草の根協力支援型

平成16年度 採択内定案件

I. 提案事業の概要
1.国名インド
2.事業名インド北部ウッタランチャル州における衛生環境改善・地域住民意識化支援事業
3.事業の背景と必要性

インド北部に位置するウッタランチャル(Uttaranchal)州チャモリ郡ガット地区は、ヒマラヤ山麓のふもとの山岳地帯に位置する。住民の多くがスケジュールド・カースト(不可触民)またはその他の下層職業カーストに属し、貧困層が人口の半数を占めるチャモリ郡の中でも特に貧困度の高い地区である。住民は山にへばりつくように開墾された棚田で農業を営んでいるが、地理的・気候的状況も加わり、自給自足を実現するほどの収穫は難しいのが現状である。

こうした状況下、住民は慢性的栄養不足状態にあり、特に乳幼児は栄養失調と寄生虫の影響でお腹が大きく膨れている。また、ヨード分不足、ビタミンA不足による夜盲症と皮膚病、妊娠中の栄養不足による知的障害児の出生もみられる。安全な飲料水の入手は難しく、またトイレの普及率はわずか6%である。公衆衛生の概念が普及していないため、家畜の糞尿やゴミがいたる所に落ちており、雨季には地面が汚泥状態になるなど、衛生状態も劣悪であり、感染症のリスクを高めている。

当地区は国連世界食糧計画(WFP)の「教育のための食糧と環境計画」実施地域に指定され、州政府と連携して学校の給食事業が行われているが、衛生環境に対する住民の意識が変わらない限り、食糧の供与だけでは健康状態の改善は難しい。 そこで州政府やWFPと連携しつつ、ガット地区の住民、小学校40校、生徒、PTA、地域NGOなど、人々が主体的に関わる形で公衆衛生・保健教育の普及活動を行い、住民の保健・衛生に関する意識向上を促進することにより、劣悪な衛生環境を改善し、心身ともに健全な生活を送ることを可能にしていく必要がある。

4.事業の目的インド北部ウッタランチャル州チャモリ郡ガット地区の小学校40校の生徒約1200人とその家族、教師、地域住民の保健・衛生に関する意識の向上を促進し、清潔な生活が習慣化され、衛生環境が改善されることで心身ともに健全な生活を送れるようにする。
5.対象地域インド国ウッタランチャル州チャモリ郡ガット地区
6.受益者層ガット地区の公立小学校(1〜5学年)計40校の生徒約1,200人とその家族、教員、地域住民。
7.活動及び期待される成果
  • ベースライン調査の実施
    10校の小学校でベースライン調査を実施し、現状を把握する。
  • 指導員養成講座の実施
    教員、住民代表らのべ145名を対象とした初年度養成研修、キャパシティビルディング中間養成研修を実施し、指導員を育成する。
  • 健康教育研修講座の開催
    指導員が各学校にて生徒、教員、地域住民を対象とした参加型の健康教育研修講座を開催する。また学校に保健・衛生・健康に関する本・ポスター等を掲示すると共に、寄生虫排除の錠剤の配布も行う。これらの活動により、身の回りの病気とその原因を知り、健康に関する知識を普及・定着させる。
  • 環境・公衆衛生教育研修の実施
    当団体と現地NGOとが共同で、各学校で環境と公衆衛生に関する教育研修を実施し、歌、寸劇、紙芝居、踊り、ビデオなどを使用して知識の定着と実践を図る。さらに学校教育の中での健康や公衆衛生概念の定着化を目指し、授業の一環として講習会や展示会を行うと共に、子ども向けの講座として健康ゲームやクイズ大会、ポスターコンテスト、ワークショップなどを実施する。これにより、トイレやゴミ集積所の維持管理など住民参加による学校や地域の環境改善活動を促進していく。
  • 健康・環境・衛生研修キャンペーンの実施
    対象地域の村において、当団体と現地NGOとが共同で健康・環境・衛生研修キャンペーンを実施する。これにより、食前食後の手洗い、爪切り、教室の清掃など、衛生的な行動を習慣化させていく。
8.実施期間2005年6月〜2007年5月(2年間)
9.事業費第一年次契約金額:4,771千円
10.事業の実施体制日本人プロジェクトマネジャーと現地/国内調整員各1名が現地に長期滞在し、インド現地の協力NGO(MAMTA)のチーフ調整員ほかスタッフ10名と協働して事業を実施する。また国内調整員2名が国内での調整業務にあたる。
II. 実施団体の概要
1.団体名特定非営利活動法人 地球市民ACTかながわ/TPAK
2.活動内容【海外】
  • タイ、ミャンマーの山岳民族、貧農地帯の農民の子ども達を対象とした就学支援(奨学基金、学校改修、文具支援など)、寮生活支援(学校農園、養鶏、養魚、寮改修、衛生改善生活支援など)、また農村女性の自立支援、草木染め織物センター支援。
【国内】
  • 日本にいる私達が、世界を知り、世界を考えるためのトークセミナーの開催。定期的にゲストを招き世界規模のテーマで話し合う。
  • 国際協力の仕事を目指す人を育てるインターン制度。
  • 当会の支援地域を訪れ、この手で触れて学ぶスタディーツアーの実施。
  • 山岳民族の子ども達の招聘プログラムほか。
3.対象国との関係、協力実績タイ国「女性の自立プロジェクト」で調整員を務めた当会スタッフが2003年よりインドに滞在し、当地でのニーズを発掘した。その後当会本部より数回の現地調査を行い、現地NGOとの協力関係を築き、本事業実施の運びとなった。