地域提案型

平成19年度 採択内定案件

I.提案事業の概要
1.国名ブラジル
2.事業名サンパウロ市の固形廃棄物管理に係る環境教育及び社会啓発の向上
3.事業の背景と必要性

サンパウロ市で発生する固形廃棄物は、2006年7月時点で1日当たり、約15,700トンである。この大量に発生する固形廃棄物は中継地を経由して、また一部は中間処理施設で処理された後、遠方にある最終処分場で衛生的な処分が行われている。しかし今後、サンパウロ市では廃棄物量の増加が見込まれるため、廃棄物の適正処理に加え、廃棄物の発生抑制、再利用、再生利用といった3Rの取組みが重要な課題となっている。また併せて、道路、公園や河川等への散乱ごみ対策も大きな課題となっている。サンパウロ市の3Rの取組み等の状況としては、資源ごみの回収や分別作業は分別組合等により行われているが、減量化・リサイクルに関する具体的な目標は設定されていない。加えて、3Rの取組み等に係る環境教育及び社会啓発も市民、社会団体や教育現場での活動の機会が少なく、教育・啓発用のパンフレットや教材等も乏しい状況にあった。

しかし、JICAの固形廃棄物管理技術協力プロジェクトの実施により、2007年にはサンパウロ市の3行区内の29校の教員への研修と、その教員を通じて約18,000名の生徒に対して環境教育を行い、社会団体等への研修やセミナーの開催を通じて社会啓発活動も実施した。学校における環境教育等の実施の際には、サンパウロ市公共サービス局(LIMPURB)やその上位組織の公共事業局を通じて、サンパウロ市の教育局や保健局等の関係者に協力を求めるなどサンパウロ市において固形廃棄物に係る環境教育及び社会啓発事業がスタートし、その内容が関係者にも広がり、理解されるなど事業推進を図ってきた。

これらの事業推進をさらに発展させ、サンパウロ市全域まで広めていくためには、引き続きプロジェクトの実施に係った大阪市の協力が必要であり、さらに事業推進を効果的、安定的に行うため、2007年のJICAの協力事業と同様に、大阪市からもサンパウロ市の教育局、保健局等の関係者にさらなる理解と協力を求める他、国際局や連邦政府に対しても活動実績など情報の共有を図っていく必要がある。

4.事業の目的固形廃棄物に係る環境教育及び社会啓発(散乱ごみ対策を含む)の活動実績が増えることに加えて、その活動を計画的・継続的に実施させ、さらに将来にわたりサンパウロ市全域に広がるよう活動方針や活動計画書を作成する。また、活動の範囲(行政区又は地域、市民、学校や社会団体等)や手法の具体化と環境教育及び社会啓発活動を効果的・効率的に行うための関係者とのパートナーシップを構築するとともに、廃棄物の減量化・リサイクル量の変化などの定量的、または定性的な解析など活動実績の評価手法に関する技術移転を行う。
5.対象地域サンパウロ市
6.受益者層サンパウロ市の学校(幼児、初頭教育機関)、コミュニティ(市民団体等)、廃品回収業者
7.活動及び
期待される成果

初年度は大阪市から専門家を派遣し、カウンターパート等が行う社会団体や学校等への環境教育及び社会啓発活動について指導・助言を行う。また、協力期間(3年)における環境教育等の活動範囲(行政区又は地域)、研修や啓発活動の対象となる教員や社会団体等の抽出、研修等のスケジュール等の具体的な活動計画書の作成を指導する。また、事業推進を効果的、安定的に実施するため、サンパウロ市教育局、保健局等の関係者に事業を理解してもらい、その推進にあたって必要な協力を求めるとともに、国際局や連邦政府と情報の共有を図る。

2年目にサンパウロ市から研修員を受け入れ、大阪市の固形廃棄物に係る3Rの取組み、環境教育及び社会啓発活動、また、道路、公園及び河川清掃等の美化対策(散乱ごみ等)について実地経験等について研修を行う。

3年目には大阪市から専門家を派遣し、研修員の活動の補完と1年次、2年次及び3年次の活動実績を評価し、今後の固形廃棄物に係る環境教育及び社会啓発を安定的に推進するための事業展開、制度づくり(市民参加型等)及び組織体制等について指導する。

以上の成果として、次の5つが挙げられる。

(1)サンパウロ市全域における固形廃棄物に関する環境教育及び社会啓発活動の推進のための活動方針や具体的な活動計画を作成する。

(2)JICA固形廃棄物管理技術協力プロジェクトでは、サンパウロ市の31行政区のうち3行政区内の学校教員や社会団体等に環境教育等を実施したが、本協力事業においては、社会団体等の関係者とのパートナーシップを構築し、その活動の推進を図り、その活動の範囲を15行政区まで広げる。

(3)また、JICA固形廃棄物管理技術協力プロジェクトでは、公立学校(幼児教育・初等教育)の教員の約75%に環境教育に係る研修を行ったが、本協力事業においては、公立学校の教員の80〜90%以上に対し研修の実施と生徒への授業を実施する。公立学校以外の学校教員及び社会団体への研修や啓発については、対象者数又は団体数の60〜70%以上を目標に行う。

(4)活動範囲の行政区又は地域内の資源分別センターへの資源ごみの搬入量の増加と資源化率が、2007年のプロジェクト実績を勘案し、現状より10〜20%程向上する。

(5)実施機関の組織体制の強化、事業推進のための関係機関との連携や制度づくりを行う。

8.実施期間2008年9月10日〜2011年3月31日
9.事業の実施体制大阪市環境局事業部、サンパウロ市公共事業局(Public Service Bureau, Sao Paulo City:LIMPURB)
II.応募団体の概要
1.団体名(提案自治体)大阪市(大阪府大阪市)
2.対象国との関係、協力実績2006年12月にサンパウロ市の固形廃棄物管理に係る行政職員の研修、学校及びコミュニティを対象とした環境教育・啓発活動に対する支援等の内容でM/Mを結び、以降2007年8月末までの間に研修員の受入(1月と7月)と大阪市から専門家の派遣(5月と8月)を行い、パイロット地区における固形廃棄物管理に係る環境教育及び社会啓発活動のアクションプランの作成や活動の推進に協力した。