草の根協力支援型

2015年度 採択内定案件

I.提案事業の概要
1.対象国名 ネパール
2.事業名 障害当事者による震災被災障害者のエンパワメントと主流化
3.事業の背景と必要性 ネパールでは約2,650万の人口のうち1.6%が何らかの障害を持つと言われているが、山岳地の地理的・経済的に困難な状況、障害者に対する差別や偏見などが根強いこと、また障害者が受けられる福祉・保健・教育・就労等のサービスも非常に限られることなどから、障害者の社会参加は依然として進んでいないのが現状である。
このような困難な状況下、日本のダスキン「アジア太平洋障害者リーダー育成事業」に参加した障害当事者リーダーが中心となり、2006年、首都カトゥマンドゥにネパール初となる障害者自立生活センター(以下CIL)「CILカトゥマンドゥ」を設立し、障害者のエンパワメントと権利擁護、アドボカシー活動等を推進してきた。2009年にはポカラにも「自立生活協会ネパール」が設立され、そこからもダスキン研修生が輩出されるなど、ネパール国内のダスキン元研修生が連携しつつ、国内のリソースを活用し、また日本各地のCILから技術的・資金的支援を受けながら、国内の障害当事者運動を活発に展開してきた。
そんな矢先、2015年4月25日にネパール大震災が襲い、カトゥマンドゥを含む14の郡で甚大な被害がもたらされた。障害者のうち36名が亡くなり、2,000人が被災したと言われているほか、全体で22,000人を超える負傷者のうち、600人が脊椎損傷を負ったとされる。
このような被災者は、新たに重度障害を負い、これまでの生活が成り立たなくなるだけでなく、差別や偏見の強い社会で、障害者となった自分を受容し、新しい人生を踏み出していくという、非常に困難なプロセスを伴う点で、特別な支援・介入が必要となる。
CILカトゥマンドゥとポカラの自立生活協会ネパールでは、障害者のニーズに応じてピア・カウンセリング、自立生活プログラム(以下ILP)を実施しているものの、実施する上で必ずぶつかる壁(困難な事例に対峙する際のピア・カウンセラーとしての技量、自らの生活形態と異なる人のILPにおけるアイデア・創意工夫の能力等)を乗り越えるためには、継続的な研修受講や技術指導による知識・技術の向上が欠かせないため、今回の震災の被災障害者に対する支援を実施する上で、東日本大震災における被災障害者支援をはじめとする長年の経験の蓄積のある本邦からの技術支援が必要である。
4.プロジェクト目標 ネパール大震災で被災した障害者または新たに障害者となった人たちが、地域で自立生活を送る上で必要な支援を、ネパールの障害当事者及び政府機関等から受け、生きる希望を取り戻す。
5.対象地域 カトゥマンドゥ・カスキ郡ポカラ
6.受益者層
(ターゲットグループ)
1)人材育成の直接的な相手CILメンバー20名程度
2)公開セミナー受講者100名程度
7.生み出すべきアウトプット及び活動 <アウトプット>
1.障害者のエンパワメントの知識・技術の向上
2.被災障害者のエンパワメントと自立生活の基盤整備
3.震災の復興プロセスにおける「障害(者)の課題」の主流化
<活動>
1-1.日本の障害当事者リーダーによるネパールの障害当事者リーダーの育成
1-2.日本の障害当事者リーダーによる、関係者の啓発
1-3.ネパールの障害当事者リーダーによる、他の障害当事者の育成研修
1-4.インターンシップ交換プログラムによる若手人材育成
2-1.被災障害者の選定
2-2.障害者のエンパワメント研修の実施
2-3.介助者サービスを提供する介助者の養成
2-4.介助者サービスの提供(ネパール政府との連携による)
2-5.自立生活に必要な福祉機器・日常生活用具等の選定や、住宅改修などに関する助言(他機関との連携による)
3-1.アドボカシー活動のための啓発素材の開発
3-2.啓発素材を用いたアドボカシー活動の実施
3-3.日本の障害当事者リーダーによるアドボカシー活動
8.実施期間 2016年10月〜2019年9月(3年)
9.事業費概算額 10,000千円
10.事業の実施体制 <日本側>
実施団体
特定非営利活動法人 沖縄県自立生活センター・イルカ
協力団体
全国自立生活センター協議会(JIL)およびJIL九州ブロック
NPO法人さくら・車いすプロジェクト
認定NPO法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議
NPO法人エンパワメント沖縄
<ネパール側>
実施団体
障害者自立生活センター・カトゥマンドゥ
協力団体
自立生活協会ネパール
II.応募団体の概要
1.団体名 特定非営利活動法人 沖縄県自立生活センター・イルカ
2.活動内容 重度の障害がある障害当事者であっても、地域で自立した生活ができるよう、自立生活プログラムやピア・カウンセリングの実施、相談、支援、権利擁護などのサービスを提供する。