海外展開支援・情報発信セミナー「島嶼国で活かされる沖縄のインフラシステム・建設技術」を開催しました

2021年12月14日

①セミナー開催会場

②沖縄県土木建築部土木総務課 神谷様による「沖縄県における建築産業の海外展開支援の取り組み」の紹介

③道路アセットマネージメントにかかる説明(研修業務課矢部課長)

④長期留学生 アイゲリムさんによる発表

⑤南西環境研究所 大城様による海外展開支援スキームの活用事例発表

 2021年12月3日(金)にJICA沖縄主催、(一社)沖縄県測量建設コンサルタンツ協会共催の海外展開支援・情報発信セミナー「島嶼国で活かされる沖縄のインフラシステム・建設技術」が開催され、同協会より約50名の方にご参加頂きました。また本セミナーは(一社)建設コンサルタンツ協会(JCCA)のCPD認定プログラムとして実施しました。

島嶼性・亜熱帯性に適合した沖縄のインフラ・建設技術はアジア・太平洋州を中心とした島嶼国等の開発課題解決に貢献する技術であり、JICA事業ではこれらの技術を学ぶ研修事業や民連企業の海外展開支援を行っています。本セミナーはこうしたJICA事業の具体的な事例紹介を通し、海外で求められる技術について情報発信することで、海外展開の検討やJICAと企業の連携促進を目的として実施したものです。


 冒頭に、沖縄県土木建築部土木総務課の神谷様より「沖縄県における建設産業の海外展開支援の取り組み」についてご説明いただき、沖縄県としてアジア・太平地域に積極的に技術貢献しうるグローバル産業として新たな振興発展を図っていること、また海外展開支援策である沖縄建設産業グローバル化推進事業の概要、活用企業の事例等を紹介いただきました。


 JICA事業紹介パートでは、全体概要、沖縄センターの事業紹介の他、研修業務課長の矢部より道路インフラ分野における国際協力と事例紹介を行いました。開発途上国における運輸交通セクターの課題や道路アセットマネジメントの取り組みについて、技術プロジェクト、課題別研修、長期研修員の受け入れ等、各種スキームを効果的に組み合わせ、また民間企業、大学、地方自治体との連携のもと事業展開されていることが紹介されました。また、同セッションでは、実際に琉球大学大学院で学ぶ長期研修員、キリギス共和国のアイゲリムさん(同国運輸道路省・道路維持管理部)も登壇し、自国の道路インフラにかかる概況や大学院での研究テーマについて発表を行いました。


 最後のJICA民間連携スキーム紹介のセッションでは、実際に海外展開支援スキームを活用された南西環境研究所の大城様より活用事例を紹介いただきました。同社はサモアにおいて、現地課題である沿岸域の環境保全と災害リスク低減に貢献するビジネスモデルを確立するため2017年—2018年にJICA案件化調査に採択、また現在は普及・実証スキームに採択され「バイオログフィルターを活用した環境改善及び災害リスク低減に関する普及・実証事業」を実施しています。今回は調査の様子にあわせ、海外展開を目指されたきっかけ、また対象国選定や展開計画にかかる経緯、今後の展開にもふれながらお話をいただきました。発表の中では、今後、沖縄の特性を活かし沖縄全域を屋外インフラ展示場と捉え沖縄県のインフラを海外に売り込む「沖縄型インフラツーリズム」を目指していきたいとの提案もありました。


 参加者からは、「ODA、JICAの取り組みが理解できた。」、「JICAのネットワークは貴重だと感じられた。」、「物流における重要なインフラ整備に協力する事例が参考になった」「海外ビジネス進出に興味が持てた」とのコメントがあがりました。
JICA沖縄では、今後も(一社)沖縄県測量建設コンサルタンツ協会との連携し、県内建設産業等の海外展開に向けた情報発信セミナー等を開催していきます。