草の根パートナー型

平成21年度第2回 採択内定案件

I.提案事業の概要
1.対象国名インド
2.事業名行政主導化を目指したインド・ウッタール・プラデシュ州における総合的砒素汚染対策実施事業
3.事業の背景と必要性

宮崎大学は、ウッタール・プラデシュ州で最も砒素汚染率の高い地域にモデル村(2村7集落)を設定し、JICA草の根技術協力事業による総合的砒素汚染対策を展開した(2008.6〜2010.6)。具体的には次の4つの活動を行った。1)汚染実態調査:事業地の井戸水中の砒素濃度を全て測定し、井戸の汚染レベルとその分布を確認し、砒素暴露住民を把握した。2)啓発活動:住民の砒素に対する知識・認識を高めるため、紙芝居、スライド上映会、学校訪問授業等の年齢、性別などを考慮した各種プログラムを実施した。3)医療検診:砒素に暴露されている住民を検診し(8割以上が受診)、罹患率9%という高率の慢性砒素中毒症患者を確認した。4)代替水源設置:住民がアクセス可能な代替水源として、各集落1基以上、合計11基の代替水源を設置した。

同プロジェクトの成果を踏まえて、宮崎大学は現在、同モデル2村内にまだ残っている高度砒素汚染の27集落を対象として、総合的砒素対策事業を行っている。ここでは、"行政が主導し責任を持つ"形を目指し、「持続的な対策システム」の構築が行われている。現地行政と協働のもとで、先のプロジェクト成果をブラッシュアップする形で、27集落の砒素対策を行われているが、これは将来的には、全州的な砒素対策のモデルとなることが期待されるものとなっている。

4.事業の目的事業対象27集落において、行政による安全な飲料水の供給および検診・健康管理のシステムが確立されること。
5.対象地域ウッタールプラデシュ州、バライチ県、テジワプール郡、ネワダ&チェトラ村27集落
6.受益者層27集落の村民、ウッタールプラデシュ州上水道局技術者、バライチ県医療保健部医療関係者
7.期待される成果及び活動

期待される成果:

1)ブロック(地方行政単位:郡に相当)に砒素汚染対策委員会が設立される。

2)事業対象27集落において、砒素汚染の状況が把握されること。

3)事業対象27集落において、慢性砒素中毒患者の実態が把握されること。

4)県医療機関のスタッフが、慢性砒素中毒症の診断技術を有し、健康管理による症状軽減等について十分な認識を持つこと。

5)水道技術者や建設技術者に対し、代替水源についての技術移転がなされること。

6)事業対象27集落において、砒素を含まない安全な飲料水が確保されること。

7)地下水砒素汚染の一要因とされる牛糞が衛生的に処理できるようになること。

活動:

1) 事業対象村の砒素対策委員会と協働した井戸汚染調査と患者発掘

2) ウッタールプラデシュ州水道局や地方政府が設置した代替水源の維持管理体制強化

3) バライチ県医療保健部と協働した検診および健康管理

4) 牛糞のエネルギー・肥料化装置(メタンガス発生装置)の設置を通じた生活・農業環境の改善モデルづくり等

8.実施期間2011年3月〜2013年3月(2年1ヶ月)
9.事業費概算額50,000千円
10.事業の実施体制

事業実施団体:宮崎大学が途上国での砒素汚染対策の経験、および学術的技術を生かして、村民および行政への技術移転を中心的に行う。
協力団体:NPO「アジア砒素ネットワーク」がバングラデシュにおいて蓄積した実践的技術を現地に伝える、という形で本事業に協力する。
カウンターパート:「Eco-friends」は主として、行政および啓発の面で持続的な活動を行う。

II.応募団体の概要
1.団体名国立大学法人 宮崎大学
2.活動内容これまでにバングラデシュ、ネパールやインド等で砒素汚染の調査・対策活動に従事してきた。その実績を踏まえて、現在JICA草の根技術協力事業(総合的砒素汚染対策)をインド・ウッタールプラデシュ州で展開している。その他のJICA技術協力事業に関しては、「地域別保健医療研修(中東地域)」、「高等人材開発事業(III)留学生受入(インドネシア)」などがある。