草の根協力支援型

平成19年度 採択内定案件

I. 提案事業の概要
1.国名バヌアツ
2.事業名フツナ島村落経済開発
3.事業の背景と必要性

《事業背景》

フツナ島チーフカウンシルは急速に流入する貨幣経済に対して次のような危惧を抱いている。

  1. 幣経済の急速な流入による島内における富の格差の増大。また、それに伴う資源の保全に対する危惧。
  2. 現金収入を求め、都市への人口流出。また、それに伴う島の文化、伝統の消失に対する危惧。

現在の島内人口は約400人であるが、島外に住むフツナ島出身者は首都ポートビラ周辺に約600人、タフェア県の中心であるタンナ島に約100人住んでいる。彼らの子ども達は共通語であるビシュラマおよび英語のみを話し、フツナ島固有の言語であるフツナ語を使うことができなくなっている。言語の喪失は文化の喪失である。

若年層の流失もまた、文化や伝統の担い手の流失であると言える。また、都市部において安定した定職に就くことは現在の経済状況では困難である。このような状態からスラム化が生じると都市治安が悪化するおそれがある。また、仮に島民の2世、3世が島へ戻ったとしても島の慣習、しきたりを踏襲するための知識や技量、経験に欠け、島文化の担い手となることは出来ない。結果、共同体の崩壊が進み、文化の喪失につながることが予想される。これは、フツナ島のみならず1980年の独立以来、首都と地方の経済格差が広がるバヌアツ共和国の各地で現在進行しているひとつの大きな社会問題である。

《事業の必要性》

島にある水産資源を用いて商品化を行い付加価値を付け、販売流通システムを島民自身の手において構築することで、文化と経済のバランスの取れた持続可能なローカルエコノミーシステムを成立させることが必要である。

事業の達成によって、島で生活することを不利益と考える人が減り、島の人口が安定し、共同体のもつ文化的、伝統的システムを存続させることが出来る。

4.事業の目的フツナ島村落の伝統的な技術と知識の上に立脚した地域の特産品を基に、商品開発を行い共同体として持続的な商品生産、販売体制を確立する。この事により本事業に関わる村落構成員に対して一定額の現金収入が創出される。
5.対象地域タフェア県フツナ島
6.受益者層漁業従事者とそのグループ 60名
魚介類を加工、商品化するグループ 100名
販売グループ 40名(島外居住者も含む)
上記グループの家族 300名
7.活動及び期待される成果

活動

フツナ島における主たる生業である漁業を基に、島の伝統的な魚類調理法putongiを用いて加工したものを商品化し都市部で販売するという一連の生産販売体制を確立させる。

期待される効果

事業の成立、それに伴う現金収入をもたらすことで

  1. 島内における富の格差を是正することが出来る。
  2. 加工、商品化に携わる女性たちの収入機会向上につながる。
  3. 島の基幹産業である漁業に立脚することより、島民の生活基盤安定につながる。
  4. 学費支払いが可能になる。
  5. 現金収入を求めて流出する人口が減少する。

以上が効果として考えられる。

また、この事業を既存の共同体システムであるチーフカウンシルを活用することにおいて

  1. 共同体そのものの維持基盤が強化される。
  2. 水産資源の持続的活用が行われる。
8.実施期間2007年9月〜2010年8月(3年)
9.事業費10,000千円(予定)
10.事業の実施体制

日本側

竹川大介北九州市立大学教授をプロジェクトマネージャーとし国内調整員を3名、商品化における専門官を2名、国外調整員を3名配置する。

相手国側

協力機関

  • フツナ島チーフカウンシル
  • フツナ島フィッシャリーアソシエーション
II. 実施団体の概要
1.団体名公立大学法人 北九州市立大学
2.活動内容本事業を推進する北九州市立大学においては学校設立の過程から外国語学部を設立当初からもち、国際交流、留学生受け入れに対して実績をもつ。2001年に環境工学部を設置。技術的交流を含めた国際交流も広がってきている。