草の根協力支援型

平成15年度 採択内定案件

I. 提案事業の概要
1.国名メキシコ
2.事業名メキシコ合衆国における先住民(インディヘナ)に対する口唇口蓋裂医療援助
3.事業の背景と必要性

口唇口蓋裂は顔面・口腔に奇形を有する疾患であり、審美障害、発育異常、言語障害、咀嚼障害、嚥下障害などさまざまな機能障害を伴い、乳幼児期から成人にいたるまで長期の継続治療を必要とする疾患である。村社会中心の先住民集落では集落内での婚姻が多く、その発生率も非常に高いが、メキシコ合衆国での口唇口蓋裂の治療体系は十分でない。とくに先住民集落のある南部山岳部では治療設備も不十分で、治療を行える医師・歯科医師もいないうえ、貧困のため治療を受ける機会がないのが現状である。これらの背景から現地における口唇口蓋裂医療の充実が求められていた。これに対し、1997年よりメキシコ合衆国ヌエボレオン州モンテレーのNGO口唇口蓋裂治療班(CLAYPA)が先住民に対する医療援助を開始し、提案団体もこの活動の技術指導支援を行ってきたが、治療技術の指導、病院設備のさらなる充実を必要とするのが現状である。

4.事業の目的メキシコ合衆国山岳部の先住民(インディヘナ)の高頻度に発症する口唇口蓋裂患者に対する治療体系を確立すること、その支援を目的とする。そのため、現地NGO口唇口蓋裂治療班スタッフには手術法の選択、基本的手術手技、そして手術後の継続治療(歯科矯正治療、言語治療)などの基本的治療体系を指導と安全に手術が行える環境(医療設備、器具)整備を通して専門医の育成を目標とする。また、現地の医療スタッフ、ボランティア、行政機関にも疾患についての基礎知識、現状の治療での問題点を理解していただき、先住民が医療を受けることができる社会的環境作りをも目標とする。
5.対象地域メキシコ合衆国南部、チアパス州、オアハカ州、ベラクルス州、タマウリパス州
6.受益者層 メキシコ先住民(インディヘナ)
7.活動及び期待される成果
  • 必要な手術器具、手術設備の購入・設置(乳幼児を含めて安全な手術が行える環境を作る)。
  • 治療・手術法の指導(現地スタッフが口唇口蓋裂手術のうち、基本的手術が出来るようになる)。
  • 手術後の言語障害の評価法・言語訓練法(リハビリテーション)の指導(口蓋裂に特有な異常構音について理解でき、検査ができるようになる)。
  • 現地医療スタッフ、ボランティア、行政に対するセミナー。
8.実施期間2004年5月〜2007年3月(2年10ヶ月)
9.事業費第一年次契約金額:5,304千円(精算金額:3,887千円)
第二年次契約金額:2,500千円
10.事業の実施体制国立大学法人大阪大学大学院歯学研究科、顎口腔病因病態制御学講座(第一口腔外科)が中心となり、矯正歯科、顎口腔機能治療部(言語治療担当)が支援を実施する。メキシコ合衆国側からは現地NGO(CLAYPA)と共に事業を進め、事業を行う現地医療スタッフも参加する。先住民とのコンタクトはチアパス州では州政府機関であるInstitute de Desarrollo Humano(人間開発研究省)が行い、他の地域では現地のボランティア団体が行う。
II. 実施団体の概要
1.団体名大阪大学大学院歯学研究科
2.活動内容
  • 口腔外科分野(口唇口蓋裂・頭頚部癌)の臨床および研究
  • 口唇口蓋裂患者・家族への保健指導・相談会(地域保健所にて)
3.対象国との関係、協力実績2000年以来、メキシコ合衆国チアパス州サンクリストバルにおいて口唇口蓋裂手術の技術指導、セミナーを行い、現地NGOスタッフからの留学生を受け入れている。