平成19年度帰国 シニア海外ボランティア 小渡 陽善

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職種:環境保護教育
派遣国: パラグアイ
配属先:カピタンミランダ市役所
派遣期間:平成17年11月〜平成19年11月
略歴:沖縄国際大学商経学部商学科卒業。那覇市役所環境センターにて約28年間勤務。退職後、シニア海外ボランティアでパラグアイ国に2年間派遣された。

インタビュー

平成19年11月にパラグアイから帰国された小渡さんに、シニア海外ボランティアの活動内容などをインタビューしました。

1.任地の気候や食べ物、生活環境などを教えてください。
気候は一般に一年を通じて高温であり、例えば首都アスンシオンの夏期平均気温は34℃であるといわれますが、暑い日で44℃ぐらいの暑さがありました。パラグアイの気候の特徴は、気温の年較差、日較差が激しく、朝と日中とでは10℃前後の差は当たり前で特に春9月〜10月、秋4月〜5月は日較差が著しく、冬は一部地域を除いて氷点下になることはありませんが、私の住むエンカルナシオンでは霜降りも時々あったり、暑いというのに霰が降るという気候です。
生活環境は、食生活の面では日系人が多く住んでおり、日本食材が入手しやすく、日本とは変わりなく出来ました。社会面全体では総人口の約97%が原住民のグアラニー族とスペイン人との混血で、残りはヨーロッパ系の移住者、原民等で、公用語はスペイン語及びグアラニー語。原住民の言葉であるグアラニー語が広範に使われており、大半の住がスペイン語とグアラニー語を話します。
2.活動された内容を教えてください。
私の住むエンカルナシオン市から15km離れたカピタンミランダ市役所に配属され、その周辺の近隣市7市の学校や市の環境教育の助言指導に携わりました。ハード面での成果としては、ゴミ処分場の建設、修理工場や洗車場の汚水処理設備の設置などで、ソフト面では、公立の小中学校や高校で適切なゴミ処理やリサイクルのやり方等を指導しました。
3.あなたの現地での1日の生活について教えてください。
一日の始まりは、近くの公園に出向き、朝の散歩が約1時間半、その後、朝食の準備と食事、その後かたづけが毎日の日課で、2・3日に一度、午後からは買出しなどでした。
たまの土曜日や日曜日は部屋の掃除、1週間分の洗濯などをし、時間がある時などは現地の方達との懇親会などにも赴きました。
4.活動している分野の現地の状況は?
小中学校や高校の教室の環境は、散乱するごみが教室に存在しているのは当たり前で、かといって授業終了後に掃除するかと思えば掃除当番なしの状況であきれる始末でした。なぜ掃除当番がいないかと聞くと、清掃する人がいて、その人の仕事だから生徒たちはゴミを散らかしても、清掃しなくても構わないという認識が普通あり、先生が生徒にでも掃除当番を言いつけでもしたら先生が父兄などから叱られるという状況でした。
5.現地で心に残る出来事や感動した事について
パラグアイでの活動日は月曜日から金曜日までの5日間で、土曜日や日曜日は2週間に一度は7市の市議会メンバーとの会議、教職員達との会議が開かれましたが、毎回、議題で問題になるのが、ゴミのポイ捨ては日常茶飯事のモラルの問題で、人々が往来する公道や公園などはゴミの散乱は当たり前という感じでした。そこで、各学級からの生徒達と一緒になり道ばたや公園のゴミ拾いを夏休みや冬休みを利用し繰り返し粘り強く、市民と一緒に行動できたのがとても印象に残っています。
6.現地の人々が持つ日本のイメージは?
ここ、パラグアイは日系移住者が多いところで知られています。その日系人達の活躍と貢献が一般的パラグアイ社会で認識されており、私たちシニア海外ボランティアにも大変信頼度がありました。また、日本は金持ちであるイメージが強く、技術国日本はすべての人が裕福な暮らしをしているというイメージを持っています。
7.2年間のボランティアを漢字一文字で
「輝」です。その理由は人間社会において光りかがやくことが少しでも出来たと言うことでしょうか。
8.これから海外に出ようとしているウチナーンチュに一言。
各国の生活環境は日本とは違います。まずは、何事も体が資本、日頃からの健康づくりが一番大切です。