地域提案型

平成20年度 採択内定案件

I.提案事業の概要
1.国名 ベトナム
2.事業名 ベトナム国におけるクリーナープロダクションを用いた環境改善支援
3.事業の背景と必要性 ベトナム国では、1986年のドイモイ政策導入依頼、急速な都市化と工業化が進行しており、環境汚染(特に河川の水質汚濁)が深刻化している。しかし、産官民における環境保全や地球温暖化対策に対する意識は依然低い状況にあり、環境保全より経済成長や開発を優先したため、十分な環境対策が進んでいない。
行政においては、海外の法制度を参考として環境影響評価や資源管理等にも言及した環境保護法が整備されているものの、行政の縦割り主義に由来する責任の所在の不明確さや、中央政府による強固な地方行政管理から、地方行政による適切な環境管理が行われていないのが現状である。
また、産業面では、国営企業や民間企業の大部分を占める中小企業においては、公害対策や省エネ・省資源に関する知識や技術の遅れ、資金不足による施設の老朽化や公害防止設備の不足といった理由から環境対策の遅れが問題となっている。しかし、公害防止設備の導入(いわゆるEnd of Pipe; EOP)には、膨大な費用が必要となるため、経済力が脆弱な国営企業、中小企業においては実現性が低い。
一方クリーナープロダクション(Cleaner Production; CP)は1989年、国連環境計画(United Nations Environmental Programme; UNEP)の理事会で初めて提唱された概念で、生産工程全般に対し総合的に環境保全戦略を継続的に適用する考え方である。CPの狙いは生産のコストダウンと環境負荷低減を同時に達成しようとする考えであり、開発途上国の環境対策として有力な手段である。
そこで、発生源(企業)指導の主体である地方行政機関(天然資源環境局Department of Natural Resources and Environment; DONRE)のCP導入促進能力の向上を図り企業のCP導入を促進するべく、ベトナム国内CP促進のための機関であるVNCPC(VietNam National Cleaner Production Centre)の機能強化を図りDONRE支援能力を強化し、かつ連携を深めることで、ベトナム国内のCP導入を促進し環境改善を図る。
4.事業の目的 DONREが企業のCP導入指導を行うベトナムの主要都市でのモデル事業を通じて、VNCPCのDONRE支援機能強化を図る。モデル事業では、DONRE及び企業経営者にCPの概念を正しく認識させるとともに、CP導入に向けた工場指導を行う。このときの手順や情報を取りまとめた行政支援システム作りを行い、情報発信を行うとともにDONREの環境管理能力の向上を支援する。
5.対象地域 ハイフォン市
6.受益者層 ハイフォン市民
7.活動及び期待される成果 <成果>
1 ハイフォン市は省エネ・省資源のための民間企業の監視指導・支援が出来るようになる
2 ハイフォン市は民間企業の監視指導・支援に関する制度、仕組み等を整理する
3 ハイフォン市の企業は省エネ・省資源促進のための自発的な取り組みが出来るようになる
<活動>
1 専門家派遣により、省エネ・省資源推進に係る法令や政策とその運用状況、仕組み等について現状調査を行い、不足する仕組みや制度、弊害等を整理する
2 研修員受入により、北九州市における環境行政、産業行政、企業の取り組み事例等を紹介し、省エネ・省資源推進に必要な知識、ノウハウ、仕組みを習得する
3 専門家とともに、受入研修員が中心となって省エネ・省資源推進のために必要な仕組みの整備を行う
8.実施期間 2009年8月〜2011年3月
9.事業の実施体制 日本側:北九州市、財団法人 北九州国際技術協力協会(KITA)
現地側:ハイフォン市商工局、省エネルギーセンター
II.実施団体の概要
1.団体
(提案自治体)
北九州市(提案自治体)、財団法人 北九州国際技術協力協会(KITA)(実施団体)
2.協力実績 KITAでは2005年から2年間、VNCPCの協力の元、ベトナムの主要産業である繊維工場をモデル工場として、クリーナープロダクション(CP)を活用した環境対策(工場排水対策)を実施した。