地域提案型

平成21年度 採択内定案件

I.提案事業の概要
1.国名ベトナム
2.事業名ホーチミン市医科薬科大学および管轄地域における、科学的根拠に基づく保健医療サービス向上のための人材育成
3.事業の背景と必要性科学的根拠に基づく医療(evidence-based medicine, EBM)の重要性が指摘される中、途上国における研究技術の向上が世界的課題となっている。ベトナムでは、地方と中央での教育の格差、主要大学間でのEBMの基礎となる公衆衛生学の教育レベルの格差などが指摘されている。このような課題を抱える中、ホーチミン市医科薬科大学と福島県立医科大学公衆衛生学講座は、共同事業として、短期・フルタイム型の疫学研修をこれまでに計4回実施した。この形式による研修の短期効果が検証された現段階での課題は、現地大学主体で研修を実施する体制の構築、同大学管轄地方へのアウトリーチ、研修効果を保健医療サービス・施策向上に反映するのに必要不可欠な行政との関係強化である。そこで、今回は研修の対象者を同大学医学部のより多くの講座、管轄地方の保健医療機関、さらには行政領域にも広げるとともに、研修内容を現地指導者の育成に主眼を置き、ホーチミン市保健局・医師会の協力の下で実施する企画とした。
4.事業の目的ホーチミン市および周辺地域における主に医師が、既存の科学的データを理解し活用する技術、地域住民やサービス利用者のニーズを科学的に把握する技術を習得し、サービス提供に応用できる。
5.対象地域ホーチミン市および周辺地域
6.受益者層ホーチミン市医科薬科大学、ホーチミン市保健局、および関連病院の主に医師と利用者
7.活動及び期待される成果
  1. 新研修プログラムの立案:これまで実施してきた疫学研修の再評価を行い、新しい研修プログラムを立案する。
  2. 新研修実施体制の確立:新たに本事業に参画する関係機関との連携を確立するため、専門家派遣による現地調査を行う。
  3. 現地研修運営者の指導技術の向上:研修員受け入れによる現地の研修運営関係者のTOT(Training of trainers)を実施する。
  4. 研修の実施・評価:新研修プログラムを、より幅広い分野の医師対象に、TOTを受けた現地運営関係者と協力して実施・評価する。
  5. EBMの啓発:事業の進捗状況や成果の公表、EBMの重要性に関する情報伝達を積極的に行う。
8.実施期間平成22年8月〜平成25年3月
9.事業の実施体制日本側は福島県立医科大学と福島県、ベトナム側はホーチミン市医科薬科大学とホーチミン市保健局、ホーチミン市医師会から成るプロジェクトチームを形成し、外部専門家の協力を適宜得ながら、効果的な事業推進を図る。
II.実施団体の概要
1.団体名(提案自治体)福島県生活環境部国際課、福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座(福島県生活環境部国際課)
2.対象国との関係、協力実績

本事業の実施団体である福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座のホーチミン市医科薬科大学への協力実績は、以下の通りである。

【疫学研修】
ホーチミン市医科薬科大学および関連病院医師対象の疫学研修を、同大学と福島県立医科大学公衆衛生学講座の共同事業として、平成16・18・19・21年に実施して延べ128人が修了した。
【研修受け入れ】
ホーチミン市医科薬科大学および関連病院の医師を対象とした母子保健研修を、平成16・18・19年に計5人受け入れた。
【学生の派遣】
ホーチミン市医科薬科大学は、福島県立医科大学医学部5年生の国際保健実習を平成17・18・21年に計8人、大学院生の研究指導を平成19年に1人受け入れた。
【共同研究など】
JICAベトナム・リプロダクティブヘルス・プロジェクトにおいて、両大学の専門家が共同で技術協力を平成14〜16年に行い、それ以降も共同研究を幅広い分野で継続実施している。