草の根協力支援型

平成16年度 採択内定案件

I. 提案事業の概要
1.国名中華人民共和国
2.事業名浙江省・江蘇省における労働組合主導の中小企業労働安全衛生改善運動
3.事業の背景と必要性

中国では近年の経済発展に伴い、建設、運輸、化学等の産業が発展したが一方で墜落・転落、クレーンの衝突・車両事故等の労働災害が急速に増加している。特に中小企業における労働災害は多く、2001年の労働災害による死亡者13万人のうち、中小企業の割合は70%を占めている。

これらは、中国において労働安全衛生の重要性に対する認識が必ずしも十分では無く、経営者・労働者双方の安全衛生に関する知識が不足していることに起因する。

かかる状況のもと、特に中小企業が集中し、各省とも年間7,000人以上の死亡災害が発生している浙江省・江蘇省を対象に労働安全衛生改善のための事業を実施することとなった。

4.事業の目的

POSITIVEの(*)実施を通して、主に中小企業で働く労働者が労働安全衛生に関する認識を高め、現場レベルでの労働安全衛生活動を継続して実施することにより、労働災害や職業性疾病を減少させ、労働者及びその家族の生活の質的向上を図る。

*POSITIVEプログラム
途上国における労働組合主導の実践重視型労働安全衛生改善を促進するためILOが作成したプログラムを国際労働財団がアジアの実情に合わせて改善したプログラム

5.対象地域浙江省・江蘇省
6.受益者層浙江省・江蘇省の中小企業労働者
(3年間で64,000人に対し労働者教育を実施することを目標とする)
7.活動及び期待される成果<活動>
  • 主管トレーナー育成のためのPOSITIVEセミナーの開催
    • 日本人専門家を講師として派遣し、主管トレーナーとなる参加者にPOSITIVEの手法を体得させる。
  • 日本人専門家による指導、助言を行う
    • 職場の労働者の改善活動に関する指導、助言を行う。
    • 特に労働災害が多く発生している産業に対して、労働保護部との連携を図り、対策についての助言、指導を行う。
  • トレーナー育成のためのPOSITIVEセミナーの開催
    • 主管トレーナーによる参加型労働安全セミナーの開催
  • 労働者のためのPOSITIVEセミナーの開催
    • トレーナー又は主管トレーナーが労働者に対し参加型労働安全セミナーを開催し、参加した労働者が各職場で労働安全衛生の点検・改善を進める。
  • 中華全国総工会/労働保護部による労働者への指導
    • 職場の労働者の改善活動に関する指導、助言を行う。
    • 特に労働災害が多く発生している産業に対して、対策を指導する。
  • 日本人スタッフによるモニタリング
    • 職場の労働者へのPOSITIVE手法の普及状況に関するモニタリングの点検、改善を進める。
<成果>
  • 主管トレーナー40名の育成
  • 普及教材類の整備
  • トレーナーの育成
  • 労働者教育・職場改善活動
8.実施期間2004年7月〜2006年9月(2年3ヶ月)
9.事業費第一年次契約金額:4,067千円(精算金額:3,942千円)
第二年次契約金額:3,984千円
10.事業の実施体制

(現地側)
中華人民共和国における唯一のナショナルセンターである中華全国総工会とその下部組織(浙江省・江蘇省総工会、両省の各市、県の総工会など)を現地パートナーとして位置付け、プロジェクトの推進を行う。プロジェクトの推進は中華全国総工会の労働保護部が担当する。

(日本側)
財団法人 国際労働財団は、プロジェクトマネージャーと国内調整員(3名)を任命し、当プロジェクトの企画、運営にあたる。また、労働科学研究所の協力を得て、労働安全衛生分野の専門家を中国に派遣し、(1)主管トレーナーの育成、(2)労働者への改善活動に関する助言・指導、(3)プロジェクト推進のための指導、助言を実施する。

II. 実施団体の概要
1.団体名財団法人 国際労働財団
2.活動内容
3.対象国との関係、協力実績
1996年4月の中華全国総工会(ACFTU)との合意に基づき、市場経済化に伴う新しい労使関係システムの構築に資する目的で、1997年より対中国プロジェクトを実施している。中華全国総工会のニーズに応じ、労使関係、市場経済化の労働運動と労使関係、団体交渉、中小企業組織化セミナー等を実施し非常に良好な関係を維持している。