンダ日本大使館の宮下特命全権大使、JICAルワンダ事務所高田所長をはじめ、ルワンダ在住の日本人達も観戦。

 日本の「体育の日」に開催されたUNDO-KAIは黄組が優勝!おめでとうございました!ルワンダで初の運動会はたくさんの笑顔が弾け大成功!
 10月6日(金)〜14日(土)の約1週間、アフリカのルワンダへ二本松訓練所スタッフが渡航した。ルワンダのキガリ市では、福島市のNPOルワンダの教育を考える会がJICAの草の根技術協力で「小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」を実施中。JICA二本松と協力して実施している。プロジェクト現場になっているウムチョムイーザ学園では、10/9(月)にUNDO-KAIが開催された。ウムチョムイーザ学園は日本での幼稚園から小学6年に該当する年齢の生徒が同じ校舎で学んでいる。UNDO-KAI(運動会)では青組・黄組・赤組・オレンジ組の4組に分かれた。運営には二本松訓練所を卒業した有志の青年海外協力隊員も手伝った。
 プログラムは元気な入場行進に始まり、幼稚園児たちのダンスと、小学生たちの宝物拾い競争・リレー・借り物競争。子ども達は運動会の存在そのものを今回初めて知ったそうだ。リレーでバトンを次の走者に渡すことも、順位が書いてある旗の後ろに並ぶことも、点数をカウントし優勝チームを決めることも初めて。仲間と協力し計画を立てて準備していくこと、ルールを守り相手を思いやりながらプレイすること、運動会はたくさんのことを学ぶ機会になる。元々は長縄跳びも競技に入っていたそうだが、皆で息を合わせて飛ぶことができず今回は断念したとのこと。
 今回ウムチョムイーザ学園でUNDO-KAIを開催することができたのは、日本からの寄付で校舎にグラウンドが初めて敷設されたためだ。
 「千の丘の国」と称されるほどルワンダは丘が連なり美しい景観を誇るものの、斜面が多い分、学校には平坦なグラウンドがなかなか無い。NPOルワンダの教育を考える会の理事長を務めルワンダ出身の永遠瑠(とわり)・マリールイーズさんが、日本式の運動会をルワンダの子ども達にぜひ経験させたいと今年3月ウムチョムイーザ学園を視察した岡本行夫氏(外交評論家・JICA特別アドバイザー)に夢を語り、岡本氏からの個人寄付とNTTドコモ社からの寄付によりグラウンド創設が決まり、今回のUNDO-KAI開催に至った。

 当日グラウンドには周辺3つの学校の校長先生も見学に訪れた。子どもたちの盛り上がりに大変感動され、来年は合同開催したいという声が挙がっているそうだ。福島市のNPOの夢がルワンダで笑顔の絆を拡げている(10/9)。

※本記事はJICA二本松の公式Facebook特別連載記事「ルワンダへ!」vol.1〜3を抜粋し一部編集し直して掲載したものです。

10/10〜11 草の根技術協力「小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」中間の現場

教員が集まって研修

教員研修では教材や指導法のネタが毎度紹介される。今回は折り紙を折って平行四辺形を作ってみるワークが行われていた。

「指導案」を意見交換しながら作る。

指導案は"Everyday Lesson Plan"と命名されていた。研修会を開催する・しないに関わらず、日々先生達はPlanを作ってから授業をしていた。時間配分や、押さえるべきポイントが記述されている。

自作の教材。5〜6歳のクラスで、足し算を導入する授業。「+」のマークは首から下げていて、右手と左手で数字を替えて生徒に答えさせるフラッシュカードになっている。

小学3年クラス。分数の授業だ。

教師自作の課題プリントに意欲的に取り組む生徒達

進行を見守る廣瀬専門家。時間配分や説明の仕方など教員への教科指導法の技術的なアドバイスを考えている。

 ルワンダの首都キガリ市では、2016年11月からJICAの草の根技術協力「小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」を実施中だ。実施団体は福島市を拠点とするNPOルワンダの教育を考える会で、プロジェクトにおいては昨年11〜12月にルワンダ人の教員や教育行政官が来日し福島市内の小学校をはじめ、大学や教科書会社で研修を受けている。また、ルワンダでは上段でUNDO-KAIを開催したウムチョムイーザ学園において、日本人の教育専門家が算数の教科指導法を教員に紹介している。開始から約1年経ち中間を迎えたプロジェクト現場の進捗を確かめるべくJICA二本松職員が訪問した。

 今回は幼稚園クラス・小学の低学年クラス・小学の高学年クラスの算数の授業を見学。授業の合間には先生達の意見や感想も伺った。

 日本では教員が授業の要点や時間配分をまとめた「指導案」を作り、授業では理解を助ける様々な「教材」を活用し、効率的・効果的に授業を進行できるよう努めている。また教育委員会が主催する教員研修や研究授業も日々行われている。ルワンダではそれらはどれも一般的では無く、今回のNPOルワンダの教育を考える会による「小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」では、「指導案」作成の導入や、テスト後に教員同士で生徒の間違いの根本原因を分析し合ったり、教材の制作・活用方法を紹介したりしながら、先生達の算数の授業力向上を狙っている。

