月刊!プロジェクトマネージャーの1日 第3回

草の根技術協力事業の現場では、プロジェクト・マネージャーという、言わばリーダーのような人が指揮をとり活動をしています。プロジェクト・マネージャーの方々が、一日何をして過ごしたかを通じて、プロジェクトにかける想いを語ります。

今回は、インドで農村・農業開発の活動している、準学校法人 アジア学院の三浦 照男さんに筆を執っていただきました。

第3回:「環境のために、今日もインドの農場を巡回する(アジア学院 三浦さん)」

  • プロジェクト・マネージャー:三浦 照男さん
  • 団体名:準学校法人 アジア学院
  • 事業名:北インドの小規模農民のための持続可能な環境保全型複合農業の普及システムの構築と草の根パイロット事業プロジェクト(草の根パートナー型)

はじめまして! 私はインドで活動している、三浦 照男です。私たちは、インドの小規模農民のために、持続可能な環境保全型複合農業の普及システムの構築と草の根パイロット事業プロジェクトの活動を行っています。環境保全型農業とは、自然環境保全を包含した農業で、地域資源を有効利用またはリサイクルすることによって、食べものを作ることと環境保全の改善を目指している農業です。

パイロット事業に参加している農家とNGOの草の根農業改良普及員に有機栽培の説明をしているところ

パイロット事業に参加している農家とNGOの草の根農業改良普及員に有機栽培の説明をしているところ。中央で野菜を持っているのが、私です。

それでは早速、私のある1日をご紹介いたしましょう。

【私のある1日】

ここ2〜3日は農村女性の研修に力を注いでいる。今日は講義とプロジェクトの打ち合わせをする予定だ。

AM 5:30

起床。シャワーを浴びた後、歯磨き、洗面をした後、メールをチェック。その後、朝食。

AM 7:40

アラハバード農業大学継続教育学部の事務所に出勤する前に、当学部付属の伝習農場へ寄り、有機農業圃場を巡回する。無化学肥料、無農薬で育ったキャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、レタス、白菜、大根等は思った以上に育っている。病気が発生しないように、過度な水やりを控えるように指示し、なるべく草マルチ(刈った草をまいて雑草を抑えること)をするように農場担当者に伝える。

AM 9:00

当学部の朝の全体集会に出席。職員会議で打ち合わせした後、農村の研修コースに来ている研修生にマーケンティングについての2時間の講義。以前から課題として出してあった、グループによる直接販売の可能性について話し合う。インドには農業組合が発達しなかったので、よいアイデアはなかなか出てこない。昼食まで、事務処理作業をする。

PM 1:30

農村短期研修生に持続可能な農業についての講義をする。現地調整員と第4四半期の資金繰りについて打ち合わせをする。

PM 3:30

パイロット農業プロジェクトの養鶏グループ及び、食品加工女性グループ担当スタッフと3月に行われる、プロジェクトの評価会と研修内容について打ち合わせをする。養鶏グループの女性には、自分で育雛できるように自然養鶏の育雛箱のつくり方、地域にある鶏の飼料の使い方についての研修を行う。また、食品加工グループには、これから村で収穫するトマトの加工を化学添加物や保存料を入れないで作る方法、特に、ボトルの殺菌方法、衛生概念についての研修をすることなどを話し合った。また、会計スタッフとの調整。

PM 7:00

帰宅。シャワーを浴びた後、7時半に夕食。一時間程、テレビでニュースを見る。その後、2〜3時間、依頼された原稿をタイプする。

PM 10:30

本を読みながら、就寝。

今日も、アットいう間に一日が過ぎた。やることはまだたくさんあったのに。明日も忙しい一日になりそう。明日は、パイロット事業をしている村を巡回する予定だ。

【有機農業の普及のために・・・】

アジア学院は、1970年後半より有機農業に注目し、それを研修の一つの重要な柱にしてきた。小規模農民の自立のための農業として有効な概念・技術を考えてきたからである。既に、卒業生は1,000人近くになり、アジア・アフリカに散在している。しかし、その有効な普及方法が明らかにされていないため、この農業の普及ははかどっていないのが現状である。この問題の解決のために、インド・U.P.州にあるアラハバード農業大学継続教育学部の農村開発科のスタッフ、北インドの農村で活躍するアジア学院卒業生と一緒に、持続可能な農業パイロットプロジェクトを手がけることなった。

【私たちアジア学院が目指すこと】

アジア・アフリカ農村地域社会の人々の生活向上と繁栄に貢献する農村開発指導者を養成すること、また公正で平和な社会の実現に寄与できる人材を養成することが、本学院の主な目的である。

【次号のお知らせ】

次号(第4号)は、ネパールで全ての子どもたちが教育を受けられるよう活動している、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの定松 栄一さんの1日をご紹介します。7月15日に掲載予定です。お楽しみに!