地域活性化特別枠

草の根技術協力(地域活性化特別枠)事業概要

I.提案事業の概要
1.国名 中華人民共和国
2.事業名 黒竜江省綏化市食の安全と環境対策事業
3.事業の背景と必要性 綏化市は黒龍江省中南部に位置し、中国屈指の食糧及び輸出農産物の生産基地である。農業集約化が進み、化学肥料と農薬を大量使用している結果、大気、土壌、河川や地下水の汚染、生態系の撹乱などをもたらし、農作物の安全性問題や環境問題が生じている。地下水に流出した有害物質が松花江を通じ、日本海への流入も懸念される。実際に、現地での土壌分析の結果、収穫後の圃場においても硝酸態窒素の蓄積が確認されている。また、現地で栽培されたカボチャ等を原料とした冷凍野菜は輸入されているため、日本の食の安全にも関わっている。そこで、化学肥料と農薬の使用に関する日本の先進的理念と技術を導入することにより、化学肥料と農薬の適正使用に対する認識を高め、農産物安全性の確保、環境汚染の低減および生活環境の改善を図りたい。
4.プロジェクト目標 綏化市の農業技術普及員、指導的農業者および中核農家が、化学肥料及び農薬の使用料低減技術と知識を身につけ、マニュアルに沿って実践できるようになる。
5.対象地域 中華人民共和国黒龍江省綏化市
6.受益者層(人数規模) 綏化市鑫諾瓜菜種植農民専業合作社および綏化市永安満族鎮廂黄三村の指導的農業者(10人)
7.活動及び期待されるアウトプット <アウトプット>
1 緩効性肥料の施用や土壌分析による施肥を通じて化学肥料の施用量の低減、及び病虫害耐性品種の使用、病虫害発生予察に基づき、物理的・生物的防除法等による総合的病虫害防除対策による農薬使用の低減技術が実証される。
2 現地の農業生産に対応した化学肥料と農薬の適正使用及び防除技術に関するマニュアルのドラフトが整備される。
3 綏化市永安満族鎮廂黄三村及び同村の農民合作社の指導的農業者の生産活動に、試験的にマニュアルを導入して実践しフィードバックすることにより、マニュアルが実践的なものとして整備され、中核農家に伝達される。
4 新潟県における国際協力への理解を深めるとともにグローバル人材の育成を図るため、一般市民等を対象にした事業報告会の開催や活動報告書の配布、新潟大学でのセミナー開催等が実施される。
<活動>
1-1 現地調査に基づき植物体や土壌汚染の影響要因、施肥現状および農薬使用の問題点を把握する。
1-2 1-1に基づき、現地の条件に適した防虫害耐性品種を選定し、実証試験圃で栽培する。
1-3 病虫害発生予察の活用方法を指導する。
1-4 1-2に対し、病虫害発生予察法を活用しつつ、緩効性肥料を施用して、化学肥料の施用料の低減効果を測る。
1-5 病虫害耐性品種と病虫害発生予察の活用、緩効性肥料と化学肥料の適正使用の実証データを整理する。
2-1 東北農業大学農学院・黒竜江省科学技術庁・綏化市農業普及センターが1のアウトプットを基に、ドラフトマニュアルを作成する。
3-1 省科学技術庁、東北農業大学や地元綏化市農業技術普及センターの農業普及員等技術者に、整備されたマニュアルに基づく栽培方法の技術研修を行う。
3-2 3-1の技術者が、綏化市の一部指導的農業者に対して技術指導する。
3-3 指導された指導的農業者が、その技術を試験的に実践する。
3-4 試験的に実践した指導的農業者から、マニュアルに対するフィードバックを行い、マニュアルを改訂し、中核農家にその技術を伝達する。
4-1 本事業の成果や経験を日本の地域社会へ還元するため、事業実施団体であるNPO法人新潟県日中友好協会において、会員及び一般市民を対象に報告会を実施する。また、活動成果を報告書にまとめ配布する。
4-2 グローバル人材の育成を図るため、中国側研修員を招いて新潟大学において学生や一般市民を交えたセミナーを開催する。
8.実施期間 2016年11月〜2019年11月
9.事業費概算額 28,630千円
10.事業の実施体制 実施団体:NPO法人新潟県日中友好協会
新潟県と新潟大学農学部によるワーキングチームにより実施
現地実施機関:東北農業大学
II.応募団体の概要
1.団体名(提案自治体) 新潟県
2.対象国との関係、協力実績 新潟県と黒竜江省は友好県省関係を締結している。NPO法人新潟県日中友好協会は、これまでにJICA草の根技術協力事業(地域提案型)の「嫩江流域荒漠化地区生態林建設協力事業」(H17〜H19)、「黒竜江省順利村モデル地区資源循環型農村環境構築技術協力事業」(H21〜H23)および「黒竜江省林甸県荒漠地対策事業」(H24〜H26)に取り組んできた。また、新潟大学農学部は東北農業大学と学術交流協定を結んでおり、上記事業の実施に協力してきた。