月刊!プロジェクトマネージャーの1日 第2回

草の根技術協力事業の現場では、プロジェクト・マネージャーという、言わばリーダーのような人が指揮をとり活動をしています。プロジェクト・マネージャーの方々が、一日何をして過ごしたかを通じて、プロジェクトにかける想いを語ります。

今回は、ブラジルで環境教育普及のために活動している、特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の林 建佑さんに筆を執っていただきました。

第2回:「アマゾンで環境教育テキスト作りに力を注ぐ(野生生物を調査研究する会 林さん)」

  • プロジェクト・マネージャー:林 建佑さん
  • 団体名:特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会
  • 事業名:ブラジル国アマゾン自然学校プロジェクト(草の根協力支援型)

はじめまして! 私はブラジルで活動している、林 建佑です。私たちは、環境に優しい農法「アグロフォレストリー(森林農業)」で注目されている、ブラジルのアマゾンにある町トメアスで、自然との共生の社会づくりを目指し、自然環境の大切さを伝えていく人「インストラクター」の養成と環境教育テキスト作りを行っています。

テキストの内容について、インストラクター達があれやこれやと議論を戦わせています

テキストの内容について、インストラクター達があれやこれやと議論を戦わせています。

それでは早速、私のある1日をご紹介いたしましょう。

【私のある1日】

1か月前から本格化した環境教育テキストの編集もいよいよ大詰め!来週初めには出版社に完成した原稿を持っていかなければなりません。ここ1週間はみんな時間をやりくりして、毎日のように集まりテキストの文章を見直してきました。そして、今日はテキストの原稿を完成させる予定です!

AM 8:00

カウンターパートナーであるトメアス文化協会(以下、「文協」)へ着きました。「文協」に着くと、まず、日本との連絡のためにメールを確認するのですが、この日はうまくつながらなかったので、早めにインストラクター養成講座の準備をしました。

AM 9:30

インストラクター養成講座、テキスト作成実技の時間です。養成講座は「文協」の講堂で行います。2004年8月から始めたインストラクター養成講座で、子供用環境教育テキストの作成準備をしてきた最後の仕上げです。テキストは漫画部分とトメアスの植物や農作物を紹介する部分からできています。この日は、今まで作ってきたテキストの文章の最終確認と、不足している部分がないか確認しました。文章は何度も確認してきたので、ほとんど変更はありませんでしたが、写真が足りず、午後に写真を撮りに行くことになりました。

PM 1:30

昼食後、インストラクターと一緒に写真を撮りに行きました。森の中にある木ではうまく写真に撮れないので、日系人の農家にお願いをして、農場内の木々を撮影させてもらいました。この日は「文協」の近く(と言っても10kmほど離れていますが)の農場で撮影できるものを撮りました。より良い写真を撮るために次の日は少し離れた(25km程です)農場に行くことにして、「文協」に戻りました。

PM 5:30

「文協」に帰り、朝にできなかったメールのチェックです。今度はつながりました。講座の進み具合やインストラクターの様子等を報告します。この日は来月に日本から来る会員の日程調整やテキスト印刷のため出版社との連絡が主でした。

PM 8:00

後日、インストラクターの頑張りでこんな素晴らしい本が出来上がりました!!

後日、インストラクターの頑張りでこんな素晴らしい本が出来上がりました!!

テキストに載せる写真の整理を終えて、家に帰りました。

今日は予定していたよりも忙しい一日となりましたが、インストラクターの機転の利いた行動で、問題だった部分をほとんど解決することができました。明日は、テキスト作りの最後の写真撮影を終わらせようと思います。

【私が活動している“トメアス”はこんなところです!】

トメアスには76年前(1929年)に日本人が農業をするためにやってきて、戦後、胡椒の大産地として脚光を浴びました。電気が通った20年ほど前から製材所が急増し、森林伐採が激しくなりました。今では材料が枯渇し始め、製材所は減りつつあり、逆に日系農家を中心とした環境に優しい農法「アグロフォレストリー(森林農業)」によって注目を浴びています。2005年1月には、アグロフォレストリーの国際ワークショップが開催され、その中でトメアスを訪問していました。有機農法に力をいれている農家もあり、自然と共生する社会へ向けての挑戦が続いています。

【私たちは人と自然の共生を目指して活動しています!】

私たち『野生生物を調査研究する会』は、「人・くらし・自然」をテーマに調査研究を行い、人と自然の共生の社会作りをめざしています。出版物や人材育成を通して、調査研究の結果を一般の方々に還元しています。
私たちのホームページでは、活動についての報告を行っています。興味を持っていただけた方は、ホームページを是非ご覧ください。

【次号のお知らせ】

次号(第3号)は、インドで農村・農業開発の活動している、準学校法人 アジア学院の三浦 照男さんの1日をご紹介します。6月15日に掲載予定です。お楽しみに!