草の根協力支援型

平成17年度 採択内定案件

I. 提案事業の概要
1.国名中華人民共和国
2.事業名中国内モンゴル自治区アラシャン盟における砂漠化防止のための種子採種事業の確立と環境教育のモデル事業
3.事業の背景と必要性近年、アラシャン盟では過度な放牧、特に商品価値の高いカシミアを採取するためのヤギの放牧によって、草原の退化と砂漠の拡大が加速され、環境が著しく破壊されている。その結果、近年は急激に砂嵐(黄砂)の発生回数が増加し、その経済的損失は毎年10億円以上と推定され、5万人以上の遊牧民の生活に大きな打撃を与えている。
遊牧民の過放牧は砂漠化をまねき、砂漠化は遊牧民の貧困をまねく。そして遊牧民の貧困は、さらなる無秩序な過放牧をまねくといった悪循環を生じさせており、アラシャン盟の砂漠化問題を根本的に解決するためには、遊牧民の牧畜以外から所得を得る手段の確立が強く求められている。
また、砂漠は遊牧民に悪影響を及ぼすだけでなく、砂嵐などによって町の住民にも脅威となっているにもかかわらず、彼らの砂漠に関する認識は十分でないのが現状である。町の住民と遊牧民との共同作業(植付、播種、水遣り等)や講習を通して、砂漠に関する知識の普及、環境危機意識の共有と相互理解の深まりで、環境保護意識、ボランティア精神と相互扶助精神が生まれることは、砂漠化の防止に必要不可欠である。
4.事業の目的
  • 遊牧民の収入増加によってアラシャン盟内の砂漠化問題を改善するため、砂漠緑化に必要とされる膨大な現地自生灌木の種子生産に焦点を当てた種子採種事業を確立する。
  • 砂漠化の防止に必要不可欠な遊牧民と町の住民の砂漠化問題に関する認識の共有および知識向上のため、町の住民に対して事業へ積極的に参加するように働きかけ、遊牧民との交流や共同作業を通じた、環境保護意識の高揚とボランティア精神の育成を図る。
5.対象地域中国内モンゴル自治区アラシャン盟アラシャン左旗
6.受益者層遊牧民を含むアラシャン左旗地域の住民
7.活動及び期待される成果
  • 造成済みの種子採種圃場(100ha)における現地自生潅木林管理に加え、新規に種子採種圃場(200ha)造成を行い、砂漠の拡大を防ぐと同時に周辺遊牧民が種子採種事業に参入するための基盤を整備する。
  • 多目的簡易研修所(総面積200m2)1棟を建設して遊牧民に対する技術研修と小学生に対する環境教育を行うほか、事業区域の管理施設としても活用する。
  • 日本から計3回、延べ5人の専門家を派遣し、日中両国の専門家による共同ワークショップを開催する。共同ワークショップでは灌木の育成・管理に関する技術研修を行い、遊牧民の潅木管理能力の向上を図る。
  • 現地の小学校を中心に環境教育活動を行い、モデル事業区における実習活動と遊牧民との交流活動(計20回、延べ400人参加)を通じて、青少年の環境保護意識の向上とボランティア精神の育成に努める。
  • 新聞やテレビ等のメディア、提案団体のホームページを通して、モデル事業の効果と意義を宣伝し、社会的認知度を高め、環境保護意識を浸透させる。
8.実施期間2005年10月〜2007年3月(1年6ヶ月)
9.事業費第一年次契約金額:6,064千円
10.事業の実施体制【日本側(日本側支援体制、広報等)】
実施団体である『世界の砂漠を緑で包む会』は、日本人現地スタッフを配置し、定期的に事業のモニタリングや評価を行う他、専門家や砂漠緑化ボランティアを派遣して砂漠化防止事業を推進する。また、会報やホームページを通じた事業紹介、プレスリリースなど、日本での広報活動を実施する。

【相手国側(相手国実施機関の概要等)】
現地カウンターパート機関である『アラシャン黄河文化経済発展研究会』は、1998年の設立以来、アラシャンにおける砂漠化防止事業を実施してきたNGOであり、現地政府との信頼関係が確立されていることから、現地政府と実施団体との橋渡し役となるほか、日本からの砂漠緑化ボランティアの受入れ手配など、事業の円滑な実施のための調整を行う。
II. 実施団体の概要
1.団体名特定非営利活動法人 世界の砂漠を緑で包む会
2.活動内容 種子採種事業による遊牧民の収入増加と住民の環境保護意識向上による、アラシャン盟の砂漠化問題の改善と持続可能な地域社会の発展を目指して活動する。
3.対象国との関係、協力実績1998年以来、黄河経済発展研究会や現地政府の協力を得て、植林や現地自生灌木の種子播種による砂漠緑化活動を実施ししてきた。また、現地小学生を対象とした環境教育や、日中両国の小学生の作品交換による交流活動を実施するなど、これまでの協力実績から、現地政府や地域住民との信頼関係が確立されている。