月刊!プロジェクトマネージャーの1日 第37回

草の根技術協力事業の現場では、プロジェクト・マネージャーという、言わばリーダーのような人が指揮をとり活動をしています。プロジェクト・マネージャーの方々が、一日何をして過ごしたかを通じて、プロジェクトにかける想いを語ります。

そして、今年5月28日から30日まで横浜で開催される「アフリカ開発会議(TICAD IV)」にちなみ、前回から3回にわたってアフリカ各国で活躍するプロジェクト・マネージャーが登場します。

2回目の今回は、マラウイにて食の安全保障と公衆衛生の改善に取り組む、社団法人日本国際民間協力会の五味剛史さんに筆を執っていただきました。

〜これまでに紹介されたアフリカでの活動〜

第37回:「マラウイにて、食の安全保障と公衆衛生に取り組む。(NICCO 五味 剛史さん)」

  • プロジェクト・マネージャー:五味 剛史さん
  • 団体名:社団法人 日本国際民間協力会(NICCO)
  • 事業名:マラウイにおける食の安全保障の確立と公衆衛生(草の根パートナー型)

はじめまして! 私は、マラウイで活動している、五味剛史です。

私たちは「飢餓の起きない村づくり」を目指し、有機農業技術指導、植林、エコサントイレの設置など、食の安全保障の確立と公衆衛生改善を組み合わせた総合的な村落開発活動を行っています。

それでは早速、私のある1日をご紹介いたしましょう。

【私のある1日】

今日は事業地で村人とアクションプランを作ったり、女性グループの料理講習会に参加したり、エコサントイレ使用に関するモニタリング、植林(モリンガ※)の生育状況を確認したりとフィールドワークが中心になります。

※モリンガとは和名ワサビノキと呼ばれています。詳しくは本文をご覧ください。

AM 6:00 起床

マラウイ湖の波音を聞きながら起床。その後、水辺を散歩する。この時間、今日の段取りなどを考えながら、ゆっくりとした時間を過ごします。

AM 6:30 シャワーと朝食

少し汗をかき、頭もすっきりしたところで、熱いシャワーを浴びる。さあ、これで出勤できるぞ。

AM 7:30 出勤

自宅から事務所まで車で約30分の道のり。今日は晴天、気持ちの良い出勤である。

AM 8:00 マラウイ人現地スタッフと打ち合わせ

マラウイ人現地スタッフが各自のプログラムを担当し有機的に仕事を行っているため、スケジュールの確認を行うと共に、ワークショップの段取り等を打ち合わせる。今日は、フィールドワークで皆忙しくなりそうである。

AM 9:30 エコサントイレの使用に関するモニタリング

事業地へ赴き、エコサントイレの使用に関するモニタリングを行う(エコサントイレとは、し尿を分離して衛生化し、肥料としての利用を可能にするトイレです)。現在、100基以上のエコサントイレが各家庭に建設済みなので、保健普及員やマラウイ人現地スタッフと手分けして各家庭を訪問する。しっかり使用している家庭、尿の希釈がまだ理解できていない家庭など様々であるが、適切にトイレを使用している家庭が増えている。彼らの声を聞き、何が問題なのかを話し合うのはフィールドワークの楽しみである。

【写真】

エコサントイレの使用に関するモニタリングの様子。中央が私です。

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完成したエコサントイレ。

AM 11:00 女性グループに対する料理講習会に参加

【写真】

モリンガ料理講習会で実演中。

モリンガを使った料理講習会に参加する。事業地で植林しているモリンガはミラクルツリー(奇跡の木)と呼ばれており、葉は高いビタミンCを持ち、実は食用油として使え、更にパウダーにすれば、マラウイの主食のシマ(トウモロコシの粉を練ったもの)に混ぜ合わせることが出来る優れものである。今回は、葉の料理が中心である。女性達が楽しみながら、和気藹々と講習会に参加している様子が印象的であった。料理が出来上がり、試食が始まる。私もお裾分けしてもらい、今日の昼食はモリンガサラダをご馳走になる。美味しいなー、モリンガ!!

PM 1:00 植林の生育状況を確認

【写真】

足元に生育しているモリンガも3ヶ月後には私の背丈を越えているでしょう。農家さんとモリンガの成長を記念して一枚。

モリンガをご馳走になった後、農業改良普及員、マラウイ人現地スタッフと共にモリンガの植林状況をモニタリングする。各家庭の軒先には苗が順調に育っていた。

PM 3:00 アクションプラン作り

【写真】

小学校の一室を借りてアクションプラン作り。

村人と一緒になって3ヶ月に一度、アクションプラン作りを行っている。このアクションプランを基にどのような講習会を開くか、各活動のモニタリングをどのように行うかなど、フィールドでの活動が決まる。今日は、農作業を終えた村人が三々五々集まり、活発に意見を出している。更に、農業委員会からは夜盗虫(ヨトウムシ)の大発生が確認されたが、日本人調整員の岡田さん、マラウイ人現地スタッフ、農業省、村人が協力しながら早急に対処したので、メイズ(トウモロコシ)の収穫に大きな影響は与えずにすんだとのこと。保健委員会からは今月だけで30基以上のエコサントイレが建設されたことなども報告される。良いことも悪いこともフィールドでは毎日のように起こる。これもフィールドワークの醍醐味だ。

PM 6:00

事務所に戻り、マラウイ人現地スタッフとの打ち合わせ。

PM 7:00

今日は一日フィールドに出ていたので、本部からのメールなどに対応する。

PM 8:00

忙しい一日も終わり、自宅へ戻る。仕事帰りのビールが最高!今日も頑張ったな〜という気分になる。インターン生も囲み、夕食はカレーだ。皆で食べる食事がやはり最高に美味しい。

PM 9:00

日本に残している妻と娘にメールを送る。最近、娘の背丈が100センチを越え、幼稚園のお遊戯も上手になったと妻からのメール。仕事場では、農作物や村人の成長を喜んだり、プライベートでは娘の成長を喜んだり、毎日一喜一憂している。その後、好きな本や音楽を聴きながら、リラックスの時間。

PM 10:30

明日も早いので就寝。

今日は一日現場での活動だったので体は疲れたが、多くの成果を感じる一日だった。

【感動したこと〜プロジェクトの成果をわかちあう〜】

事業地を歩いていると、プロジェクト委員会委員長のイメディさんがメイズ(トウモロコシ)を持って私の側に駈け寄って来た。何だか嬉しそうな顔をしている。NICCOが12月に配布したメイズの種子が収穫出来たので、是非食べて欲しいと言われる。収穫の端境期で、彼らも今が一番苦しい時期にも関わらず。素敵な笑顔と美味しいメイズを食べていると今までの彼らの努力に感動する。

【日本国際民間協力会(NICCO)とは?】

NICCOは緊急災害支援と生活向上を目指した長期的な自立支援を行う国際協力NGOです。活動は主に、災害が発生した場合、24時間以内の活動開始・72時間以内の現地到着を基本に救援活動を行います。又、恒常的な貧困状態にある人々に対しては、人々が主体となって収入を生み出すことのできるシステム作りを行っています。

【次号のお知らせ】

次号(第38号)は、ケニアで井戸掘り技術指導により安全な水の確保に取り組む、特定非営利活動法人インターナショナル ウォーター プロジェクトの大野比佐代さんの1日をご紹介します。5月15日に掲載予定です。お楽しみに!