ブータン王国におけるきのこ栽培

2018年1月19日

シイタケ原木に発生した害菌をルーペで観察しています

原木から発生したシイタケの搾取作業

 ブータンでは、人工栽培により食用きのこシイタケとヒラタケが生産されています。適正な管理下で菌糸をまん延できればカビなどによる被害は発生しないことが予想されるのですが、現実には不良な種菌の使用や不適正な管理により、被害が多くみられます。
そこで、琉球大学は、ブータン国立きのこセンターの職員にシイタケ・ヒラタケの適切な栽培・管理技術を伝え、農家への普及の仕組みが改善することをめざし、草の根パートナー型「ブータンきのこ生産農家の生活向上プロジェクト」を行っています。

 国立きのこセンターの職員が鳥取県にある菌蕈研究所で、交配による種菌製造方法を学んだり、種菌製造所や栽培施設を見学し菌の培養方法やクリーンな環境の重要性について学んだりしました。
 そのノウハウをブータンでも生かすため、きのこ栽培農家を訪問、栽培・収穫状況を把握し、種菌製造に必要な容器を検討し、衛生概念・無菌操作に対する技術を指導しています。
 また、国立きのこセンターが企画した研修会で指導を行い、参加者が研修に対しての評価表を記入することにより、改善を図っています。

 このプロジェクトを行う上で苦労している点は、日本とブータンの衛生的作業に関する認識の違いです。民族衣装を着たまま腕をまくらずに作業したり、作業の前に手を入念に洗ったりするという配慮が足りないことが、キノコの普及を阻害する大きな要因であることを、ブータンの伝統を重んじつつ理解してもらうのが難しいところです。
 時間はかかりますが衛生的作業の知識を根気強く伝えていき、きのこ栽培技術普及を図っています。