草の根協力支援型

平成23年度 採択内定案件

I.提案事業の概要
1.対象国名ラオス
2.事業名ヴィエンチャン県フアン郡北部における養殖普及
3.事業の背景と必要性

ラオス農山村部では、人々の栄養(特に動物蛋白)摂取量が十分ではない。農山村住民にとって魚類は重要な動物蛋白源であり、ラオス政府は農山村住民の魚類摂取量を2020年までに23kg/人/年に増加させることを目標に掲げている。魚の供給量を増加させるためには養殖を振興することが必要で、2005年4月から5年間実施されたJICA技術協力プロジェクト「養殖改善普及計画フェーズ2」によって農山村部の養殖振興のための普及方式を確立した。プロジェクトでは、畜水産局ナムスワン養殖開発センター(NADC)を基地とし、ラオス北部と南部に12村の養殖普及パイロット村を確立する活動を通じて「村落共同体を基盤とした養殖振興」と「農民から農民への養殖普及」を基本方針とした標準養殖普及方式RAPP(RuralAquaculture Promotion Package)が確立された。

フアン郡北部は幹線道路から約45キロ離れた零細農業地帯であり、栄養摂取の改善と生計向上が緊急の課題となっている。また、約120キロ東方に建設された巨大水力発電ダムによって水没した地域から約6,000人の農民がこの地域に移住したため、社会・経済的環境が大きく変化している。フアン郡北部はター・クラスターという村グループにまとめられており、村へのアクセス・治安状況は良好である。養殖はクラスター内のドン村とター村で行われており、ドン村は村組織がしっかりしており、村民が資金を出し合って共同体池を建設するなど、養殖に強い関心を持っている。フアン郡農林事務所(DAFO)もクラスター内で養殖振興を計るならドン村を中心にすることを要望している。

NARCはフアン郡北部において平成22年度から、NADCとラオス国立大学環境科学部と共同して、水田生態系の調査と小学校を対象とした水田環境保全教育活動を実施しており、地域の状況をよく把握している。

本提案は、栄養摂取が十分でなく現金収入獲得の機会も限られているうえに、急激な自然、社会、経済環境の変化にさらされるという緊急な課題を抱えている地域住民の課題解決に資するものである。

4.プロジェクト目標ドン村がター・クラスターにおける養殖普及のためのパイロット村として機能する。
5.対象地域ヴィエンチャン県フアン郡北部タークラスター
6.受益者層(ターゲットグループ)直接受益者:ドン村 人口 446人、世帯数は82世帯(内養殖農家7世帯)
間接受益者:ドン村周辺のター・クラスター 9村 人口約3,500人
7.期待される成果及び活動
成果1 ドン村においてター・クラスターに適した種苗供給から成魚収穫にいたる養殖生産方式が確立する。
活動1-1. ドン村において中核農民を育成する。
活動1-2. ドン村の希望する農民に対して養殖技術指導を行う。
活動1-3. ドン村の女性同盟、村民グループ、小学校に対して養殖技術指導を行う。
成果2 フアン郡DAFO職員およびドン村の養殖普及能力が向上する。
活動2-1. DAFO職員に対してOJTとNADCにおける普及技術研修を行う。
活動2-2. ドン村の中核農民を村落養殖開発指導員(VADW)に育成する。
活動2-3. ドン村にVAPCを設置する。
活動2-4. NADCとDAFOが共同して地域の状況に適した養殖普及方式を策定する。
成果3 フアン郡DAFOおよびドン村が連携して養殖普及を進める体制が確立する。
活動3-1. NADCとDAFOが共同でドン村において定期的に情報収集および村人との意見交換を行う。
活動3-2. NADC、DAFOおよびドン村のVAPCとVADWが連携してター・クラスターの村々へ養殖普及活動を行う。
8.実施期間2011年7月〜2014年7月(3年)
9.事業費総額14,288千円
10.事業の実施体制提案者とNADCが緊密に連携して、フアン郡DAFOおよびドン村に対する技術指導を行う。
II.実施団体の概要
1.団体名特定非営利活動法人 アジア農山漁村ネットワーク (NPO法人 NARC)
2.活動内容アジア諸国の零細農山村民における調査、生計向上支援、若者の自立支援、環境保全啓蒙活動。
3.対象国との関係、協力実績農林省畜水産局(DLF)、NADC、およびラオス国立大学環境科学部と連携した水田生態系保全活動を行っている。