お互いを知って学んで、いっしょに楽しむ〜せかいのおはなし会を開催しました。

2017年10月5日

絵本を通して地域の方とJICA研修員が交流する「せかいのおはなし会」が、9月17日(日)、浦添市立図書館で開催されました。

読み手として登場したのは、障害者の社会参加について学ぶ「地域に根ざしたインクルーシブアプローチによる障害者の社会参加と生計」コースから、6か国6名の研修員。約1か月の研修期間に、沖縄本島・離島での視察、さまざまな関係団体の講義・実習など、スケジュールびっしりの研修コースで、今回初めて日程の都合がつき、「おはなし会」初登場となりました。

開場と同時にドアをくぐった親子が「わあ、すごい」と声をあげるなど、子供から大人まで50名近い方々が来場し、期待感いっぱいの雰囲気のなか、おはなし会が始まりました。

まず『カンガルーのこどもにもかあさんいるの?』をリレー形式で読み、各国語の響きをじっくり聴きました。「あなたとおなじよ」の部分で、子供たちをじっと見つめて一語一語を丁寧に読んで聞かせる研修員の表情は、まるで我が子を前にしているようです。(実は、お子さんが6か月になったばかりという研修員もいました!)

「せかいのおはなし会」では、絵本を使ってさまざまな国の言葉を聞くだけでなく言ってみたりします。普段はお互いに英語でコミュニケーションをとる研修員たちも、聞き慣れない仲間の母語に「so difficult!(難しいよ)」と苦笑しながら、大きな声で発音に挑戦していました。絵本『きんぎょがにげた』では、会場に逃げ出した金魚をみんなで探す一幕も。「いた!」という参加者の声に、研修員が歓声をあげて会場が大きな拍手に包まれました。

このほか、研修員たちの研修内容(障害者の社会参加)にちなんで、手話が登場する紙芝居が上演され、参加者は「目で聞き、手で話す」ことにも挑戦しました。

後半のクイズでは、沖縄と各国の自然や風習などを紹介しました。赤田のみるく(注)がワイルドになった(というと怒られそうですが)ような風貌の、ラオスの旧正月に登場する「フォーン・プーニュー・ニャーニュー(Fon Poo Nheu Nha Nheu)」、カジマヤーパレードの車のように華々しい、フィリピンの乗合バス「ジープニー(Jeepney)」などが登場。参加者も研修員も、お互いの意外な共通点と違いを知って、へえ、と驚きのため息や笑い声があがるプログラムとなりました。

おはなし会に参加した研修員からは、「初めての経験で、とても楽しかった」「自分が育ったのは、1つの言語、1つの民族、1つの宗教(といった環境)だった。小さいころから、さまざまな背景をもつ人に接する機会があることは、とても良いことだと思う」と感想を寄せてくれました。


(注)赤田のみるく:那覇市首里赤田町に伝わる弥勒神。豊年や健康を願う「ミルクウンケー」という行事で同町を練り歩く。(参考:那覇市歴史博物館編『那覇市の史跡・旧跡ガイドブック』、沖縄大百科事典刊行事務局編『沖縄大百科事典 下巻』)

(おはなし会使用資料)
『カンガルーのこどもにもかあさんいるの?』エリック・カール/作 さのようこ/訳(偕成社)
『きんぎょがにげた』五味太郎/作(福音館書店)
『Circle, triangle, elephant!』(日本語版『まるさんかくぞう』)及川賢治・竹内繭子/作(Phaidon Press)
『みんなでぽん!手話ってすてきなことば』まついのりこ/脚本・絵(童心社)


※「せかいのおはなし会」は、JICA沖縄図書資料室と、浦添市立図書館の共同企画です。