【修了式】青年海外協力隊2019年度1次隊

2019年7月3日、2019年度1次隊青年海外協力隊156名の修了式を執り行いました。訓練期間は4/25〜7/3、派遣国数は35か国です。隊員代表謝辞を務めたのはタンザニアへ「数学教育」で派遣される大木徹隊員で以下に謝辞の全文の写しを掲載します。

2019年7月3日

隊員代表謝辞(全文)

 梅雨寒の日が続いておりますが、空とは裏腹に気持ちは晴れ、今こうして同じ空の下で、二本松訓練所での生活も最後の日を迎えることとなりました。本日は富安所長をはじめ、JICA・JOCAスタッフの皆様、バークレーハウス語学講師の皆様、来賓の皆さまのご臨席のもと、このような盛大な修了式を挙行していただき、謹んでお礼を申し上げます。私たち、青年海外協力隊2019年度1次隊総勢156名は、本日をもって派遣前訓練を修了いたします。

 思い返せば訓練初日の4月25日、二本松駅に降り立った瞬間から、たくさんのにほんまつ地球市民の会の方々が出迎えてくださいました。更に訓練所では桜の花が美しく咲き誇り、私たちの新たな挑戦の始まりを迎えてくれたことを今では懐かしく感じます。訓練所での生活を振り返ると、まるで夢を見ていたかのようにあっという間に時間が過ぎてしまいました。語学訓練、講座、フィールドワーク、地域実践や自主講座など、本当に多くのことを経験させていただき、自身の成長を感じる充実した毎日でもありました。特に、フィールドワークや地域実践は、市民の方々の協力なくして私たちの学びは得られませんでした。また班単位での生活は、お互い助け合うことや気遣いをすることの大切さに気付かせてくれました。今私は、ひとりでは見つけることの出来ない素晴らしい70日間を過ごせたと自信を持って言えます。それもこの環境を作ってくれた方々がいてくださったからだと身に染みて感じています。私たちの生活を支えて下さった商船三井興産株式会社の皆様とバークレーハウスの皆様、「よく来たね」と言って温かく迎えて下さった岳温泉・二本松の皆様、私たちのことを考え、優しく時に厳しく見守って下さったJICA、JOCAスタッフの皆様、更に、私たちが任地で困ることなく自分の力を存分に発揮できるよう情熱を注いで語学力を鍛えて下さった語学講師の皆様のおかげです。ここで2019年度1次隊を代表し、深くお礼を申し上げます。

 元気な点呼で始まる朝の集いも、わいわい集まって食べる食事も、一堂に会して受ける講座も、その全ての時間で支えてくれる仲間が近くにいることを実感できる瞬間だったと気付き、今、心が満たされています。同時に、課題に追われた日々、寝不足で頭が働かない朝、時間を忘れて熱く語り合った夜、くだらないことを大声で笑い合ったこと、ひとりで悩んで立ち止まったこと、たまに涙を流したことも、その全てが今では愛おしくて、かけがえのない思い出です。

 今の私があるのは、みんなのおかげです。自分に自信の持てない私は、訓練当初、様々な価値観に触れ過ぎて集団行動に嫌気がさし、ひとりになれる場所を探したことがありました。その時に感じた孤独を私は忘れません。それは、みんなが私の日常を作ってくれていたことを実感する瞬間でもありました。支えてくれる方々がいて、笑顔で挨拶を交わす大好きな仲間がいて、心から落ち着ける居場所があって、その全てが私をここまで連れてきてくれました。そして、「私は私。他の誰でもない。私自身でいれば良い。」と、教えてくれました。

 令和元年、日本が迎えた新しい時代の幕開けと共に、私たちの新たな人生の舞台が始まろうとしています。これから私たち156名は、世界中に旅立ちます。楽しいことよりも、辛い現実と向き合うことの方が多いのかもしれません。そんな時は空を見上げて、訓練所での生活を思い出したいと思います。そして、それぞれの任地で「自分らしく」、持つ力の全てを発揮し、必ず全員無事に帰ってくる事を約束し、謝辞とさせていただきます。

 最後に。
 この謝辞を読み終えると同時に、別れが来てしまうのかと思うと寂しくて仕方ありません。でも、私たちはみんな同じ空の下にいて、決して孤独になることはありません。
きっと現地で待っている人がいる、そこで私たちらしく輝ける、そう信じてここを出発します。日本人としての誇りを胸に、いってきます。

 みんな、ありがとう。また、世界のどこかで。

2019年7月3日
2019年度1次隊
青年海外協力隊 隊員代表
大木 徹

※ご本人の執筆した謝辞原文を尊重し漢字/平仮名/漢数字等の表記は原文のままとしています。

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