2021年度1次隊JICA海外協力隊派遣前訓練修了式

2021年度1次隊JICA海外協力隊56名の修了式を執り行いました。JICA二本松での訓練期間は、4月27日から6月10日までの45日間。派遣予定国数は7か国です。代表答辞を務めたのは東ティモールへ「空手道」で派遣される予定の古野 公大隊員で以下に全文の写しを掲載します。

2021年6月10日

隊員代表答辞(全文)

入梅を間近に控え、安達太良山でも夏の装いが感じられ始めた中、二本松訓練所での生活も最後の日を迎えることとなりました。はじめに、本日はご来賓の皆様、田中所長他スタッフの皆様、語学講師の皆様のご臨席のもと、このように盛大な修了式を挙行していただきましたこと、心より御礼申し上げます。我々、JICA海外協力隊2021年度1次隊56名は、本日をもって派遣前訓練を修了いたします。
 今日、この日を迎えることができたのは、我々、訓練生だけの力ではありません。美味しい食事や綺麗な教室、安心して生活できる環境を提供してくださり、私たちの生活を支えてくださった商船三井興産株式会社の皆様、毎日の語学訓練の中で楽しくも力になる授業で、親身になってご指導してくださった語学講師の皆様、バークレーハウスのスタッフの皆様、訓練前からすべての面で手厚くサポートしてくださったJICA・JOCAスタッフの皆様、訓練生を温かく迎え、応援してくださった二本松・岳温泉の皆様をはじめ、この訓練に関わり、支えてくださった全ての皆様に、厚く御礼を申し上げます。

 思い返せば、大きく重いキャリーバックを引きずり、大きな期待と一抹の不安を抱えたまま、東京の電車に揺られ、KKRホテルに着いた日が遠い昔のことのように感じます。訓練生の皆さんの顔、スタッフの皆さんの顔を、初めて見たのは、パソコンの画面越しでした。そこからの14日間、昼間はオンラインでの講座や語学の自習、夜は訓練生が代わる代わる開いてくださるオンライン自主講座に参加し、夜が更けるまでパソコン越しに、たくさん話をしたのを昨日のことのように思い出します。訓練生の皆さんのおかげで、つらいだろうと思っていた14日間のリモート型派遣前訓練もあっという間に過ぎていきました。
 二本松訓練所に来てからも、感染防止対策から様々な制限がありました。そんな中でも、訓練生一人一人が工夫して、班長を中心に、スタッフの方々とたくさん協議をしながらWithコロナでの訓練を良いものにしていこうとしている姿が、頼もしく、かっこよく見えました。そんな皆さんの姿を見ている中で、自分にもできることがあるんじゃないかと思い企画させていただいた、『二本松訓練所オンライン大座談会』には多くの訓練生・スタッフの方々に参加していただき、共にとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。早いもので、東京から合わせ約60日の訓練が終わろうとしています。今の正直な気持ちを述べさせていただくと、帰りたくありません。しかし、この60日の中で、語学訓練や講座、訓練生・スタッフの方々との関わりから、本当に多くのことを学ばせていただきました。その学んだことを忘れることなく任地での2年間の活動やその先の人生を、周りの人々を信じ、そして何より自分を信じ、創造していきたいと思います。

 この場を借りて皆様に紹介したい言葉があります。それは、「力の伴わざる正義は無力なり、正義の伴わざる力は暴力なり」という言葉です。これは、私の学んでいる少林寺拳法の創始者宗道臣の言葉です。私は今回の訓練を通して、国際協力に必要な力の基礎を身に付けることが出来たと思っています。そして、隊員の皆さんからは、多様な正義の在り方と大きな愛を学びました。これら二つの「力と愛」は、どちらも訓練を通して身に付けることが出来たものです。訓練の中でご指導くださった講師・スタッフの方々、共に訓練を受けた仲間への感謝の気持ちを忘れず、任国での活動が現地の人々にとって良いものになるよう努めて参る所存です。

 私は、東ティモール派遣予定の訓練生が一人という状態で訓練に入りました。そのため、訓練の中でさみしさや辛さを感じることがなかったわけではありません。しかし、そんなときには、いつも誰かが明るく声を掛けてくれました。時には語学講師の先生方が、時にはスタッフの方々が、そして何より隊員の皆さんが掛けてくれた言葉に何度も救われました。1年間の訓練延期を乗り越え、2021年度1次隊に参加して本当に良かったと思っています。そのおかげで、訓練を通して新たな夢ができました。それは、派遣が終わり、帰国してから、各国でたくさんの経験や体験をした、皆さんとお酒を酌み交わしながら楽しく語り合うことです。そのために、この2021年1次隊は2年間の任期を全うし、誰一人欠けることなく無事に帰国することを誓います。
 結びに、皆様に出会えたご縁への感謝と任国での活躍をお誓い申し上げ、隊員代表の答辞とさせていただきます。

2021年6月10日
2021年度1次隊JICA海外協力隊 隊員代表 古野 公大

※ご本人の執筆した答辞原文を尊重し漢字/平仮名/漢数字等の表記は原文のままとしています。

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