小型浮魚資源調査能力強化プロジェクト

Capacity Development of Fisheries Resource Monitoring for Sustainable Management of Small Pelagic Resources in the Kingdom of Morocco

終了案件

国名
モロッコ
事業
技術協力
課題
水産
協力期間
2010年7月~2015年6月

プロジェクト紹介

モロッコ沿岸部ではイワシ・アジ・サバなどの小型浮魚を対象とした漁業が盛んです。零細漁民を始めとした多くの漁業従事者、加工産業の雇用者がこの漁業により生活を立てていますが、小型浮魚は生態系の変動に敏感に反応し、大きく漁獲量が変動するため、適切な資源評価に基づく資源管理が不可欠となっています。日本は過去のプロジェクトで資源調査船の調達や調査機器活用のための専門家派遣を行い、小型浮魚の資源調査活動を支援してきました。この協力では、さらに調査の精度と信頼性を向上させるために調査分析手法の改善および資源評価・研究の能力強化を支援しました。

協力地域地図

小型浮魚資源調査能力強化プロジェクトの協力地域の地図

事業評価

協力現場の写真

  • 南部沿岸海域は、イワシ・アジ・サバなどの浮魚、底魚・頭足類・えびなどが水揚げされる重要な海域であり、アトラス山脈を越えると最初にある漁港アガディール港(写真)は、調査船の母港となっています。 

  • モロッコの大切な小型浮魚(イワシ・アジ・サバなど)資源の分布や動向変化のデータ収集ができるように音響調査機器、計量魚探を搭載した調査船(Al Amir Moulay Abdallah号)が我が国より供与され、調査活動が行われています。 

  • プロジェクトのカウンターパート機関である国立漁業研究所(以下、INRH)はカサブランカ本部の他、各主要漁業基地に地域センターを設置して研究活動を行っています。写真は、調査船の母港であり、音響調査活動の拠点となっているガディール地域センター(別棟)のカウンターパートと専門家。 

  • モロッコの沿岸・零細漁業では、イワシ、アジ、サバなどのプロジェクト対象魚種である小型浮魚が漁獲生産量の約85パーセントを占めており、これらの魚種は漁民の主な収入源となっています。 

  • 漁民への聞き取り調査の様子。小型浮魚資源の包括的な調査には、社会経済的な側面からの分析も必要です。本プロジェクトでは、INRHの研究者と協力して社会経済情報を得るための漁民への聞き取り調査にも取り組んでいます。 

  • INRHカサブランカ研究棟での研究の様子。小型浮魚資源の動態には海洋の複雑な生態系の中で多様な要因が影響しており、そのメカニズムを解明することで環境の変化による資源変動を考慮した資源評価が可能となります。 

  • 本プロジェクトの専門家は国際的な学会での発表経験も多く、国際的な学会にカウンターパートと一緒に出席することでカウンターパートの研究および発表能力向上も図っています。 

  • 魚群探知機の校正 

  • 活魚測定用のケージ 

  • イワシの年齢別尾数の経年変化 

関連情報

関連・連携プロジェクト

関連・連携プロジェクトはありません。

本プロジェクトの他の期・フェーズ

本プロジェクトの他の期・フェーズはありません。

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