授業はまず子どもの心をつかみ集中させる「導入」のやり方が最重要と言われる。幼稚園クラスでは導入で、皆で立って数字の歌を独特の振り付けとリズムで踊りながら歌っていた。小学校クラスでは先生が自作した練習問題のプリントを出したり、課題に取り組んでいる生徒の間を巡回する「机間巡視」をしたり、日本の学校現場でよく見られる光景があった。授業の後には「あそこで生徒の集中が途切れていたから、時間配分を工夫すべきだった」「一人一人で設問に取り組む時間は欲しいけれど生徒によって解き終わるタイミングは違うので難しかった」等と感想を教えてくれた。指導案を作っていればこその感想で、生徒のために皆一生懸命だった。
 このプロジェクトで研修を受けるルワンダ人の先生達は熱心だ。「これまでは教員が意見交換することはなかったので初めはピンとこなかった。このプロジェクトが始まってから教員同士が授業の進め方の技術面を日常的に議論できるようになって、自分の成長が実感できる。」「授業のやり方を変えてからクラスの生徒の成績が向上している。」「生徒のことがよりしっかりと見られるようになった。」「プロジェクト前よりも自信がついた。」と口々におっしゃっていた。「小学校教員の算数指導力向上プロジェクト」は2019年2月まで続く(10/10〜10/11)。

二本松訓練所を卒業した青年海外協力隊員がルワンダで活躍

三浦隊員の配属先の聾学校

三浦隊員
皆でキニアルワンダ語の手話を学ぶ授業。ここでは来校した我々の名前を、手話でどう言うか子ども達が考えてくれた。

三浦さん発案のゴリラ鉛筆:職業訓練の一環で土産物を制作している。

小澤隊員と、商品開発したマウンテンゴリラ。羊毛フェルトで出来ていて、草木染で染色している。全て手作りだ。

羊毛を紡いで毛糸にする

マウンテンゴリラ制作チーム
写真右側2名のスタッフは、三浦隊員の聾学校から契約社員としてここに就職した。隊員同士のコラボによる成功例だ。

 アフリカのルワンダは二本松訓練所からの派遣国。今回ルワンダでは、2名の活動現場にも訪れた。

 1人目は平成27年度(2015年度)3次隊の三浦隊員(障害児・者教育)。NGOが運営する聾学校で活動している。生徒は耳が聞こえないため、三浦さんはなんと現地語の「キニアルワンダ語」の手話、口で話すキニアルワンダ語、そして英語。3つを自在に使い分けながら仕事していた。聾学校では生徒の就業支援のため、「ゴリラトレッキング」に訪れた観光客向けのお土産を制作している。それまでは木彫りのゴリラやお面が売られていたが売り上げは今ひとつ。売れないのは商品が大き過ぎて海外からの観光客のカバンに入らないからではないかと考えた三浦さんは、ご両親のインド旅行土産のペンをヒントに、「ゴリラ鉛筆」を考案。小さくてかわいい木彫りのゴリラが鉛筆のキャップのようにペン先にはまっている。これがウケて初回制作版は完売し、今回訪問時は追加制作版の商品見本を見せてくれた。

 2人目は三浦隊員と同期の小澤隊員(コミュニティ開発)。配属先はムサンゼ郡の郡庁、ビジネスグループや協同組合の支援が任務です。初めは何をしたらいいのか非常に悩んだと話す小澤さん。やがて羊毛のフェルト・毛糸製品を作っているNPOと出会い、郡庁からの出向職員としてそこで活動し始めた。NPOの羊毛加工製品はアメリカの提携店に卸されているが、小澤さんはまだまだ改良の余地があると考え、やがて羊毛のフェルトで出来たマウンテンゴリラのぬいぐるみの開発に成功。「ゴリラトレッキング」で有名なムサンゼならではのお土産としてこれがヒットし、生産が追いつかない数のぬいぐるみをスタッフが気軽に受注してしまって困ったこともあったそうだ。マウンテンゴリラのぬいぐるみは手作りなのでどれも表情が微妙に異なりかわいらしく、草木染で色づけしたフェルトの優しい風合いが絶妙だ。このNGOでは商品制作のため多くの女性の雇用を増やすことができ、更には上述の三浦隊員の聾学校を卒業した生徒も就職していて、現地の雇用促進に大変成果を上げている。

 三浦隊員・小澤隊員共に派遣から2年弱が経過し任期満了が近づいており、帰国は来年1月予定。二本松訓練所を卒業した隊員達がアフリカで大活躍だった(10/12)。

※取材同行した福島民報新聞は本記事の青年海外協力隊員2名を2017年10月19付の3面「住民と信頼関係築く」の特集記事で紹介しています。