草の根協力支援型

平成17年度 採択内定案件

I. 提案事業の概要
1.国名パラオ
2.事業名パラオ共和国での学校検診実施のための技術協力
3.事業の背景と必要性人口18,000人のパラオでは、治療中の糖尿病患者は497名と報告されている(1997年統計による)。2003年にパラオ保健省がパラオ全土で実施した聞き取り調査と随時血糖調査によると、家族背景や生活習慣などから約3,000人が糖尿病ハイリスク群とされ、約800人が糖尿病患者として登録されており、5年あまりで糖尿病患者数は概算で1.6倍になった。糖尿病の発症、合併症の進展を予防するには、病気を早期に発見し、食事療法や運動療法をまず行うことが必要である。検診で発見した耐糖能異常患者を対象とした、食事療法、運動療法の指導による経済的、財政的メリットは大きい。わが国では学校検尿は1974年から実施されており、学校検尿を受けた世代の新規透析導入患者数は減少している。わが国では学校検尿で発見された小児糖尿病患者は1992年以降76.5%であり、身長、体重、視力測定をあわせて行い、栄養教育を行えば、学校検診は非常に有効な手段である。検診に要する費用は、一人当たり約50円であり、全学生に行ったとしても年間約20万円、2年に1回行うとすれば、年間約10万円であり、本事業終了後パラオ共和国において事業が引き続き実施可能と考えられる。パラオ人はアジア人と同様に糖尿病になりやすい遺伝子を有しており、栄養過多により糖尿病になりやすい。この点は欧米人とは全く異なっている。それゆえ、欧米流でなく、アジア流のやり方で指導することが妥当であり、必要である。パラオ人の肥満率は他のアジア地域よりも著しく高く、他のアジア地域よりも糖尿病予防対策が急務である。
提案団体はこれまで主に医療面、特に透析患者への援助を行ってきた。しかし糖尿病の末期として生じる腎不全患者、透析患者への援助よりも、腎不全の原因となる糖尿病を予防することの方が、患者のためにも、また医療経済、財政的にもはるかに重要であるとし、本事業が提案された。
4.事業の目的学校検診を実施し、そこで耐糖能異常や糖尿病、その他の病気の早期発見及びそれらの患者に適切な指導・治療を早期にパラオ人の手で行う。最終的に糖尿病の発症率や糖尿病合併症の進展率を低下させ、その他の病気の有病率を低下させる。
5.対象地域パラオ共和国(全域)
6.受益者層パラオ共和国において学校検診を受けた人8,000人(3年間の合計)
7.活動及び期待される成果学校検診を年1回、計3回実施する。内容は試験紙法による検尿一般検査と身長、体重、視力測定。初年度は全学生4,000人、以後義務教育1、4、7、9年目の学生毎年2,000人。最終的にパラオ人自らの手で学校検診を実施できるようにする。
糖尿病合併症を治療するパラオ人医師に適切な指導・治療法を指導する。これに現在の診療状況を確認し、パラオ人医師と患者の取り扱いについて協議し、今後の患者の取り扱いについてお互いの知識を確認し、今後の診療方針を決定する。最終的にパラオ人医師の指導・教育により糖尿病の発症・進展が抑えられるようにする。
8.実施期間2005年11月〜2008年10月(3年間)
9.事業費第一年次契約金額:3,293千円
10.事業の実施体制検診の実施・指導及び医療業務指導者としてプロジェクトマネージャー(日本人内科・糖尿病・腎臓専門医)及び現地補佐(栄養士を予定)を派遣する。事業の持続的な発展のために、パラオ保健省及びその他のパラオ人になるべく主導権を渡し、アドバイザー的な立場で事業に携わる。
II. 実施団体の概要
1.団体名日本パラオ協会
2.活動内容パラオ共和国における医療ボランティアを中心に、留学生の受け入れ及び民俗、文化全般に関する交流活動を積極的に行っている。特に医療については、これまでパラオ国立病院での内科を中心としたボランティア医療と及びパラオ共和国の患者を多数日本に迎えての精神的、経済的支援を行うとともに、より高度の医学的治療によって、病状の改善、治癒がなされるよう援助してきた。1999年以来、パラオ共和国大統領及び同保健省大臣の要請により、パラオの人工透析設備の改善(世界で最も高水準の日本の最新設備・機器)や、医薬品など消耗品等の供給を引き続きサポートしている。
3.対象国との関係、協力実績日本及び本協会と医療面、教育面、その他数多くの交流を行った。2005年1月からは日系のDr.Yanoが保健省大臣となり、現在もなお極めて良好に信頼関係を保っている。