沖縄グローバル人材育成支援事業 海外視察(タイ)実施 報告

2014年3月14日

JICA沖縄国際センターでは、昨年12月に沖縄グローバル人材育成支援セミナー※1を実施し、2月にはセミナー参加者で民間連携ボランティアに関心の高い7社8名の企業の方によるタイ現地視察を行ないました。参加者は視察前に事前ブリーフィング※2を行ない、タイの概況やタイにおけるODA事業、JICAボランティア等について事前に勉強を実施した上で視察に臨みました。

早朝 出発前の全体写真

視察の目的は、グローバル人材育成プログラムとしてのJICAボランティアの理解を深め、民間連携ボランティア制度の活用と自社の海外展開プランとの連携可能性を確認すること等です。タイはデモの影響で非常事態宣言が出されていましたが、JICAタイ事務所と密に連絡を取り、安全性を確認の上、2月23日〜3月1日の7日間、タイで活動しているJICAボランティア及び現地企業を視察しました。

〜タイの概況と情熱の沖縄県系企業〜

左からからJICAタイ事務所 池田所長、木下次長

視察初日、JICAタイ事務所の池田所長から、タイの優位性として、「象の形をしたタイは、10万人の日本人社会があり、7,000社の日系企業がある。また、タイはメコン川の中心にあり、メコン周辺国は2億を超える人口を抱えている。さらに3年前にはミャンマーの市場が開放された。タイの日系企業はタイのマーケットだけでなく、タイをハブとした周辺国のマーケット、今後は特にミャンマーやインド等の西側への展開も検討できる状況にある。局部的に長引くデモは配慮する必要があるものの、タイの通貨であるバーツはほとんど下がっておらず、タイのポテンシャルは高い。「タイ プラス One」で海外展開を検討できる魅力ある国と説明がありました。

ジェトロバンコク事務所
前列右が林課長、後列左が福田コーディネーター

ジェトロバンコク事務所からは、林課長、福田コーディネーターからタイの概況とアセアン経済について説明いただき、視察参加企業の方々と海外展開プラン等に関する率直な質疑応答をしていただきました。また、デモが行われているにも関わらず、タイでの事業展開に関する相談件数が減っていないとの事で、タイのニーズの高さが窺えました。
なお、福田コーディネーターはタイにおける中小企業のビジネス展開を現地の官民支援機関等と連携した支援を実施していることから、視察参加企業においては中小企業の海外展開について、オールジャパン体制で実施されていることを感じることができたことと思います。

タイ工業省産業振興局で
中小企業支援を担当している藤沼SV

タイ工業省産業振興局において中小企業支援を担当している藤沼シニアボランティア(以下、SV)からは、タイにおける中小企業の現状や支援体制及び課題についてご説明いただきました。日本企業からタイへの事業展開に関する相談対応もある中で、最近では日本の地方自治体との連携協定の事例が増えてきたとの事で、連携協定による信頼関係構築、日本とタイとの窓口作りの役割について、お話し頂きました。

右から(株)シーポイントタイランド伊禮氏、城間氏

(株)シーポイントタイランドの伊禮氏、城間氏からは、企業概要や現地での活動概要をご説明いただきました。3年前のタイ洪水の被害を逆にチャンスに変えた逞しさや、日本人向けWEBサービスからタイ人向けWEBサービスへの拡大、引いてはタイと日本・沖縄との懸け橋になるという心構えやビジネスという手段を活用して世界平和の貢献に尽力したいという情熱的なお話をいただき、視察参加企業の方々から大変好評でした。

〜 現場で活躍するJICAボランティア 〜

百年市場のコーヒー店の方と話す本間隊員
(民間連携ボランティア)

前列の右から3番目が本間隊員

昨年12月に開催した沖縄グローバル人材育成支援セミナーでスカイプ出演をしていただいた(株)サガミチェーンの本間隊員(民間連携ボランティア)の活動先を伺い、活動現場の百年市場を紹介して頂きました。同市場で有名なコーヒー店ではお店の方と流暢なタイ語で会話し、地元の方から声をかけられ、会話が弾む様子から地域の方との良好な関係を築いていることが伝わりました。
一方、本間隊員ご本人は「言いたいことの半分もタイ語で表現できない」とのとでしたが、通訳を交えずに地域の方とコミュニケーションを図って仕事を行っており、JICAボランティアとしての活動がご本人のスキルアップにも繋がっているようでした。

活動紹介を行う前田隊員(民間連携ボランティア)

住友生命保険相互会社から民間連携ボランティアとして派遣されている前田隊員は、配属して数か月しかたっていないとのことでしたが、配属先の方とタイ語でコミュニケーションを取り、活動紹介をしていただきました。写真右にあるバックは地元の女性が作った物で前田隊員は販路拡大に努めているとのこと。会社での経験を活かしてお客様のニーズを調査し、その調査結果をバック作製にフィードバック。作製されたバックはリスト化して売り込み先にわかりやすいように工夫する等、今後の活躍が期待できました。

授業の様子を説明する徳山隊員(一番右)

ボッシュ(株)から現職参加派遣制度を活用して派遣されている徳山隊員は、チョンブリ技術高等専門学校で実習を中心として授業等を行っていました。配属して約1年経過という中で配属先からの信頼も厚く、タイ語に関してもJICAのフォローアップ研修を活かして上達したとの事で苦労を感じさせない様子でした。



本間隊員、前田隊員、徳山隊員共に、企業から派遣されている方々は、JICAボランティアとしての活動後、タイで自社の事業展開に携わっていくとの事。JICAボランティア活動を通じて得られたタイ語の習得や現地で出会った方々との人間関係、タイの文化・習慣への理解等、今後にご活躍に大いに活かせられると期待が膨らみました。

リハビリ中の方と会話をする岩田隊員(中央)

プラプラデーン障害者ホームで理学療法士として活躍される岩田隊員は、前職での経験を活かし、リハビリの方法を見てわかるように図化する(写真右のピンクの絵)等、工夫を凝らして活動していました。活動後は、帰国し国際リハビリテーション学を学び、博士号取得、教育分野でJICAボランティアの経験等を活かしていきたいと語っていました。