十勝・帯広の「食」の魅力を海外に−マレーシアのナジブ首相がコラボ大福を試食

2015年4月8日

ナジブ首相に試食を勧める「とかち製菓」駒野社長と「AD」社の社員


 帯広商工会議所が実施している草の根技術協力「北海道フード特区・フードバレーとかち 海外展開支援を兼ねた東南アジア食産業人材育成事業」(2014年3月〜2016年3月)では、十勝・帯広の自治体や地場企業、研究機関等が有する技術や経験を活用し、タイとマレーシアにおいて食の安全安心の地域ブランドや高付加価値化による地域振興策の普及に取り組むとともに、企業同士の交流を通じたネットワーク形成を図っている。

 2014年5月と6月には十勝管内の食品企業をマレーシア(5月)とタイ(6月)に派遣し、セミナーの開催や食品展示会への十勝ブースの出展等を行った。また、同年7月には両国から19名の政府関係者と食品企業を十勝へ招き、十勝の「安全・安心の農業生産と食産業の取り組み」を学んでもらうための研修を行い、その中で、両国におけるハラル対応の取り組みを紹介するハラルセミナーや、両国に派遣した食品企業を中心とした交流会も開催した。

 これらの取り組みを通じ、将来のビジネス展開に向けた食品企業間での交流が始まるとともに、更にはタイではチェンマイ県、マレーシアではケダ州といった十勝・帯広と産業や取り組みに類似性を持った地域間の交流が生まれている。2014年11月、12月には両地域において十勝・帯広の取り組みを紹介する十勝セミナーを開催したところ、2015年2月にはマレーシアからケダ州政府・企業関係者がコストシェアにより十勝を訪れるなど活発な交流につながっている。

 マレーシア派遣や研修員受入れで本事業に参加した中札内村の和菓子メーカー「株式会社とかち製菓」は、現地原料現地生産で日本の和菓子技術により本物の和菓子を東南アジアに販売していきたいと考え、本事業を通じてパートナ—企業(ケダ州の菓子メーカー「アンバン・ドロンガン社(AD社)」)と出会った。2015年2月に同社は「AD社」の技術者2名を受け入れ、1週間大福の製造技術を教え、現地でのハラル認証の大福製造に向けた共同商品開発を進めている。

 そして、今般マレーシアのケダ州関係者からの提案を受け、4月1日〜4日にクアラルンプールで開催されたハラル製品の国際展示会MIHAS (MALAYSIA INTERNATIONAL HALAL SHOWCASE) において、ケダ州ブースの一画に十勝ブースを出展することとなり、本事業参加企業の商品の中で将来ハラル認証の可能性が見込まれる商品と共に、「とかち製菓」と「AD社」の共同開発大福も出品した。今年のMIHASは600以上ものブースが出展されたが、展示会初日の4月1日には、会場を訪問したナジブ首相とムスタファ国際貿易産業大臣が十勝ブースを訪れ、ナジブ首相が大福を試食し、「おいしい」とのコメントがあった。

 JICA草の根技術協力の成果として、十勝とマレーシアの共同開発商品のハラル認証取得、マレーシアでの市場獲得が期待される。

(JICA北海道(帯広) 佐藤 恭之)