草の根協力支援型

平成23年度 採択内定案件

I.提案事業の概要
1.対象国名セルビア
2.事業名スメデレボ市ラーリャ地区、ベオグラード市カルジェリッツァ地区の子どもたちへの心理社会支援事業
3.事業の背景と必要性

セルビアの長期に及ぶ経済停滞は、貧困層である難民・国内避難民(IDP)はもとより社会全般の貧困問題を一層深刻化させている。セルビア内の避難民センターの多くは町外れにあるが、その地理的要因および貧困は、子どもたちの生活の殆どをセンターと学校との往復のみにしており、子どもたちの社会的活動は極めて制限されたものとなっている。また復興の遅れが招く社会の停滞は、地元民の精神的疲弊度にも大きな影響を与え、難民集団を温かく迎える余裕がないのが現状である。

こうした状況下では、抑圧感に苦しみ、心のケアを必要とするのは、難民・IDPだけではない子どもたち全般であるといえよう。一般に、こうした状況下に成育歴を持つ子どもたちにみられる傾向として、心理面では社会活動からの引きこもり、未来への展望を描き得ない内的資源の枯渇、人間関係への不信感などがあげられる。また、行動面では、自己管理能力が欠如しやすく、調和的人間関係構築を阻害するような乱暴な振る舞い、根気のなさが指摘されている。貧困の中で将来に具体的な希望を描き得ない子どもたちが、社会の一員として誇りをもった生活が営めるよう、豊かな精神性と文化を内在し社会の構築に積極的に参画できるよう、幼児期から様々な機会の提供と訓練が必須である。ACCは、社会の明日を担う子どもたちにグループワークで行う心理ワークショップを実施することで、創造性と社会性の開発による精神力、適応力、構築力の強化を指標に、彼らの人間性の健全な発達を支援することが、将来のセルビア社会の発展に寄与するものと考える。

4.プロジェクト目標ベオグラード市カルジェリッツァ地区の子どもたち、スメデレボ市ラーリャ地区の子どもたちの心理状態が向上する。またZDS Youth Groupがワークショップを開催する能力を手に入れる
5.対象地域スメデレボ市郊外ラーリャ地区、ベオグラード市、同市郊外カルジェリッツァ地区
6.受益者層(ターゲットグループ)
  • スメデレボ市郊外ラーリャ地区(イヴォ・アンドリッチ初等学校ラーリャ分校、オーラ・ラディナッツCC)ベオグラード市郊外カルジェリッツァ地区(カルジェリッツァCC)の子どもたち
  • ベオグラード市のNGO「Zdravo da ste」のYouth Group
7.期待される成果及び活動

〈成果〉

  1. 個々の心理ワークショップの実施内容が現地のニーズに則した形で策定される
  2. 子どもたちの成長が定期的に確認される
  3. 心理ワークショップの全体プログラムが改定される
  4. ZDS Youth Groupが主体となり、心理学の知見に基づいたワークショップの開催が可能となる
  5. 周辺地域住民との共感的理解が促進される

〈活動〉

  1. 個々の心理ワークショップの振り返りを行い、内容を見直す
  2. ワークショップ作品や聴き取り調査により子どもたちの状態を分析・評価する
  3. 半期ごとに全体プログラムの適宜性を検討・評価するための会議を開催し、必要に応じて改定する
  4. ZDS Youth Groupへの研修、OJTを推進する。
  5. 子どもたちが暮らす地域住民のワークショップ参加を積極的に働き掛ける。
8.実施期間2012年2月〜2015年1月(3年)
9.事業費概算額13,992千円
10.事業の実施体制プロジェクトマネージャー及び事業従事者を年3回程度短期派遣する他、現地調整員を雇用し事務処理等に従事させる。また、セルビア国内のカウンターパート「Zdravoda ste」と連携してACCのワークショップ技術をZdravo da ste Youth Groupに指導し、上記目標を達成するためのJICAガイドラインに基づいた諸活動を現地との協働で実施する。
II.応募団体の概要
1.団体名特定非営利活動法人ACC危機の子どもたち・希望
2.活動内容2001年に任意団体として設立以来(2004年12月にNPO法人格取得)、クロアチア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、日本国内で心理社会支援事業、カンボジアで教育環境整備事業を展開し、現在に至る。