平成26年度帰国 シニア海外ボランティア 鈴木 光次郎(東京都出身・石垣市在住)

【写真】

職種:理科教育
派遣国:ガーナ
配属先:教育省 セントルイス教員養成校
派遣期間:2013年3月〜2015年3月
略歴:埼玉県小学校勤務の後、八重山地区の中学校で理科教師として従事。
2012年3月定年退職。

インタビュー

1. 任地の気候や食べ物、生活環境などを教えてください。
ガーナは乾季と雨季の気候があり、11月から3月の乾季の時期に北寄りの風が強くなり、砂塵を含む暑い風が吹いてきます。雷雨がよくあり、大きな雷が上下左右に発生します。30分もすると雨も上がることが多いので、傘は必要ありませんでした。
米、各種イモ、トウモロコシ、魚、牛・豚・鶏肉、野菜、香辛料などが豊富でガーナ食もおいしいものが多かったです。イモやプランテーン(バナナ)を蒸かして臼と杵でついてつくるフフはまったくお餅の食感。キャッサバを粉にし、お湯で練ったバンクー、トウモロコシの粉を使ったケンケなどは、野菜、肉、香辛料の入ったソースやピーナツソースなどをつけて食べますが、大変おいしかったです。米と豆を一緒に炊いたワチェは全く赤飯です。
街の食堂、露店食堂は衛生的であるとはいえませんが、安いし、早いのでよく利用しました。
2. 活動された内容を教えてください。
小、中学校の教員志望者に対して、理科教育法、視覚教材の作成方法と利用、身近な材料でつくる実験教材の作成と利用法の指導を主にしていました。現職の先生たちに教材作成、使い方の指導も行いました。
主なものは、ペットボトルキャップ、空き箱を利用した電池ホルダーの作成と利用法、ペットボトルを利用した電流、抵抗、大気圧の説明教材の作成と利用法、トイレットペーパーの芯、お菓子の筒を利用したピンホールカメラの作成と利用法、コマと色紙、赤、緑、青のボトルキャップ、スマートフォン画面を利用した光の三原色の指導、ガーナ紙幣、プランテーン(バナナの一種)、マニキュア液等を利用した顕微鏡観察資料の作成の工夫指導と観察指導、簡便な試薬調製法とガラス器具の使用法の指導などです。
3. 活動にあたり障がいとなったことやそれを克服していった事例があればお教えください。また活動はどうでしたか?
二年目からの計画停電には困りました。生活の上では通電しているときにお湯を沸かしたり、調理を済ましたり、洗濯をするなどで対応していましたが、授業資料の印刷では、街のコピー屋さんに行って印刷依頼したりするのですが、街全体が停電の時はコピー屋さんも仕事ができません。幸い、授業中や、夕方から夜9時半までは学校の発電機を回していただいたので、プリンターを理科室に持って行って、教材づくりしました。大きな教室なので生徒もたくさんいる中で印刷音を気にしながら作っていました。
4. 失敗談や楽しかったこと、困ったこと、大変だったことは?
教員宿舎3階に住んでいたので、よく断水もありました。夜間になって水圧が上がってくると出るのですが、蛇口を開けっ放しにしたために深夜、水があふれベランダに水がたまり、階下に水がしみこんでいき、叱られたことが3〜4回ありました。
乾季には砂ほこりが一段と多くなり、くしゃみ鼻水が1カ月以上続くことがありました。マスクは必需品です。
ガーナは北部のサバンナ気候地帯以外は、植物が沖縄と似ており、とても気分的に落ち着けました。緩やかに時間を過ごすのも沖縄と同じですかね。
5. 2年間のボランティアを漢字一文字で
「互」
お互い、相互作用といった意味ですが、途上国はいつまでも途上国にとどまらないように、自国でも努力しつつ、必要な援助を私たちに求めていくことで私たちは自分たちの生活、文化などを見つめなおすことで、みんなでハッピーになっていく関係が構築されたらいいなと思います。
6. これから海外に出ようとしているウチナーンチュに一言。
迷っているなら「やれ」ということです。自戒をこめてそう思います。