平成25年度帰国 青年海外協力隊 大山 千智

【写真】

職種:感染症対策
派遣国:ベナン
配属先:アボメカラビ保健センター
派遣期間:平成23年6月〜平成25年年6月
略歴:琉球大学医学部保健学科を卒業し、敬愛会中頭病院で臨床検査技師として3年間勤務後、青年海外協力隊に参加。

インタビュー

1. 任地の気候や食べ物、生活環境などを教えてください。
私の任地があるベナン南部は1年のうちに2回ずつ乾季と雨季が来ます。一年通して、沖縄の夏(ときどき秋の気配が感じられる)といった気候でした。乾季には細かい砂埃がまって、家の中まで砂だらけになります。
主食はとうもろこしの粉を練ったものやヤム芋、米などで、これらに魚や肉、ゆで卵を組み合わせて唐辛子の辛いソースをかけて食べます。生活面で日本と大きく違ったことは洗濯を毎日手洗いでしていたことと、水シャワーだったことです。
2. 活動された内容を教えてください。
感染症対策隊員として、エイズに関する啓発活動と配属先である保健センターの業務改善に主に取り組んでいました。世界エイズデーにあわせてイベントを行ったり、配属先の近くにある学校でエイズクラブをつくって生徒たちとエイズに関する勉強会をし、劇を練習して地域の学校を巡回し、啓発を行っていました。また、保健センターの職員と5Sについて学び、これを実践できるように活動していました。また、毎週土曜日には同任地の隊員とともに、日本語教室を行っていました。
3. 活動にあたり障がいとなったことやそれを克服していった事例があればお教えください。また活動はどうでしたか?
初めのころはフランス語もうまくできないので、同僚に話しかけることを遠慮してしまい、何もできないまま時間が過ぎていきました。しかし、近所の人に現地語のあいさつを習いながらコミュニケーションをとっているうちに、日本人との考え方の違いなどもだんだんわかってきて、上手に話せなくてもとにかく伝えようとする度胸がついてきました。そうするとベナン人はとても温かく受け入れてくれて、活動を協力して進めることができるようになりました。また、本来は私の職種とは関係のない日本語教室をやっていたおかげで、そこの生徒たちが生活や活動で困ったときにいつも支えてくれて、安心して活動を進めることができました。
4. 失敗談や楽しかったこと、困ったこと、大変だったことは?
日本人とは大きく違う価値観を持っているベナン人を理解するまでは、いらいらしたり、悲しくなったりすることも多かったです。でも、そのうち彼らの言葉や態度の本当の意味がわかるようになってくると、これまでの自分の考え方が偏っていたことに気付かされ、そのような発見の連続の日々は本当に楽しかったです。
5. 2年間のボランティアを漢字一文字で
「絆」
沖縄にいる家族、友人、同任地の隊員、同期隊員、そしてベナン人、たくさんの人に支えられていることを感じずにはいられない2年間でした。
6. これから海外に出ようとしているウチナーンチュに一言。
日本人とは全然ちがうアフリカの生活と人。でも、うちなーんちゅはその真ん中くらいをいっていると思います(笑)。私は海外に出て沖縄のことをより考えるようになり、より好きになりました。この経験はおすすめです!