2021年度5次隊JICA海外協力隊派遣前訓練修了式

2021年度5次隊JICA海外協力隊32名の修了式を執り行いました。JICA二本松での訓練期間は、1月25日から3月10日までの45日間。派遣予定国数は14か国です。代表答辞を務めたのはパラオへ「果樹栽培」で派遣される予定の兒玉 洋一隊員で以下に全文の写しを掲載します。

2022年3月10日

隊員代表答辞(全文)

 安達太良山おろしの冷たい風に、ほのかに春の息吹が感じられる季節の中、本日、二〇二一年度五次隊三二名はJICA海外協力隊員として二本松訓練所を巣立って行きます。

 はじめに、本日は、ご来賓の皆さま、外務省国際協力局 事業管理室 大沼さま、JICA青年海外協力隊事務局長小林さま、二本松訓練所長田中さまをはじめ、訓練所職員の皆さま、語学講師の皆さまのご臨席のもとでこのような盛大な修了式を挙行していただき、心から御礼を申し上げます。
 
 私たち隊員は、日本での満ち足りた生活をあえて投げ捨て、生活環境が十分に良いとは言えない開発途上国に飛び込み、その発展に少しでも役に立ちたいという思いを持ったボランティアです。

思い起こせば、この訓練は、コロナ禍の中、雨のKKRホテル東京から始まりました。二週間、世間から隔離されたオンラインの生活を余儀なくされました。お互いの交流のない中、一人で食べた冷めたお弁当の味気無さが蘇ってきます。

一月二五日晴、雪を頂いた安達太良山がその美しい姿で私たちを出迎えてくれました。
二本松訓練所では、スタッフの皆さまや、にほんまつ地球市民の会の皆さまの温かいお出迎えを受けました。久しぶりの温かい食事が嬉しかったです。しかしここでも黙食で、お話しもままならない状態でした。

訓練所内はよく手入れされ、清潔な環境の中で勉学に励むことが出来ました。語学の学習は大変でした。教科書に加えて作文提出、フリートーキング、プレゼン練習、そして宿題とどんどん追い込まれていく感じでした。非英語クラスの隊員は、単語の意味からのスタートで、非常に苦労されていました。夜遅くまで教室の明かりが点いていました。
講座授業もどんどん進んで行きました。
隊員による自主講座も幅広い分野で行われ、専門性の高さに感心したものです。

訓練所の生活にも慣れ始めた二月六日の日曜日、みんなで岳温泉、足湯、コンビニツアーに出かけました。
隊員の交流は徐々に増してきました。中でも二月一三日、全員が参加した自主講座「初めてのコンテンポラリーダンス」は、これまでの閉塞感を一気に打ち破りました。全員が慣れないダンスに挑みました。笑いの連続でした。隊員の創作ダンスの気迫、息遣いの激しさに全隊員が感動しました。

交流の頂点を極めたのは二月二〇日のバドミントン大会でした。四チーム総当たりの戦いでした。親睦と言いながら全員が本気で戦い体育館は大いに盛り上がりました。各チーム大接戦で、うまくチーム分けをしたものと感心しました。

残念なのは冬季オリンピックイン NTCでした。朝から降り続く雪で中止となりましたが、午後からの雪遊びは大きな息抜きでした。雪洞や雪のオブジェにはスタッフの皆さんや語学の先生方もビックリされていました。

楽しさが増していく中にも緊張の時間がありました。秋篠宮皇嗣同妃両殿下とのご接見でした。自己紹介がうまくできるか、何を質問されるかドキドキでした。後で隊員全員が素晴らしい受け答えをした、と講評を頂きました一生の思い出となりました。 

私は「朝の会」が大好きでした。任国の国旗掲揚は神聖で厳かなものでした。各国国歌の重厚な調べ、流れるような旋律はまるでコンサートでした。国旗の色、デザインに込められた歴史や文化の紹介は実に興味深いものでした。

ここである英語の先生の言葉を紹介します。ここで英語を教えているのは、隊員に語学はもちろん、任地の文化や習慣を学び、プレゼン力を身に付けて頂くために頑張っている。開発途上国の力になってくれる隊員を育てたいからです、と。この言葉の意味を深く噛みしめて任地での活動を通して恩返しをしたいと思います。

私たち隊員三二名は四月下旬から順次任国に赴きます。二年後、全員無事に帰国を果たし、楽しかったこと、苦しかったことなど多くの体験・活動成果を報告したいと思います。

最後になりましたが、田中二本松訓練所長さま、訓練所職員の皆さま、語学講師の皆さま、バークレーハウスの皆さま、食事スタッフの皆さま、環境整備の皆さま、にほんまつ地球市民の会の皆さま、本当にありがとうございました。
二〇二二年三月一〇日

二〇二一年度五次隊 代表 兒玉 洋一

※ご本人の執筆した答辞原文を尊重し漢字/平仮名/漢数字等の表記は原文のままとしています。

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