草の根パートナー型

2014年度第2回 採択内定案件

I.提案事業の概要
1.対象国名 ベトナム社会主義共和国
2.事業名 ベトナム医療技術支援(循環器疾患領域)
Medical Technical Support of Cardiovascular Diseases in Vietnam
3.事業の背景と必要性 岡山大学病院心臓血管外科は、2011年11月から2014年3月まで2年5か月間にわたり草の根技術協力事業(地域提案型、提案自治体:岡山市)として、首都ハノイのE病院に対して先天性心疾患の外科治療の技術指導を実施した。これによりE病院においては、ベトナムで過去に実施されたことのなかった複雑心奇形の1つである単心室症の手術も実施されるようになり、研修を受けた人材が同病院内で指導的役割を担うようになっている。
しかし、さらに高度な技術を要する複雑心奇形の手術、より難しい新生児・乳児への手術など、さらに習得すべき技能も多く残っている。また、前プロジェクトはE病院のみでの実施であり、広く多数の患者を治療するためには複数の医療施設への展開が求められている。
ベトナムでは、年間1万人以上の先天性心疾患の患者が生まれていると推定されるが、手術は年間3600件にとどまっており、高度な手術が必要な複雑心奇形の子どもたちの多くは手術を受ける機会がないまま命を落としていると考えられる。このため、同国保健省や心臓血管外科分野の基幹病院であるE病院、ハノイ国立小児病院、ホーチミン医薬大学病院から、更なる人材育成の要請があり、本プロジェクト実施へとつながった。
4.プロジェクト目標 先天性心疾患外科治療のベトナム人医療スタッフによる自立的人材育成体制が確立される。
5.対象地域 ハノイ市、ホーチミン市、および関連病院がある地方中核都市
6.受益者層
(ターゲットグループ)
ベトナムの基幹病院(E病院、ハノイ国立小児病院、ホーチミン医薬大学病院)とその関連病院の医療従事者
ベトナム国内の先天性心疾患患者(出生数の1% 約13,000人/年)
7.期待されるアウトプット及び活動

<アウトプット>
1.複雑心奇形の外科手術に対応できる医療指導者が基幹病院において育成される。
2.先天性心疾患治療に関するベトナム語によるマニュアルが作成される。
3.基幹病院による関連病院に対する先天性心疾患外科治療の指導が行われるようになる。

<活動>
1-1.日本人医療スタッフがベトナムの基幹病院において複雑心疾患外科治療に関する集中講義コースを実施する(専門家派遣時)。
1-2.基幹病院のベトナム人医療スタッフを岡山大学病院へ受け入れ、研修を実施する(研修員受入)。
1-3.集中講義コースや日本研修を受けた医療スタッフの技術や指導力の向上度をモニタリングする。

2-1.岡山大学病院で研修中のベトナム人医療スタッフがマニュアルの原案を作成する(研修員受入時)。
2-2.先天性心疾患の外科治療に関わる各分野の中核メンバーを日本側で1人、3基幹病院で1人ずつ選定する。分野は心臓血管外科、麻酔科、集中治療科、小児循環器科、人工心肺技師、看護師を基本とする。
2-3.基幹病院における外科治療を中心とした分野の基礎と高度な内容、関連病院での術前管理と診断(新生児を含む)および術後遠隔期の外来管理の基礎的内容を具体的に決める。
2-4.各施設の技量により担当する分野を配分し、日本語、英語での原案を作成しながら順次ベトナム語に翻訳を進める。
2-5.マニュアルの内容を逐次講習しながら改善し、出版を進める。

3-1.日本人スタッフの指導の下で、ベトナム人医療スタッフが関連病院での基本的講義を開始する(専門家派遣時)。
3-2.ベトナムでの集中講義コースを可能な限り基幹病院のスタッフによりハノイ、ホーチミンの2都市で実施する。
3-3.講義を実施した基幹病院のスタッフが他の基幹病院または関連病院を訪問して、実践的な技術指導を行う。

8.実施期間 (西暦)2016年9月〜2020年3月(3年7ヵ月)
9.事業費概算額 80,000千円
10.事業の実施体制 《日本側》岡山大学病院の心臓血管外科を中心に麻酔蘇生科、小児循環器科などの医師、また臨床工学士、看護師がそれぞれの専門領域について指導する。
《ベトナム側》E病院、ハノイ国立小児病院、ホーチミン医薬大学病院(以上、カウンターパート機関)。また各基幹病院の関連病院。
II.応募団体の概要
1.団体名 国立大学法人岡山大学
2.活動内容 ・2011〜2013年度 JICA草の根技術支援事業 ベトナム ハノイ
・岡山大学病院へのフィリピン・タイ・インドネシア・ベトナムからの研修受け入れ。
・インドネシア・フィリピン・タイでの手術指導