月刊!プロジェクトマネージャーの1日 第35回

草の根技術協力事業の現場では、プロジェクト・マネージャーという、言わばリーダーのような人が指揮をとり活動をしています。プロジェクト・マネージャーの方々が、一日何をして過ごしたかを通じて、プロジェクトにかける想いを語ります。

今回は、スリランカで農業研修に取り組む、特定非営利活動法人タランガ・フレンドシップ・グループ(TFG)の日置雅夫さんに筆を執っていただきました。

第35回:「スリランカで農業研修を通じて経済的自立を支援する。(タランガ・フレンドシップ・グループ(TFG)日置雅夫さん)」

  • プロジェクト・マネージャー:日置雅夫さん
  • 団体名:特定非営利活動法人 タランガ・フレンドシップ・グループ(TFG)
  • 事業名:北西州の低開発地域における農業の経済的自立支援(草の根協力支援型)

はじめまして。私はスリランカの北西州で活動している日置です。私たちは、低開発村の青少年のために、農業(技術・経営)の研修と販売ネットワークの構築活動をしています。今回のプロジェクトは2007年の9月にスタートしました。

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TFG スリランカ所長のマーネルさんと私。販売準備委員会で。

それでは早速、私のある1日をご紹介いたしましょう。

【私のある1日】

今日から農業経営研修(5日間)が始まります。研修生は男女合わせて20人です。日本からは、マーネル所長の友人兄妹とその友人の3人がお客さんとして来ています。彼らには農業経営研修での講師もお願いしており、明日、日本の商品や商習慣などを説明してもらう予定です。

AM 6:30

起床。研修を協力して行っているWayamba Training Institute(WTI)の宿泊施設のベッドで目を覚ます。

AM 7:15

朝食。研修生と共に食堂で食事をする。毎食、カリー。カリーといっても種類は豊富。

AM 8:30

農業経営研修コース(プロジェクトの目玉のひとつ)の初日が始まる。農業経営研修は、NPO活動に理解のあるダナパーラさんがマネージメントをしている。研修開始にあたりTFGのクマーラ理事長があいさつ。研修はシンハラ語で行う。皆真剣そのもの。疲れた頃には気楽なゲームを取り入れる。

AM 11:00

スーパーマーケット「Food City」の野菜担当マネージャーとあいさつ・打合せ。
この方には、農業経営研修の講師をお願いしている。TFGの活動内容を紹介し、研修の趣旨等を説明する。TFGとFood Cityが協力して何が出来るのか意見交換を行う。研修生が作った野菜等をここで売ってもらうことも検討中。

AM 12:30

昼食。食堂で皆と食事。デザートはパパイア。マンゴも良いけれど、パパイアもおいしいですよ。

PM 2:00

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研修生宅を訪問。牛小屋の前に子供たちが集まってきた。

機械化農業研修実施予定地区の研修生宅を、モニタリング・評価担当のクマーラ先生、日本人3人と訪問。

PM 3:30

【写真】

ワーリエポラの商店。様々な野菜が並ぶ。

日本人3人が作る日本料理のために食材を買う。日本で手に入る野菜はだいたい揃う。大根もサツマイモもジャガイモも、そしてねぎも。

PM 4:30

日本人が30人分もの雑煮を作る。私は見学。

PM 6:00

【写真】

寸劇:商人と消費者(よい・悪い)。

寸劇を取り入れた研修。よい商人、悪い商人、よい消費者、悪い消費者の4タイプをいくつかのケースで演じる。日本人もよい商人とよい消費者を演じる。

PM 7:30

夕食。日本人が作った雑煮が振舞われる。私は給仕をした。料理の評価はまずまずのよう。生まれて初めて日本食を食べた人ばかりだが。

PM 8:30

翌日の朝、クマーラ鈴鹿国際大学教授が帰国する予定のため、WTIからTFGスリランカ事務所へクマーラ先生と私の2人が移動する。車の中でクマーラ先生と議論。通常1時間30分かかるところを夜間の移動のため1時間15分で到着する。

PM 11:00

就寝。今日は重要な1日だった。
多くの人々の協力により研修が順調に行われ、ひと安心。1月、2月は各種の研修が予定されている。事故などの問題もなく無事終わることを願う。

【ちょっといい話〜研修生による協同販売開始〜】

【写真】

横断幕ができました。

間もなく毎週水曜、土曜、日曜に、州都クルネーガラの消費者市場で研修生による協同販売が始まります。今はその準備のために忙しいです。販売商品リスト、販売担当ローテーションリスト、借りる広さ、会費、横断幕、ユニフォーム、商品台等について議論しました。

これらの活動を通じて、研修生の一人一人に希望の星が見えます。

【最近のガソリン価格と生活事情】

スリランカのガソリンは1リットル127ルピー(約130円)もします。日本では150円を越えて大きな問題になっていますが、発展途上国はもっと深刻です。ここ3年でインフレ率が約40%です。スリランカの物価水準は日本の10分の1程度で、日雇いの日給が地方で500ルピーです。庶民にとっては大変です。去年の10月には学校の先生が賃金UPを叫んでストライキをしたほどです。

【タランガ・フレンドシップ・グループ(TFG)とは?】

TFGは、2003年からスリランカ北西州政府及びWayamba Training Institute (WTI)と協力して低開発村の青少年のための職業訓練を支援しています。活動地域には中学校や高校を卒業して、村に留まる若者が多くいます。収入も少なく、満足な道路さえない地域もあります。
TFGプロジェクトは、農業研修と販売ネットワークが柱です。農業研修では、従来の基礎農業技術研修と新たに始める農業経営研修があります。販売ネットワークは、研修生が自分で作ったものを自分で売ることを目指しています。

【次号のお知らせ】

次号(第36号)は、南アフリカ共和国で、学校菜園を通じ地域の子どもの生活環境と健康状態の改善を支援する、アジア・アフリカと共に歩む会(TAAA)の平林薫さんの1日をご紹介します。3月15日に掲載予定です。お楽しみに!