草の根パートナー型

平成17年度第1回 採択内定案件

I. 提案事業の概要
1.国名ベトナム
2.事業名ベトナム中部・自然災害常襲地での暮らしと安全の向上支援
3.事業の背景と必要性ベトナム中部では、急峻な山岳地形と狭隘な平野地形に由来する土砂災害や洪水が頻発し、人々の安全が脅かされている。加えて、近年の気候変動は、集中豪雨、雨季のズレ、干ばつによる海岸低地での塩害などを引き起こし、農業・森林保全・家畜飼養・養魚などの生業活動や暮らしの安全に深刻な影響を与えている。これらは、地域の経済活動の停滞や資源環境の劣化の要因となり、特に、山岳少数民族や水上生活者、生活困窮世帯など社会的弱者層の貧困解消を阻んでいる。
自然災害常襲地では、従来のようなダム建設や災害時の緊急支援など直接的対処だけではなく、小規模で日常的な防災努力の積み重ねと被災後の生活の立て直しに目を向けることが大切である。
自然災害の常襲地において、日常的な暮らしや生業活動を通して、生命・財産の安全や環境保全、世帯経済の向上を同時に実現することは地域住民の切なる願いであり最も基本的なニーズである。
4.事業の目的自然災害常襲地において、地域住民による環境・防災教育や総合的地域防災の取り組み体制を構築し、その実践を通じて暮らしと安全の向上をはかる。
5.対象地域ベトナム中部(Thua Thien Hue省)の自然災害常襲地であるボー川流域の山間部・平野部・海岸部の村落
6.受益者層直接の受益者は、上記対象地域の住民および住民組識(女性グループ、農民グループ、赤十字グループ、青年グループなど)とする。特に、山岳少数民族、水上生活者、生活困窮者など社会的弱者層へ事業効果が及ぶことを強く意識する。
7.活動及び期待される成果
  1. 対象地域の地域特性と自然災害ヘの脆弱性が明らかになる。
    (1)在来システム、地域特性、自然災害への脆弱性を知るための参加型調査をする。
    (2)地域防災マップや資源環境マップを作成する
  2. 環境・防災コミュニティハウスがつくられ環境防災教育、地域防災力向上、生業振興に向けた住民活動の拠点となる
    (1)在来技法と現地で入手可能な資材を活用してのコミュニティハウスを地域住民とともに建設する。
    (2)コミュニティハウスを拠点に地域防災や生業振興のための地域研修会や住民セミナーを行なう
  3. 住民参加による環境・防災教育が行なわれる
    (1)住民グループ(青年グループ、小学校の教員・児童)を組織する。
    (2)環境保全や地域防災に関するフィールド観察会や勉強会を行う。
    (3)活動成果を資料冊子やポスターにまとめ地域研修会などに活用する。
  4. 環境防災と生計向上のための住民参加型パイロットトライアルが行なわれ、その経験と成果が活用される
    (1)参加型調査とトライアルに関わる住民グループを組織する。
    (2)住民ニーズと発想を汲んだ参加型トライアル(例えば、香辛料作物や果樹の栽培、小家畜飼養、バイオガス、伝統的織物の復活、小規模マーケットなど)を行う。
  5. 環境保全と地域防災力向上のための連携ネットワークが構築される
    (1)地域住民、長方自治体、関係省庁などが参加する地域研修会、地域交流会やワークショップを行う。
    (2)ホームページや各種刊行物を通じての情報発信をする。
8.実施期間2006年9月〜2009年8月(3年)
9.事業費約49,977千円(予定)
10.事業の実施体制
  • 提案団体である京都大学・地球環境学堂に本事業に関わるメンバーからなる「事業班」とそれをバックアップする「プロジェクト委員会」を設ける。
  • カウンターパート機関のフエ農科大学(2004年、学術交流協定締結)は、山岳少数民族の貧困削減や環境保全など地域密着型の住民支援活動に実績がある。
  • 事業の活動主体や裨益対象は、住民組識や個々の住民である。
  • 地球環境学堂ベトナム拠点オフィスを活用して、ベトナム国の関連省庁や国内外の類似地域への活動成果の中・長期的な波及を期する。
II. 応募団体の概要
1.団体名京都大学大学院 地球環境学堂
2.活動内容地球環境学の複数領域での学術研究、大学院教育を通じての研究者や実務者の養成、留学生の受け入れ、国際学術教育交流、国際協力事業への支援など。