草の根協力支援型

平成17年度 採択内定案件

I.提案事業の概要
1.国名メキシコ
2.事業名メキシコ国チアパス州チェナロー区マヤビニック生産者協同組合に対するコーヒー技術支援計画
3.事業の背景と必要性当該実施地域はメキシコ国内でも最貧州に位置づけられており、特に同州人口の約3分の1(392万人)を占めるといわれる先住民の生活水準は極めて低い。コーヒーは先住民にとってほとんど唯一ともいえる商品作物であり、彼らの現金収入の7割以上がコーヒーによるとの調査もある。しかしその一方で、内乱の影響やコーヒーの自由貿易化による国際価格の下落、わずかな作付面積しか有していないなどの理由から、コーヒーに生計を頼る先住民の生活は益々困窮を極めている。
こうした状況を改善するため、コーヒー生産に従事する先住民の中には共同組合を結成し生活水準の向上を目指す者もあり、本事業の対象であるマヤビニック生産者共同組合もそういった性格を持つ組合の一つである。
実施団体である慶應義塾大学山本純一研究室フェアトレード・プロジェクトは、フェアトレード及びフェアトレード商品に関する研究ならびに活動実績を有しており、2002年9月より本件対象地域との交流を続けている。2003年からは現地のコーヒー豆の輸入・販売・評価を実施、2004年には技術向上プロジェクトのためのフィージビリティスタディを実施済みである。かかる経緯により、研修ならびに設備整備を通じたマヤビニック生産者共同組合のコーヒー生産・焙煎・販売技術の向上を目指したプロジェクトを実施すべく、本事業を提案した。
4.事業の目的
  • マヤビニック協同組合の生産、品質向上、販売促進にかかる技術の確立により当該地域の生活水準を向上させる。
  • 組合機能の強化により他の組合のモデルとなりうる。
  • マヤビニックのコーヒー生産、販売による現金収入向上の機会を創出する。
5.対象地域メキシコ国チアパス州サンクリストバル市およびチェナロー区
6.受益者層メキシコ国チアパス州チェナロー区マヤビニック・コーヒー生産者協同組合の組合員約470人(約470家族)
※マヤビニックの組合員の数が増加する、あるいはマヤビニックの経験に学ぶ生産者が出ることから、受益者は、チェナロー区をはじめとする近隣の行政区に及ぶことを想定している。
7.活動及び期待される成果
1.グループメンバーに対し、既存設備を使った果肉除去から乾燥までの一次工程に関する研修を行なう。研修にあたっては、グループメンバー自らの活動に対する動機付けを重視する。
【成果1】生産者の果肉除去・乾燥技術ならびにパーチメント豆の品質が向上する。
【指標1】マヤビニックの高級豆であるGourmetタイプの豆の生産量が生産者一人当たり3割以上増加する。
2.グループメンバーに対し、コーヒーの鑑定方法および等級に関する研修を行なう。
【成果2】消費者が求め、高価格で購入する豆についての知識を生産者が得る。
【指標2】品質向上による焙煎豆平均販売単価の上昇(55ペソから60ペソ/kg)と焙煎豆の売上高の3倍増加する。
3.グループメンバーが集まって作業できる果肉除去設備を1基建設する。設備の建設にあたっては、グループメンバーとよく話し合う。必要な土地はマヤビニックから提供される予定である。
【成果3】果肉除去設備が1基整備される。
【指標3】果肉除去設備が事業開始1年後に1基建設される。
4.既存の焙煎設備を改善し、焙煎およびマーケティング担当者2名に対して日本での焙煎技術研修を行なう。
【成果4】焙煎設備が整備され、焙煎技術が向上する。
【指標4】焙煎能力が現在の月1.2トンから月3トンにアップし、専任の焙煎担当者がその技術を非専任者に移転する仕組みが構築される。
5.マヤビニックの焙煎およびマーケティング担当者2名に対して、日本でのコーヒーのマーケティングに関する研修を行なう。
【成果5】現在よりもマーケティング技術が向上する。
【指標5】マヤビニックの総売上が1.5倍以上に増加する。
8.実施期間2006年8月〜2008年3月(2年8ヶ月間)
9.事業費総額10,000千円(予定)
10.事業の実施体制
【日本側】
プロジェクトマネージャー(日本人)1名、国内調整員(日本人)1名、一次加工技術・マーケティング技術担当顧問(日本人)1名、焙煎技術・マーケティング技術担当顧問(日本人)1名
【メキシコ側】Unión de Productores Maya Vinic(マヤビニック生産者協同組合)
現地調整員(メキシコ人)1名、マヤビニック代表1名、マヤビニック焙煎担当2名、マヤビニックマーケティング担当2名、作業要員 数十名
II.実施団体の概要
1.団体名慶應義塾大学山本純一研究室フェアトレード・プロジェクト(Keio FTP)
2.活動内容フェアトレードおよびフェアトレード商品に関する研究および実践活動(研究会・講演会・ワークショップ・セミナーなどの開催、機関誌の発行・配布、国内外の関係諸団体・個人との交流、フェアトレードおよびフェアトレード商品の発展のための研究・技術支援、フェアトレード商品の販売、その他当プロジェクトの目的に合致する事業およびサブプロジェクト
3.対象国との関係、協力実績2002年9月の第1回現地調査以来、マヤビニックとの交流を続けており、その模様は山本純一著『メキシコから世界が見える』(集英社新書)にも紹介した。
協力実績については、2003年7月の焙煎豆25kgの輸入・販売・評価、2004年8月の生豆6.9トンの輸入・販売支援活動のほか、2004年3月には現地での生産および焙煎技術向上のためのフィージビリティスタディを実施している。