名護市にて国際交流散策ツアーを初開催しました。

2022年3月29日

 3月13日(土)春の訪れを感じる快晴の下、JICA沖縄と名護市国際交流協会の共催により、名護市内散策ツアーを開催しました。このイベントは名護市に住む外国籍の方々に市民と交流しながら名護市を知ってもらうことを目的とし、技能実習生を始めとする外国籍の方や日本語教室の支援員など計17名が参加しました。

名護市内散策ツアー

 まず1か所目は名護市のシンボルでもある、ひんぷんガジュマルに向かいました。国指定天然記念物にも認定され、金運アップなどにもつながるというパワースポットであり、ガイドさんのお話では、このガジュマルには12体のキジムナー(沖縄諸島周辺で伝承されてきた伝説上の生物、妖怪で樹木の精霊)がいるそうで、参加者は必死に目を凝らしていました。

 2か所目は、1718年の琉球時代に沖縄県で初めて学校を設立した学問の神様と言われている“程 順則”(てい じゅんそく)の像へ訪れました。程 順則は清王朝が国民の道徳書として出版した書物「六諭衍義(リクユエンギ)」を琉球国に普及し、国民の道徳観の形成に大きく貢献した人物です。参加者の「六諭衍義」の意味が刻まれている石像を真剣に読んでいる姿が印象的でした。

 3か所目は“めおとでいご”という沖縄の県木であるでいごの木がめおと(夫婦)のように並んでいて縁起が良いとされているスポットです。この2つの木の間をくぐると「子宝に恵まれる」との言い伝えですが、もともとは今とは異なるでいごの2つの木だったのが、片方が台風で失くなってしまったため、その近くにあったでいごと残った片方のでいごで新しく“めおとでいご”としたのことで、うちなんちゅうのおおらかさを感じられるエピソードに笑いが生まれていました。

 4か所目に訪れたのは大正12年(1923年)に創業された、新山(しんざん)そばという老舗の沖縄そば屋さんです。ここは約100年前に県北部初の平麺ソーキそばの発祥の地でもあり、地元に愛されながらも著名人も訪れるなど県内外にも応援者は多いようで、私たちが訪れた際もお客さんの車が出入りしており、にぎわっていました。

【画像】 5か所目は大正13年(1924年)に創業された黒麹が特徴の津嘉山酒造です。この酒造は沖縄地上戦において被害を受けず、現在でも戦前の建物を見ることができるなど、文化庁の有形登録文化財に指定されている貴重な場所になっています。また、戦時中は米軍の司令室として使用されていたなど、数々の歴史が刻まれている場所でもあり、参加者は酒造全体を見てまわりました。

 最後に訪れたのは、地元で採れた青果物や名護港で水揚げされた魚介類などが並ぶ名護市営市場です。場内には食品店、食堂、お菓子屋、アロマセラピー、雑貨屋など数々のお店が軒を連ねています。参加者は市場2階の「さくら食堂」でランチを楽しみ、名護市内散策ツアーは無事終了しました。

振り返り

 参加した名護市在住の外国籍の方々からは、「久しぶりに皆で会って話をしたり、楽しい時間を過ごすことができた」や「名護に長いこと住んでいるが、行ったことがないところばかりだった」、「市場にはよく来るが、食事は初めてだから嬉しい」などの感想、また「日本語のレベルをあげたいので、日本語のクラスに参加したい」など、名護市で開催されている日本語教室の参加を希望する声もあげられました。

 JICA沖縄は今後も地域の方々と協働で多文化共生の取り組みを進めていきます。